エコ亡国論
792円(税込)
発売日:2010/06/17
- 新書
- 電子書籍あり
CO2▲25%削減が、日本を滅ぼす。説明されない「不都合な真実」
地球温暖化交渉は、夢や理想を語る場ではなく、国益をめぐる激しい外交の場である。そこへ、鳩山首相によって突然打ち上げられた、「一九九〇年比CO2▲25%削減」構想。「ハラキリ」とさえ評される“公約”が推し進められるならば、日本経済はまちがいなく沈没する……元政策責任者として、温暖化問題の内実を知悉する気鋭の論客が、国民生活を襲うエコ不況に警鐘を鳴らす。
主要参考文献
書誌情報
読み仮名 | エコボウコクロン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610372-8 |
C-CODE | 0231 |
整理番号 | 372 |
定価 | 792円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2011/11/25 |
蘊蓄倉庫
「世論調査」は、聞き方一つで数字が大きく変わります。本書でふれているように、同じ数値目標でも、国民負担で聞いた場合(エコにいくら払えるか)と、CO2削減で聞いた場合(どれだけ努力すべきか)では、正反対になるのです。政局の混乱で、前国会では参院通過にいたりませんでしたが、一方的な温暖化対策が強行採決されないよう、「世論」も注視しなければいけません。
担当編集者のひとこと
「あるべき論」の暴走は破滅につながる
「いかに人がいま生きているのかと、いかに人が生きるべきなのかとのあいだには、非常な隔たりがあるので、なすべきことを重んずるあまりに、いまなされていることを軽んずる者は、みずからの存続よりも、むしろ破滅を学んでいる」(『君主論』、岩波文庫)。 一般にマキャベリストとは、目標達成のために権謀術数を含めて手段を選ばない政治家のことですが、鳩山前首相となると、目標を掲げただけで放り出してしまいました。しかし問題は、「日本は2020年までにCO2を1990年比で25%削減する」のが、条件付きながら国際的な公約であるということです。「エコ」がどれだけイメージが良くても、経済に破壊的なダメージを与え、いま現在の国民生活を脅かすようなトップダウンの政策推進は「亡国」と呼ぶしかありません。
2010/06/25
著者プロフィール
澤昭裕
サワ・アキヒロ
1957(昭和32)年大阪府生まれ。一橋大学経済学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。米プリンストン大学行政学修士。環境政策課長、資源エネルギー庁資源燃料部政策課長、東京大学先端科学技術研究センター教授などを経て、21世紀政策研究所研究主幹。