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【涼風爽やか時代小説特集】
諸田玲子/木下昌輝/永井紗耶子/近衛龍春/藤原緋沙子

小説新潮 2020年7月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2020/06/22

発売日 2020/06/22
JANコード 4910047010701
定価 1,000円(税込)
■目次
【涼風爽やか時代小説特集】
読み終えた瞬間、心地よい風が吹き抜ける――
浮世の暑さをしばし忘れる、傑作読み切り揃えました

諸田玲子/妙成寺
――五重塔、御霊堂……この寺の普請の陰にはいつも謎の女人が

◆木下昌輝/れんどう夢幻 色の章 後編
――道を究めた阿国と家康。どちらが天下を染めあげるのか

永井紗耶子/女形かく語る 木挽町のあだ討ち
――太った女形の本職は衣装の支度。なんだってそんなことに

近衛龍春/血を洗え
――お家再興のため、奮戦に奮戦を重ねた津田信澄の末路とは

藤原緋沙子/あほぼん へんろ宿
――家出中だと言う若旦那が転がり込んで来た。訳を問うと……
【二大新連載スタート】
〈小説〉
本城雅人/黙約の傷
――高度医療を拡充させ、急成長を遂げた病院の目玉は「移植」。その第二外科部長鬼塚鋭臣には、ある野望があった――

〈マンガ〉
◆いしいひさいち/剽窃新潮
――業界の内幕を暴きまくる伝説の文壇マンガ、ついに本誌に登場。これ、笑っちゃっていいんですかね?
【短編小説傑作選】
今野 敏/専門官 隠蔽捜査外伝
――単独行動ばかりのベテラン捜査員が、刑事部長竜崎と衝突?

乃南アサ/いっちみち
――逃げるように故郷・臼杵を出て三十年。コロナ禍の中で

◆山上たつひこ/王子失踪す
――着せ替え人形を親友のように扱う娘。最近様子がおかしい
【連載第二回】
恩田 陸/追憶の五重奏
――遠く離れた二人が見た同じ「はつゆめ」。あれは横浜では?

佐藤賢一/パッション
――清澄寺を追われた日蓮は、釈迦の教えを弘めるため鎌倉へ

西村京太郎/近鉄特急殺人事件
――東京と近鉄特急車内で起きた殺人の接点は、伊勢神宮――
【バラエティコラム】
〈思い出の手料理〉飯尾和樹(ずん)
〈もういちど会いたい〉酒井若菜
〈マイルーティーン〉九龍ジョー
【連載エッセイ・マンガ・ノンフィクション】
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
川上和人/オニソロジスト嘘つかない
酒井順子/処女の道程 最終回
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆清水克行/アナーキー・イン・ジャパン
筒井ともみ/もういちど、あなたと食べたい
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
矢部太郎/ぼくのお父さん
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
青山文平/泳ぐ者
浅田次郎/母の待つ里にて
梓澤 要/華の譜 徳川和子と後水尾天皇
江國香織/ひとりでカラカサさしてゆく
梶よう子/東都の藍
加藤シゲアキ/オルタネート
黒川博行/熔果
桜木紫乃/緋の河 第二部
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
千早 茜/しろがねの葉
長浦 京/プリンシパル
西加奈子/夜が明ける
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
葉真中顕/異郷のイービス
原田宗典/無理會 最終回
宮城谷昌光/公孫龍
宮部みゆき/Ghost Story
◆薬丸 岳/刑事弁護人
山田詠美/血も涙もある
山本一力/ひむろ飛脚
第八回「新潮ミステリー大賞」募集要項
「日本ファンタジーノベル大賞2020」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

この暑さ、小説で 吹き飛ばせ!

 その人との出会いは小学生の時、実家で取っていた新聞の夕刊でした。土曜に週一回だけ載っている、ちょっと難しいけれど面白い漫画。やがてその人は朝刊に四コマ漫画を毎日描くようになり、連載は一万回を超えて今も続いています。個人的な話ではありますが、小さい頃からずっと読み続けてきたいしいひさいちさんの作品を、こうして本誌にお迎えできるのは心からの喜びです。新連載の文壇ギャグ漫画「剽窃新潮」、ぜひお楽しみいただけたらと思います。
 もうひとつの新連載は本城雅人さんの「黙約の傷」。臓器移植のエキスパートを目指す若き研修医が……と書くと一見青春小説のようですが、すでに初回から一筋縄ではいかないダークな雰囲気がむんむん漂っています。
 特集には時代小説の佳編五作が揃いました。外では蒸し暑い日々が続きますが、読んだ後の心に涼しい風が吹くような、逆に物語の熱さで暑さが吹き飛んでしまうような、そんな力作ばかりが集まっています。

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞