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川上未映子「ウィステリアと三人の女たち」
加藤秀行「海亀たち」(190枚)

新潮 2017年8月号

(毎月7日発売)

特別定価980円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2017/07/07

発売日 2017/07/07
JANコード 4910049010877
価格 特別定価980円(税込)

ウィステリアと三人の女たち/川上未映子

 取り壊されてゆく老女の家。真夜中にわたしは、瓦礫の重なる廃墟へと足を踏み入れる。暗闇と静けさの中で発光する、女たちの時。

海亀たち/加藤秀行[一九〇枚]

 日本を離れ、ベトナムで失敗し、タイの雇われ社長になった。俺がここにいる理由はなんだろうか? 挑み、もがき続ける青年の彷徨。

◆惜しまれつつ世を去った人々の博物館/レベッカ・マカーイ
 訳・解説 藤井 光

 「生き残る」とは何か? 亡き婚約者の秘密を知る女の苦悩がハンガリー史と交錯する。

■■ 連載小説 ■■

■ミライミライ(十五)[連載完結]/古川日出男

■格闘(六)/高樹のぶ子

■野の春(十一)/宮本 輝

■TIMELESS(十六)/朝吹真理子

■ペインレス(二十四)/天童荒太

■荒れ野にて(二十七)/重松 清

■第五回 河合隼雄物語賞・学芸賞発表
【物語賞授賞作】あひる/今村夏子
【学芸賞授賞作】落語に花咲く仏教―宗教と芸能は共振する―/釈 徹宗
【選評】中島京子(物語賞)/鷲田清一(学芸賞)

□□ 特別鼎談 □□

ポスト・トゥルース時代の現代思想
 浅田 彰/東 浩紀/千葉雅也

 トランプ勝利、EU崩壊で「新世界無秩序」が急加速する今、思想家が担うべき役目とは何か? 現代の重要問題を縦横無尽に論じる!
◆名残りの銀貨――デニス・ジョンソン追悼/新元良一
■編集者 漱石[第五回]/長谷川郁夫
■小林秀雄[第四十六回]/大澤信亮
■地上に星座をつくる/石川直樹
 第五十四回・果物天国
■見えない音、聴こえない絵[第一五四回]/大竹伸朗
■本
・宮内勝典『永遠の道は曲りくねる』/木村友祐
・滝口悠生『茄子の輝き』/津村記久子
・浜崎洋介『反戦後論』/富岡幸一郎
・今村夏子『星の子』/福永 信
・金井美恵子『カストロの尻』/堀江敏幸

■新潮
・文体と声/田中慎弥
・ハーバービューの夜――大田昌秀さんのこと/岸 政彦
・ボクシングと舞踏/町屋良平
・土曜の夜にささやかに/古川 耕
・菊花の御紋章入りの靴下について/石橋正孝
・改めて音楽を信用するために/石黒隆之
第50回《新潮新人賞》応募規定

【選考委員】 ●大澤信亮 ●川上未映子 ●鴻巣友季子 ●田中慎弥 ●中村文則

この号の誌面

立ち読み

編集長から

新世界の想像力

川上未映子氏の「ウィステリアと三人の女たち」は、小説家デビュー10周年を迎えた書き手にとって、決定的なマイルストーンというべき作品ではないか。主人公は38歳の「専業主婦」。彼女の家の向かいには戦前に建てられた邸宅がある。いや、あった。今は解体途中で放置されているのだ。時の流れが削り壊したように半ば瓦礫と化したその古い家にも、かつて女が住んでいた。一見ありふれた住宅街に暮らす老若の「女たち」の物語は、しかし瞠目すべき強度と神秘的な深さを湛えている。川上氏は本作によって文学の新世界に飛躍したのではないか◎今年還暦を迎えた浅田彰氏を東浩紀氏と千葉雅也氏が囲んだ大型鼎談「ポスト・トゥルース時代の現代思想」は、「新世界無秩序」(浅田)の激動を検証し、「新しい政治の概念や新しい公共の概念」(東)を模索する◎新鋭・加藤秀行氏の「海亀たち」(190枚)はIT時代の東南アジア=新世界に飛び出した青年たちの新鮮な群像劇だ。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞

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