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【第34回山本周五郎賞決定発表】

小説新潮 2021年7月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2021/06/22

発売日 2021/06/22
JANコード 4910047010718
定価 1,000円(税込)
■目次
第34回山本周五郎賞決定発表】

[受賞作]佐藤究/テスカトリポカ(抄)
――殺戮と祝祭。暴力と安寧。圧倒的な熱量とスケールで繰り広げられるクライムノベルの傑作、満場一致の受賞作!

[受賞記念エッセイ]アステカ王国の滅亡から五百年目

[受賞記念グラビア]

[選評]伊坂幸太郎江國香織荻原 浩今野 敏三浦しをん
[歴代受賞作家競作]
篠田節子/ドゥルガーの島〈新連載〉
――たまたま立ち寄ったインドネシアの小島。ダイビング中に一正が見つけたのは、なんと!

原田マハ/晴れの日の木馬たち〈新連載〉
――病気の父を支えるために倉敷紡績で働く工女、山中すてらは十六歳で作家になると決めた

◆小川 哲/君が手にするはずだった黄金について
――高校時代の“イタイ”友人、片桐。疎遠になっていたはずが四年前、突然連絡が来ると――

帚木蓬生/パンデミック 前編
――息子の結婚が決った矢先、コロナ禍が始まった。医師である私の前にもヒタヒタと迫り――
【特集 時代小説夕涼み】
乾 緑郎/おどろかし戯場國の怪人〈新連載〉
――女形の不可解な溺死。真相を追う源内は……魅入られたが最後、カタストロフ伝奇時代小説

梶よう子/三つ揃って みとや・お瑛仕入帖
――新たな家族を得たお瑛だが、商いの先行きが悩みの種で

近衛龍春/細川の予備
――父親から冷遇され続けてきた忠以。江戸行きを命じられ

志川節子/芽吹長屋仕合せ帖 酉の福
――幸吉の元へ文治郎が向かったことを聞かされたおえんは

永井紗耶子/菊之助かく語る 木挽町のあだ討ち
――芝居小屋の聞き込みを終えた男が、最後に相対するのは
【新連載小説】
西村京太郎/土佐くろしお鉄道殺人事件
――現役閣僚が特急車内で急死。その側には謎の名刺が――
【『室町は今日もハードボイルド―日本中世のアナーキーな世界―』刊行記念対談】
◆光浦靖子×清水克行/フリーダムな室町時代に憧れて
――一見すると無秩序に思える室町人の生活から立ち昇ってくる、現代に必要な視座とは――
【大反響! 連載第二回】
伊吹有喜あかりの島
――戦時色の濃くなる中、尾鷲の少女たちの目に映るものは

【好評シリーズ】
乃南アサ/家裁調査官・庵原かのん 第八話 幽霊
――日本人だと主張する記憶喪失の男。どうにも疑わしくて
【バラエティコラム】
〈わたしの東京〉新川帆立
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉石原たきび
〈うれしい買い物〉バービー(フォーリンラブ)

【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない 最終回
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆スズキナオ/家族が一番わからない
高橋秀実/おやじはニーチェ
◆田中卓志/ちょっと不運な方が生活は楽しい
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
益田ミリ/ツユクサナツコの一生
◆宮下洋一/デス・ペナルティー 生と死のあいだで
群ようこ/四十年、こんな感じで書いています
◆山本さほ/てつおとよしえ

【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館

◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈恋愛・青春〉高頭佐和子

【好評連載小説】
◆江國香織/ひとりでカラカサさしてゆく 最終回
恩田 陸/追憶の五重奏
木内 昇/雪草紙 雲の脚
窪 美澄/夏日狂想
◆今野 敏/探花 隠蔽捜査9
桜木紫乃/緋の河 第二部 最終回
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
千早 茜/しろがねの葉
馳 星周/眠らぬ王 極夜・第二部
原田ひ香/財布は踊る
宮城谷昌光/公孫龍
宮部みゆき/Ghost Story
山本一力/ひむろ飛脚

第九回「新潮ミステリー大賞」募集要項
「日本ファンタジーノベル大賞2021」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

語りたくなる受賞作『テスカトリポカ』

「この本のことを話す時、ホントにみんな楽しそうですね」と編集部員がつぶやいたのは今年の山本周五郎賞受賞作、佐藤究さんの『テスカトリポカ』のこと。ハードカバー五六〇頁、どう見ても読むのが大変そう……なのにページをめくると、心は一四世紀のアステカから令和の川崎まで駆け巡り、読み終えれば誰かと話したくなること必至のジェットコースター本。編集部でも話題沸騰、本号掲載の選評からは選考委員の並々ならぬ肩入れと興奮がひしひし伝わってきます。受賞記念エッセイに記された奇妙な一致には、偶然という言葉では片付けられない、そら恐ろしささえ感じました。
 今号スタートの新連載は四作。西村京太郎さんのトラベルミステリ(舞台は高知)、篠田節子さんの南洋冒険小説(この海に今すぐ行きたい)、原田マハさんによる女性の一代記(早くも朝ドラ化の予感)、そして乾緑郎さんの伝奇時代小説(平賀源内が謎解き!?)と盛りだくさん。私自身、すでに次号が楽しみです。

小説新潮編集長 西麻沙子

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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