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【陽春時代小説特集】
青山文平/植松三十里/木下昌輝/近衛龍春/永井紗耶子/矢野 隆/諸田玲子

小説新潮 2020年4月号

(毎月22日発売)

特別定価1,100円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2020/03/21

発売日 2020/03/21
JANコード 4910047010404
定価 特別定価1,100円(税込)
■目次
【陽春時代小説特集】
青山文平/泳ぐ者 〈新連載〉
――四月よつきぶりに直人の前に現れた雅之が、持ち掛けてきた話は――ミステリファンを大いに唸らせた『半席』待望の続編

植松三十里/ヤマトフ
――ロシアか故国か、そして、母か妻か――男が選び取ったのは

◆木下昌輝/戀童れんどう夢幻 性の章 後編
――師の復讐を果たすべく、蒔田淡路守は密謀に手を染めるが

近衛龍春/裏切りに非ず
――朽木幕府とも呼ばれる要衝で生き残った男が守った筋目とは

永井紗耶子/立師かく語る 木挽町のあだ討ち
――突然の客は、与三郎が芝居小屋に何故に来たのか語れと言い

矢野 隆/耕書堂モンパルナス 大結 幾五郎が躍る
――己のせいで人が死んだことに耐えられず出奔した鉄蔵の元に

諸田玲子/お猿どの
――嫡男の幼名は「犬千代」だ。なのにわが子が「猿千代」とは
【二大新連載小説】
江國香織/ひとりでカラカサさしてゆく
――かつてともに働いた三人の男女。八十をこえた彼らは思い出話に花を咲かす。ひとつの不穏な決意を胸に秘めて――

千早 茜/しろがねの葉
――夜を、暗さを、怖がらない童だった。しかしこの銀の山に来て、真の闇を知った――間歩で生きていくウメの運命は
【連載第二回】
浅田次郎/母の待つ里にて
【傑作短編シリーズ】
畠中 恵/おにきたる しゃばけシリーズ
【本誌掲載『占』刊行記念対談】
木内 昇×津村記久子/仕事の話をしよう
――会う前から気が合うことが絶対分かっていた二人が存分に語る
【新生活応援企画】
辻村深月×上田淳子(料理研究家)/仕事中、ほったらかしで美味しくなるごはん
――手をかけないで美味しいものが食べたい! そんな願いを叶えるべく、作家が料理家に一日入門。常識を覆す台所の秘訣、たっぷりお見せします
小説新潮作家名鑑
◆千早 茜
――デビュー作で泉鏡花賞を受賞して十年、真摯な作家の素顔

【連載エッセイ・ノンフィクション】
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
川上和人/オニソロジスト嘘つかない
酒井順子/処女の道程
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
椎名 誠/漂流者は何を食べたか
◆清水克行/アナーキー・イン・ジャパン
筒井ともみ/もういちど、あなたと食べたい
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私

【バラエティコラム】
〈いつか住みたい街〉大沢さつき
〈もういちど会いたい〉岡田 育
〈あのとき聞いた音楽〉鹿子裕文
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈医療・介護〉東えりか
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
【好評連載小説】
梓澤 要/華の譜 徳川和子と後水尾天皇
逢坂 剛/鏡影劇場
梶よう子/東都の藍
加藤シゲアキ/オルタネート
黒川博行/熔果
桜木紫乃/緋の河 第二部
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
長浦 京/プリンシパル
西加奈子/夜が明ける
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
花房観音/果ての海
葉真中顕/異郷のイービス
原田宗典/無理會
宮城谷昌光/公孫龍
宮部みゆき/Ghost Story
◆薬丸 岳/刑事弁護人
山田詠美/血も涙もある
山本一力/ひむろ飛脚
第七回「新潮ミステリー大賞」募集要項
「日本ファンタジーノベル大賞2020」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

「自粛」ストレス 読書で解消

 大正時代に全世界で猖獗を極めたスペイン風邪は、日本でも島村抱月、村山槐多ら文学者の命を奪ったことでも記憶される。爾後百年、またしても我々は脅威に晒されているが、どんな時にも春は来る。恒例の「陽春時代小説特集」は、代表作『半席』の続編である青山文平氏の新連載「泳ぐ者」を筆頭に、植松三十里、木下昌輝、近衛龍春永井紗耶子矢野隆諸田玲子という6氏の秀作を揃えた。様々な「自粛」で抱えるストレスが、読書で解消されると期待したい。
 このほか、本誌では13年ぶりの連載となる江國香織氏「ひとりでカラカサさしてゆく」。千早茜氏の初の時代小説連載「しろがねの葉」。そして新刊『』の刊行を記念した木内昇氏と津村記久子氏の対談。辻村深月氏が料理研究家の上田淳子氏に「台所の秘訣」を伝授される特別企画と、今月も盛り沢山だ。
 さて、本号をもって通算八年務めた二度目の編集長を辞し、若くて気力十分の後輩に雑誌を託します。今後もぜひ、ご愛読のほどを。

小説新潮編集長 江木裕計

次号予告

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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