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今月の表紙の筆蹟と絵は、ヨシタケシンスケさん。

波 2020年8月号

(毎月27日発売)

100円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2020/07/28

発売日 2020/07/28
JANコード 4910068230805
定価 100円(税込)
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阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第35回
谷川俊太郎『ベージュ』
朝吹真理子/ことばは水だから
[対談]伊藤比呂美×ブレイディみかこ/人生相談『道行きや』篇
【ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー、古屋美登里/訳『その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―』刊行記念特集】
石戸 諭/細部にこだわった一級のドキュメント
望月衣塑子/女性たちの連帯を生み出した報道
【サミュエル・バトラー、武藤浩史/訳『エレホン』刊行記念特集】
東畑開人/綺麗に解釈できない。だから、なぜなら……。
高山文彦/世界が無意味化する前に
ヨシタケシンスケ『欲が出ました』
山田ルイ53世/スケッチ“解凍”エッセイは“ネタ帳”である

高山羽根子『首里の馬』
津村記久子/記憶が重ねられることの価値

中原昌也『人生は驚きに充ちている』
高橋ヨシキ/隔たりを見つめることこそが優しさのときもある

ミシェル・フーコー、田村俶/訳『狂気の歴史〈新装版〉―古典主義時代における―』
慎改康之/「狂気が存在しないと想定してみよう」

畠中 恵『いちねんかん』
縄田一男/若だんな危機一髪!

結城真一郎『プロジェクト・インソムニア』
若林 踏/切実すぎる、前代未聞のホワイダニット

暖あやこ『さよなら、エンペラー』
池上冬樹/タブーをチャーミングに描く

中島真志『アフター・ビットコイン2 仮想通貨vs.中央銀行―「デジタル通貨」の次なる覇者―』
finalvent/奇っ怪なマネーの世界

金田信一郎『つなぐ時計―吉祥寺に生まれたメーカーKnotの軌跡―』
藻谷浩介/シリコンバレーにはない価値がここにある

マシュー・スタンレー、水谷淳/訳『アインシュタインの戦争―相対論はいかにして国家主義に打ち克ったか―』
石戸功一/“相対的”を改めて考えてみる
【特別エッセイ・近況と新作】
北村 薫『雪月花―謎解き私小説―』
北村 薫/あれ、それ、これ

小川 糸『とわの庭』
小川 糸/物語に救われる 『とわの庭』のこと(1)
【「波」名対談撰】
吉村 昭『陸奥爆沈』
新田次郎×吉村 昭/取材・事実・フィクション

小林信彦『唐獅子株式会社』
小林信彦×椎名 誠/パロディ=感性のリトマス試験紙
【私の好きな新潮文庫】
植田博樹/僕がのめりこんだ物語
 山崎豊子『華麗なる一族)』
 天童荒太『家族狩り 第一部―五部
 遠藤周作『沈黙
【今月の新潮文庫】
小林秀雄『批評家失格―新編初期論考集―』
池田雅延/小林秀雄山脈に登ろう
【コラム】
有馬哲夫『日本人はなぜ自虐的になったのか―占領とWGIP―』(新潮新書)
有馬哲夫/江藤淳氏への恩返し

三枝昂之・小澤 實/掌のうた

[とんぼの本]
とんぼの本編集室だより
【連載】
内田 樹/カミュ論 第2回
永田和宏/あなたと出会って、それから…… 第8回
南沢奈央 イラスト・黒田硫黄/今日も寄席に行きたくなって 第8回
バリー・ユアグロー 柴田元幸 訳/オヤジギャグの華 第16回
小松 貴/にっぽん怪虫記 第8回
川本三郎/荷風の昭和 第27回
編輯後記 新潮社の新刊案内 編集長から

立ち読み

編集長から

今月の表紙の筆蹟と絵は、ヨシタケシンスケさん。

◎「村上RADIO」ステイホームスペシャルでペギー・リーの「We’ll Meet Again」が流され、「おお、『博士の異常な愛情』の」と久しぶりにあの映画を思い出しました。
◎というのは半分嘘で、その数週間前、エリザベス女王がコロナ禍にある英国民へ述べたメッセージも「We will meet again」と締め括られて、〈第二次世界大戦中の国民的愛唱歌を引用した〉と話題になった時、「ドクター・ストレンジラブじゃん!」と既に興奮していたのです。
◎あの映画の最後に流れるのが、戦地へ赴く恋人を「また逢いましょうね」と慰め励ますこの歌で、米国のペギー・リーよりも先、1939年に英国でヴェラ・リンが吹き込んで大ヒットしました(キューブリックが使ったのはヴェラの戦後再録音版)。彼女はデイムの称号も得、長寿にも恵まれて、三年前には百歳記念のCDがチャート三位を記録しています。そして今回の女王のスピーチで「We’ll Meet Again」が再びヒットしているさ中の六月十八日に、ヴェラは百三歳で急逝。疫病の只中での栄光と突然の死という、伝説的歌手らしい去り方です。
◎早速「博士の〜」を再見して、P・セラーズの大芝居から彼女の歌へという幕切れに大笑いしました。全篇に漲る黒い嗤いは、共同脚本のテリー・サザーンの力が大きそう。この才人には好色戯作小説コミック・ポーノグラフィー小林信彦さんの評言)『キャンディ』もあって、角川文庫の高杉麟訳で愛読したものです。
◎いかにもペンネームくさい訳者名ですが、新刊『本の雑誌の坪内祐三』を開くと、角川春樹さんが訳者の正体を明かしていて仰天(『老人と海』を新訳したあの名翻訳家だった!)。「彼の最初の翻訳なんですよ」。
▽次号の刊行は八月二十七日です。

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雑誌から生まれた本

波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24頁、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後といった時代でした。この後、1969年に隔月刊に、1972年3月号からは、毎月刊行の月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしました。

 創刊号の目次を見てみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行した北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイ。続く「最近の一冊」では、小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイ。続いて「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 以来41年、2007(平成19)年6月号で通巻450号を迎えました。読書情報誌としての重要な役割の情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。小川国夫『青銅時代』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、遠藤周作『イエスの生涯』(「聖書物語」を改題)、小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』などなど。

 2007年1月号からはレイアウトもリニューアル、頁数も増え128頁となりました。これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みで、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。