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【第33回山本周五郎賞決定発表】

小説新潮 2020年11月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2020/10/22

発売日 2020/10/22
JANコード 4910047011104
定価 1,000円(税込)
■目次
【第33回山本周五郎賞決定発表】

[受賞作]早見和真ザ・ロイヤルファミリー(抄)
――競走馬。その欲望渦巻く世界に、男たちは何を託したのか――。選考会で圧倒的評価を受けた、堂々の受賞作
[受賞記念エッセイ]心優しき勝負師Kの話
[選評]伊坂幸太郎江國香織荻原 浩今野 敏三浦しをん
[歴代受賞作家競作]
窪 美澄/夏日狂想〈新連載〉
――広島の女学校、少女は夢見る、「東京に行って女優になる」。多難な時代を通じて、表現することを追い求めた女の生涯

帚木蓬生/二人三脚
――中学最後の年、一匹狼Mから受けた突然の誘い。隠れた友情

朝倉かすみ/ラジオメーター
――誕生日にもらった空色の自転車がなくなった。一体どこへ

◆小川 哲/ラグアフィ公国の掟
――建国以来、人々は“土の呪い”を恐れていた。その正体とは

柚木麻子/トリアージ2020
――悪阻に猛暑に感染症。不安だらけの升麻梨子の心の支えは
【特別エッセイ】私の好きな周五郎
鈴木敏夫梯 久美子森見登美彦/深川麻衣/奥田亜希子/望月ミネタロウ
【待望の新シリーズ】
乃南アサ/家裁調査官・庵原かのん 第一話 自転車泥棒
――閉塞感漂う社会の中で、少年たちが訴える“声なき声”。もがき苦しむ彼らを信じ、寄り添う家裁調査官たちの日々
【連載第二回】
木内 昇/雪草紙 雲の脚
――売れっ子の戯作者とはいえ山東京伝も人がいい。会ったこともない田舎の商人、鈴木牧之の本を板元に取り継ぐとは

◆今野 敏/探花 隠蔽捜査9
――竜崎の同期でトップだった八島が神奈川県警に着任。横須賀で起きた事件を巡って、早速一悶着ありそうだが――。
【バラエティコラム】
〈マイルーティーン〉さんきゅう倉田
〈わたしの愛用品〉戌一
〈あのとき聞いた音楽〉久禮亮太
【連載エッセイ・マンガ・ノンフィクション】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆清水克行/アナーキー・イン・ジャパン
筒井ともみ/もういちど、あなたと食べたい
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
矢部太郎/ぼくのお父さん
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
青山文平/泳ぐ者
浅田次郎/母の待つ里にて
梓澤 要/華の譜 徳川和子と後水尾天皇 最終回
◆江國香織/ひとりでカラカサさしてゆく
恩田 陸/追憶の五重奏
桜木紫乃/緋の河 第二部
佐藤賢一/パッション
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
千早 茜/しろがねの葉
長浦 京/プリンシパル 最終回
西加奈子/夜が明ける
西村京太郎/近鉄特急殺人事件
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
葉真中顕/異郷のイービス
原田ひ香/財布は踊る
本城雅人/黙約の傷
宮城谷昌光/公孫龍
宮部みゆき/Ghost Story
◆薬丸 岳/刑事弁護人
山本一力/ひむろ飛脚
「日本ファンタジーノベル大賞2020」最終候補作発表
第八回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

異例づくしだったコロナ禍の選考会

 毎年新緑の頃に行われる山本周五郎賞の選考会が、今年はコロナ禍のため九月に延期。選考委員は五人中四人が新任、そのうちお一人はリモートでの参加、席と席の間にはアクリルの衝立……と異例づくしでしたが、選考が始まればそんなことは関係なく、例年と変わらぬ熱い議論が交わされました。ほぼ満場一致で決まった受賞作『ザ・ロイヤルファミリー』は競馬界が舞台。受賞者の早見和真さんは「若い頃から散々馬券でやられてきた」そうですが、もっと大きなリターンを、この作品で得たのではと思います。
 本賞の九代前の受賞者、窪美澄さんの新連載が始まります。大正から昭和にかけて、自己表現を求め生き続けた女の一代記です。そのほか受賞作家競作の短編四編も力作揃い。来年はこの中に早見さんのお名前が入ると思うと今から楽しみです。
 賞の名にちなんで、周五郎のブックガイドも掲載。皆様ご存知のあの方やこの方が、大切な一冊を紹介しています。

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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