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名探偵もびっくり。
RAMPOの夢とまことを映す偏愛品を一挙公開。

怪人 江戸川乱歩のコレクション

平井憲太郎/著、本多正一/著、落合教幸/著、浜田雄介/著、近藤ようこ/著

1,944円(税込)

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発売日:2017/12/26

読み仮名 カイジンエドガワランポノコレクション
シリーズ名 とんぼの本
装幀 膨大な蔵書で埋め尽くされた、東京・池袋の旧乱歩邸(現・立教大学移管)土蔵内部 撮影・広瀬達郎(新潮社写真部)/カバー表紙、中村香織/ブックデザイン、nakaban/シンボルマーク
発行形態 書籍
判型 B5判変型
頁数 143ページ
ISBN 978-4-10-602278-4
C-CODE 0395
ジャンル ノンフィクション
定価 1,944円

無残絵、人形、遠眼鏡から帽子、ネクタイまで、終の住処に遺された愛蔵プライベートグッズをたんとお見せしよう。書物で埋め尽くされた伝説の土蔵も隅々までご覧あれ。うら若き女性のヌード写真を納めた秘蔵アルバム帖も初公開だ。没後50年を過ぎた今、怪人の素顔が浮かび上がる。近藤ようこ描き下ろし漫画「お勢登場」は必見!

著者プロフィール

平井憲太郎 ヒライ・ケンタロウ

1950年東京都豊島区生まれ。株式会社エリエイ代表取締役。日本鉄道模型の会理事長。としまユネスコ協会代表理事。公益財団法人としま未来文化財団評議員。幼時から鉄道、鉄道模型を趣味とし、立教高校在学中の「鉄道ジャーナル」編集アルバイトをきっかけに鉄道趣味書出版の世界に入り、1968年友人と共に写真集『煙』を出版。立教大学卒業後、株式会社エリエイに鉄道出版部門を立ち上げ、1974年より鉄道模型月刊誌「とれいん」を発刊。

本多正一 ホンダ・ショウイチ

1964年栃木県生まれ。写真家、文筆家。青山学院大学卒。編書に『中井英夫全集』(東京創元社)、『シリーズ20世紀の記憶』(毎日新聞社)、平井隆太郎『うつし世の乱歩』(河出書房新社)、『幻影城の時代 完全版』(講談社)、『薔薇の鉄索ー村上芳正画集』(国書刊行会)など。著書&写真展『彗星との日々』(光村印刷、銀座ニコンサロン)。

落合教幸 オチアイ・タカユキ

1973年神奈川県生まれ。日本近代文学研究者。専門は日本の探偵小説。立教大学大学院在学中の2003年より江戸川乱歩旧蔵資料の整理、研究に携わり、2017年3月まで立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センターの学術調査員を務める。『江戸川乱歩文庫』全13巻(春陽堂書店)監修。

浜田雄介 ハマダ・ユウスケ

1959年愛知県生まれ。成蹊大学文学部教授。『新青年』研究会会員。東京大学大学院博士課程中退。駿河台大学現代文化学部教授を経て、現職。専門は近代日本文学。編著に『江戸川乱歩作品集』(岩波文庫)、共著に『昭和文化のダイナミクス』(ミネルヴァ書房)、『怪異を魅せる』(青弓社)など。

近藤ようこ コンドウ・ヨウコ

1957年新潟市生まれ。漫画家。国学院大学文学部卒。大学在学中にデビュー。「見晴らしガ丘にて」で第15回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。折ロ民俗学や中世文学への造詣が深く、安吾や漱石作品の漫画化にも取り組む。作品は「水鏡綺譚」「説経小栗判官」「ルームメイツ」「恋スル古事記」「戦争と一人の女」「死者の書」「夢十夜」ほか多数。

目次

乱歩おじいちゃんとの十五年
平井憲太郎
乱歩邸を探偵する
実録! 乱歩コレクション
無残絵
人形
器械
旅支度
マジック小道具
三味線
帽子
初公開! 立教大学記録資料が語るもの
談=平井憲太郎・落合教幸
乱歩が愛した小抽斗の宇宙
本多正一
秘蔵アルバム帖拝見
談=平井憲太郎
乱歩文学の世界ヘ――覗き見る乱歩
落合教幸
人間乱歩の歩んだ道
浜田雄介
終の住処に遺されたもの
写真機のこと――同類嫌悪?
本多正一
図解・乱步 戦前編/戦後編
作成=鬼頭与侍子
江戸川乱步略年譜
〈特別描き下ろし漫画〉
お勢登場 近藤ようこ

インタビュー/対談/エッセイ

乱歩の思いが詰まった部屋

平井憲太郎

 校正紙を見てワクワクしたのは、久しぶりの経験だった。その本とは、今回出版された『怪人 江戸川乱歩のコレクション』。
 本書に寄せた一文にも書いたが、私が祖父と暮らしたのは15年間。一つ屋根の下とはいえ、多忙な作家と幼児期から小中学生の子どもとは生活時間も異なり、ふれあうチャンスは決して多くはなかった。
 そんな私にとって、この本で棚卸しされた旧宅の雑物諸々には、思い出のあるもの、うっすらと記憶の底に残っているものもあれば、存在すらまったく知らなかったものまであり、今更ながら祖父の様々な面を見せてくれるようだ。
 自分史のスクラップブックである貼雑年譜はりまぜねんぷをまとめながら、地元の町会や防空団の活動に熱心に取り組んだ戦時中、演習に使ったであろうすり切れた国民服やゲートルが残っていたことは知らなかったし、色あせた鯉のぼりが出てきたことにも驚いた。
 中には、くす玉、くす玉の枠なる表記の包みまであり、恐らく出征兵士を送るときに使ったものと思われるが、再使用を期して保存していたのだろうか。
 ところで、本書の写真撮影のほとんどは、立教大学が一般公開している旧乱歩邸の応接間の2階にある和室で行われた。直射日光は当たらないものの、低い位置まで窓ガラスが入っていて、写真撮影に好ましい、柔らかい光が得られたからであろう。
 この部屋は下階に負けず劣らず凝った造りで、祖父の力の入れ方が感じられる。しかし残念なことに、この部屋を作った頃から祖父の体調が徐々にすぐれなくなり、1階の天井を高くしたあおりで階段が急になって本人の昇降に危険を伴ったためか、接客にはほとんど使われることがなかった。
 わが家はこの本でも判るとおり、なかなかものの捨てられないところがあり、空いたスペースはどんどん物置と化していくのである。しかしこの部屋だけは、祖父がかけた思いをうけたのか、祖父が亡くなるまで空いたままで残っていた。そんなわけで、父と同室で生活していた私が高校生になった時に、この部屋が私の寝室として割り当てられたのである。1人で寝るには余りに広く、急な階段で隔絶されているので、いささか不気味なところではあったが、今となってみれば思い出深い部屋でもある。掲載された乱歩遺品写真の背景に写っている畳は、この部屋のもので、ちょっと感慨深い。

(ひらい・けんたろう 編集者・江戸川乱歩孫)
波 2018年1月号より

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