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【特集】時代小説秋祭り
畠中 恵/砂原浩太朗/志川節子/高瀬乃一/羽生飛鳥/梶よう子

小説新潮 2021年10月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2021/09/22

発売日 2021/09/22
JANコード 4910047011012
定価 1,000円(税込)
■目次
【特集】時代小説秋祭り

畠中 恵/かたみわけ
ーー亡き寛朝から妖退治を引き継いだ秋英にある困り事が起きたようで

◆砂原浩太朗/帰ってきた 夜露がたり
ーー満たされない暮らしに倦む中、突如もたらされた報せにおみのは

志川節子/芽吹長屋仕合せ帖 松竹梅
ーー病床のお常が本を読んでいると聞き、意外に思うおえんだが

◆高瀬乃一/萩の小道
ーーあからさまに尾行されるも、淳之介には心当たりがなく……

◆羽生飛鳥/悪僧独尊謎解き善行
ーー俺の尊敬する盗賊のお頭に、あろうことか巫女が告げたのは

梶よう子/さわりのゆらぎ みとや・お瑛仕入帖
ーー新しい商いの方向は見えたのに、お瑛はなかなか形にできずにいて
第八回「新潮ミステリー大賞」決定発表
新選考委員、湊氏が加わって初の選考会。
選ばれたのは、驚天動地のクライム小説!
〈大賞〉
◆京橋史織/プリマヴェーラの企み(抄)
ーークラウドファンディングで身代金!? 令和の誘拐事件に若き弁護士が挑む
〈選評〉
貴志祐介道尾秀介湊かなえ
〈下読みぶっちゃけ座談会〉
こんな作品が読みたい! 予選委員が教える、投稿原稿の「ABC」
宇田川拓也×千街晶之×新井久幸
ーー実は聞けない一次選考のアレコレ。ミステリ読みたちが考える「応募原稿の八箇条」とは?
【連載エッセイ第二回】
阿刀田高/ちょうど時間となりました―あるユニークな作家の回想―
ーー苦悶を抱えつつ小説家のスタートラインに立った著者を支えたのは

◆友近/友近道中
ーー軽妙な語り口で旅を綴って大好評、今回はどこへ行く?

【好評シリーズ】
乃南アサ/家裁調査官・庵原かのん 第十一話 引き金
ーー65歳の離婚調停申立人の女性。放心した様子で家裁に来て
【バラエティコラム】
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉佐原ひかり
〈うれしい買い物〉酒村ゆっけ、
〈もういちど会いたい〉宇都宮徹壱
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆スズキナオ/家族が一番わからない
高橋秀実/おやじはニーチェ
◆田中卓志/ちょっと不運なほうが生活は楽しい
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
益田ミリ/ツユクサナツコの一生
群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
◆山本さほ/てつおとよしえ
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈医療・介護〉杉江松恋
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
【好評連載小説】
乾 緑郎/おどろかし 戯場國の怪人
伊吹有喜あかりの島
木内 昇/雪草紙 雲の脚
窪 美澄/夏日狂想 最終回
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
篠田節子/ドゥルガーの島
千早 茜/しろがねの葉
西村京太郎/土佐くろしお鉄道殺人事件
馳 星周/眠らぬ王 極夜・第二部
原田マハ/晴れの日の木馬たち
宮城谷昌光/公孫龍
宮部みゆき/Ghost Story
山本一力/ひむろ飛脚
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
第二十回「小林秀雄賞新潮ドキュメント賞」決定発表
第九回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

全ての新人賞応募者に捧げたい鉄の掟

 七年前にスタートした新人賞「新潮ミステリー大賞」。日本推理作家協会賞短編部門を受賞した結城真一郎さん、文庫『ざんねんなスパイ』が話題の一條次郎さんなど多彩な受賞者を輩出しています。
 貴志祐介さんと道尾秀介さん、新選考委員の湊かなえさんによる選考会では受賞作『プリマヴェーラの企み』が頭一つ抜けた評価でしたが、選評では他の最終候補作にも愛ある名言が炸裂。曰く「新人賞の応募作は一度きりのガチンコ勝負」(貴志さん)、「原稿は書かれるものだが、小説は読まれるもの」(道尾さん)、「第三者の目線で読み返せば、完成度が上がるはず」(湊さん)
 さらに下読み担当の読み巧者たちと編集者による、応募の極意を語る座談会も。文末の「応募原稿の八箇条」は、エンタメ・純文問わず、あらゆる文学新人賞の応募者に捧げたい鉄の掟です。
 受賞者の京橋史織さんを寿ぎ、これからの活躍を応援しつつ、次回以降の応募作も楽しみにお待ちしています!

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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