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【警察ミステリー特集】
今野 敏/白河三兎/長江俊和/生馬直樹/松嶋智左/長岡弘樹/蓮見圭一

小説新潮 2019年9月号

(毎月22日発売)

998円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2019/08/22

発売日 2019/08/22
JANコード 4910047010992
定価 998円(税込)
■目次
【警察ミステリー特集】

今野 敏/空席 隠蔽捜査外伝
――署長不在の大森署で起きたある難題。無事に解決出来るか

白河三兎/どうぞ、こちらの席へ
――狭い部屋に置かれた机と椅子。女性刑事の前に現れたのは

長江俊和/哲学的ゾンビの殺人
――殺人を自首した男が口にする動機は全くもって理解不能で

生馬直樹/炎の末路
――閉鎖的な村社会から出た男を、友人は「脱獄犯」と呼んだ

◆松嶋智左/ひび
――交通指導係の彩乃が駐車違反取締りのため向かった先で……

◆長岡弘樹/長い指
――なぜおれは病室にいるのか。思い出そうにも思い出せない

〈昭和犯罪実録〉
蓮見圭一/平場のネモ爺
――八十六年の半生を刑務所で過ごした稀代のスリ師が明かす、 凶悪犯たちの横顔。小平義雄、宮崎勤、連合赤軍、麻原彰晃―― 獄中の生き字引だからわかる、それぞれの「品格」――

【新連載長編小説】
西加奈子/夜が明ける
――俺があいつにアキ・マケライネンの存在を教えたことで、 あいつの人生は変わったんだ―― 。待望の長編連載スタート

【新連載歴史エッセイ】
◆清水克行/アナーキー・ イン・ジャパン
――中世日本はこんなに無秩序だった! 注目の歴史学者が当時の多元的な秩序のあり方を紹介する、刺激に溢れた歴史読物

【連載第二回】
高杉 良/破天荒
桜木紫乃/緋の河 第二部

小説新潮作家名鑑
◆桜木紫乃
――銀座クラブ、書店でのイベント。最後はドンペリで乾杯!

【注目の「鉄学」紀行】
原 武史/「線」の思考 第六回 「裏」の山陽をゆく
――山陽新幹線が通る都市は「表」の山陽を象徴し、山陽本線は「裏」の山陽を繋いでいる。そこに息づくものとは
【バラエティコラム】
〈わたしの愛用品〉 樽井秀美
〈あのとき聞いた音楽〉 増島拓哉
〈もういちど会いたい〉 山下賢二

【連載エッセイ・マンガ・ノンフィクション】
阿刀田高/谷崎潤一郎を知っていますか
石井光太/いのちの家 「こどもホスピス」をめぐる物語
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
川上和人/オニソロジスト嘘つかない
酒井順子/処女の道程
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
高野秀行/謎の未確認納豆を追え!
坪内祐三/玉電松原物語
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
中野 翠/コラムニストになりたかった
平松洋子/プロレスは何を食べる
ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち 山像信夫の巻 後編
◆道草晴子/下北日記 最終回

◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉石井千湖
〈恋愛・青春〉高頭佐和子

【好評連載小説】
奥泉 光/死神の棋譜
織守きょうや/朝焼けにファンファーレ
梶よう子/東都の藍
黒川博行/熔果
西村京太郎/西日本鉄道殺人事件
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
宮城谷昌光/公孫龍
宮部みゆき/Ghost Story
◆薬丸 岳/刑事弁護人
山本一力/ひむろ飛脚
第七回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

伝説のスリ師が語る 昭和犯罪者列伝

 獄中生活通算三十年有余年、あの小平義男から麻原彰晃までを知る東京拘置所の生き字引。現在八十六歳のスリ師のとんでもない実録「平場のネモ爺」が面白い。日本橋生まれの江戸っ子が巻き舌で語る虚実皮膜の犯罪者列伝を、かつて週刊誌記者だった作家の蓮見圭一氏が巧みにすくい上げる。
 この特別読物に加えて、竜崎署長が去った後の大森署を舞台にした今野敏氏の「隠蔽捜査」外伝、白河三兎長江俊和生馬直樹、松嶋智左、長岡弘樹の6氏による警察・犯罪小説を集めた「警察ミステリー特集」。猛暑の夜をさらに暑くする、ハードな読み応えにご期待を。
 また、小誌には久々登場の西加奈子氏の長編「夜が明ける」がスタート。冒頭から氏にしか描けない超個性的な少年が存在感を放つ。そして、高野秀行氏との対談本が話題となった歴史学者・清水克行氏が、日本中世がいかに摩訶不思議な混沌状況だったかを解き明かす「アナーキー・イン・ジャパン」の連載も今月から。

小説新潮編集長 江木裕計

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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