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【緊急追悼特集】梅原猛 人類への遺言

芸術新潮 2019年4月号

(毎月25日発売)

1,466円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2019/03/25

発売日 2019/03/25
JANコード 4910033050490
定価 1,466円(税込)
●目 次

【緊急追悼特集】梅原猛 人類への遺言

グラフ
哲学者の思索の家

父として、哲学者としての梅原猛
梅原賢一郎

特別掲載
遺稿『人類の闇と光(仮題)』第一章

「芸術新潮」と旅した日本の風景
大胆歴史ロマンのフィールドワーク
天皇家の“ふるさと”日向をゆく/円空巡礼/古代出雲王朝/親鸞の謎

「梅原日本学」歴史年表
日本の歴史を読み解くための編集部おすすめ作品より

スーパー劇作家! 梅原猛の歌舞伎・能・狂言
Interview 市川猿之助/梅若実玄祥/横尾忠則

年譜
複雑な生い立ち、遅咲き、そして快進撃
93年の歩みをたどる

奇人バンザイ! 梅原猛が愛した芸術家たち
岡崎桃乞/三橋節子/岡本太郎/八木一夫と清水九兵衛/藤平伸と三浦景生/石本正/横尾忠則/森村泰昌

さようなら梅原さん
各界6人が贈る追悼のことば
瀬戸内寂聴/辻惟雄/松井孝典/東浩紀/猪木武徳/山折哲雄



◆ 第2特集 ◆

中世日本のタイムカプセル
一遍聖絵いっぺんひじりえ》の聖と俗
解説 遠山元浩 文 林温

◆ Art News exhibition ◆

徳川家光、家綱
将軍さまのおえかき拝見!
文 金子信久

ローリング・ストーンズ展をもっと楽しむための裏表ガイド
文 前橋重二

香取慎吾のアートなたくらみ

向井山朋子
ピアノの森で春を拓く



◆ Review ◆

  • 深井克美/中村一美/ソフィ・カル/小原古邨



◆ Global News ◆

  • Milano「ジョルジョ・アンドレオッタ・カロ ミラノの街」展
  • London「ドリーン・フレッチャー回顧展」
  • New York「未来の再構成」展
  • Paris「ヴァザルリ、かたちをシェアする」展



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

ちょっといいで書?〈24〉
ストリートで見つけた気になる字
選・文 中澤希水

Goods & Shop

時と光の美術館〈24〉
SPECIAL
ロイヤル コペンハーゲン

◇ 連載 ◇

海外アートStudy最前線〈46〉
文 前橋重二

定形外郵便〈58〉
文 堀江敏幸

原田マハ、美のパイオニアに会いに行く〈23〉
高階秀爾

中野京子が読み解く画家とモデル〈12〉
クラーナハと《マルティン・ルター》

千住博の往復書簡〈9〉
宛先 深澤直人様

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈55〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈36〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

林芙美子を育んだ“海と坂の町”尾道を訪ねる。

「熊谷守一 いのちを見つめて」展
開催記念対談
熊谷守一の普遍性を探る

ART CAFÉ
Gallery's Plaza

最新号PICK UP

遺稿を特別公開!

 1月12日、梅原猛さんがお亡くなりになりました。
 実は梅原さんには、新潮社から出版するべく準備されていた未完の原稿がありました。「芸術新潮」では、緊急追悼特集を組み、その中で、ご遺族の了承を得て、遺稿の冒頭部、第一章を特別に公開させていただくことにしました。

 膨大な数の著書を執筆してきた梅原さんですが、「芸術新潮」は、梅原さんにとって、ホームグラウンドのひとつともいえるような雑誌でした。「芸術新潮」での最初の連載「塔」がスタートしたのは、昭和45年(1970)のこと。以来、誌面にご登場いただいた回数は数え切れないほどで、メインの特集のナビゲーターもたびたび務めていただきました。梅原さんにとって歴史を読み解く最後の単著となった『親鸞「四つの謎」を解く』(平成26年)も、本誌の特集から生まれた書籍です。
 縄文文化の再発見、天皇家のルーツを辿ることにもなる記紀神話解読、法隆寺などの怨霊鎮魂の物語、仏教の死生観、等々、梅原さんの研究対象は驚くほど多岐にわたっています。たったひとりの力で、日本の歴史がどれほど豊かに読み解かれていったのか、その巨大な業績にはただただ感服するしかありません。

 今回掲載させていただいた遺稿は、梅原さんの長年の日本歴史研究の成果をもとに、東洋も西洋も超えた人類のための哲学をつくる試みでした。まさに集大成と呼ぶにふさわしい「人類哲学」本論が、そこでは構想されていました。
 残念ながら未完に終わりましたが、私たち人類にとっての課題は、はっきりと示されています。その課題を引き継ぎ、真摯に向き合い、考え続けていくことが、次の世代の私たちの責務ではないでしょうか。

この号の誌面

編集長から

梅原猛の未完の遺稿 第一章を特別掲載

 今年1月12日、93歳で亡くなった梅原猛。『隠された十字架―法隆寺論―』『水底の歌―柿本人麿論―』をはじめ、大胆な説を展開して日本の歴史と文化を豊かに読みかえてきた梅原は、小誌でも日向神話や出雲神話、円空、親鸞について独自の見解を発表した。今月号は緊急追悼特集として、この破格の哲学者を多方面からとらえる。数々の著作、フィールドワーク、歌舞伎や能、狂言の原作者としての顔、武家屋敷や宿坊などを移築して造られた自邸、ご子息が語る最期、そして瀬戸内寂聴辻惟雄ほか交流のあった著名人たちによる追悼文――。さらに、集大成として挑みながらも未完に終わった遺稿『人類の闇と光(仮題)』の冒頭約50枚を特別掲載する。西洋・東洋といった地域に縛られず、「人類のための哲学」を構想しようとした最後の取り組みだった。
 第2特集は《一遍聖絵》。京都国立博物館での12巻全巻公開を前に、この絵巻の秘密と見どころをチェックしておこう。

芸術新潮編集長 吉田晃子

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「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。