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【特集】世界は締切でできている
一穂ミチ/中山祐次郎/横山拓也/柿村将彦/佐川恭一/石田夏穂

小説新潮 2024年2月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2024/01/22

発売日 2024/01/22
JANコード 4910047010244
定価 1,000円(税込)
■目次
【特集】世界は締切でできている

〈はじめに〉
締切こそが、人生だ

◆一穂ミチ/月を経る
――閉経を意識していた緋佐子。恋人の保が切り出したのは

中山祐次郎/白昼の5分間 麻布中央病院外科
――呼び出された剣崎が診たのは看護師のりさの息子で……

◆横山拓也/ユアちゃんママとバウムクーヘン
――一泊二日のサッカー合宿の下見。なんであなたがここに?

柿村将彦/ヤケクソジャンプ!
――幽霊屋敷で、幼なじみから衝撃の告白。その時、私は……

◆佐川恭一/レンタル処女
――大学四回生、彼女なし、童貞の僕が春を求めて訪れたのは

◆石田夏穂/デッドラインを守れ
――迫り来る工期、住民からの苦情。板挟みの現場で堀田は

〈エッセイ〉
締切、そのとき私は
――締切の数だけ、ドラマがある。各界の才人が語る、忘れがたき“あの頃”
燃え殻
◆久保勇貴
◆石川 梵
◆田根 剛
◆牟田都子

〈『一夜―隠蔽捜査10―』刊行記念&デビュー45周年記念対談〉
◆上田秀人×今野 敏/締切は守ってなんぼ、書いてなんぼ
――数多の修羅場を乗り越えてきた猛者ふたり。業界の双璧を成す彼らが語る〈締切論〉とは

〈特別エッセイ〉
◆柿村将彦/酒と、煙草と、幽霊と―実録カンヅメ体験記―
――果たして「カンヅメ生活」は書かない作家に天啓を授けるのか。禁断のガチンコルポ
【新連載】
岩井圭也/沸点
――孤独な青年がボクシングに出会う時、本物の感情が動き出す。熱き、拳の声を聴け!
【『成瀬は信じた道をいく』刊行記念エッセイ】
宮島未奈/大津ときめき紀行2―びわ湖さんぽ―
――最高の主人公が戻ってきた! 彼女と共に巡る、物語の舞台・大津の名所、よりどりみどり
【傑作短編】
◆まさきとしか/運命のあなた
――犯人は現場に戻る。その言葉を、私はいま、噛み締める

万城目学/あの子と休日 後編
――クイズ大会で奇跡を起こす吉岡優。やっぱり彼女は――

矢樹 純/影祓え 後編
――息子を冒す不明熱。真希の周囲には黒く怪しい影が迫り
【連載第2回】
中島京子/水は動かず芹の中
――旅先で出会った陶芸家夫妻は、実は水神の一族なのか?

長浦 京/ソリスタ
――シベリア鉄道で突如発生した殺人事件。容疑者は、全員

はらだみずき/されどめぐる季節のなかで
――帰ってこない遠藤君。遂に真芽は彼の職場へと向かった

畠中 恵/かたごころ しゃばけシリーズ
――おしろの弟子・お照の縁談が取消に!? 一体どうして
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない 最終回
角幡唯介/地図なき山―日高山脈48日漂泊行―
川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆くどうれいん/くどうのいどう
酒井順子/松本清張の女たち
◆友近/友近道中 最終回
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈医療・介護〉杉江松恋
【好評連載小説】
◆川越宗一/満腔まんこうの熱血
桐野夏生/ダークネス
佐々木譲/遥かな夏
原田マハ/晴れの日の木馬たち
宮城谷昌光/公孫龍
諸田玲子/岩に牡丹 最終回
吉川トリコ/裸足でかけてくおかしな妻さん
【バラエティコラム】
〈わたしの東京〉前川ほまれ
〈もういちど会いたい〉木下龍也
「日本ファンタジーノベル大賞2025」募集要項
第十一回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

守ったり追われたり、締切は人生だ!

 運転免許の更新、ヨーグルトの賞味期限。気が付けば周りはたくさんのデッドラインにあふれています。目の前にあると気が重いけれど、無いと物事が進まないのもまた事実。もしかして、こいつがこの世を回していたのか……!? そんな思いから特集「世界は締切でできている」は生まれました。一穂ミチさんは女性の身体の変化と婚期を、石田夏穂さんは建築現場の工期と労働時間を、中山祐次郎さんは一分一秒を争う緊急手術と外科医のライフステージを、と日々の「締切」はこんなにもドラマティックだったのかと感じさせられます。上田秀人さんと今野敏さんの対談では「締切を守らない作家には生きる価値がない」などの檄が炸裂。そして小説誌的には、締切と言えばカンヅメ。デビュー以来六年間(!)締切を破り続けた柿村将彦さんをカンヅメ部屋に収容し、短編の執筆を依頼しました。果たしてその成果は?
 新連載は岩井圭也さん、静謐で熱いボクシング小説です。

小説新潮編集長 西麻沙子

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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