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【厳冬大特集 ホラー&ミステリー】奥泉 光/宮部みゆき/飴村 行/大山誠一郎/白河三兎/長岡弘樹/長崎尚志/真梨幸子/結城真一郎
【特別企画】封印された対談 長江俊和×辻村深月

小説新潮 2019年2月号

(毎月22日発売)

特別定価1,069円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2019/01/22

発売日 2019/01/22
JANコード 4910047010299
定価 特別定価1,069円(税込)
■目次
【厳冬大特集 ホラー&ミステリー】

〈新連載〉
奥泉 光/死神の棋譜
――それは東日本を震災が襲った年、羽生と森内の対局の日。矢文に結ばれた棋譜からすべてが始まった……

宮部みゆき/Ghost Story 第3回
――沼の畔の洋館には、やはり戦慄すべき過去があった――。当代一の怪談作家が初めて挑む「幽霊屋敷もの」、容赦のない目眩と寒気が襲い来る

◆飴村 行/荊冠 マアメイド
――ギヤマンに出入りする宇仁。昔、東南アジアで傭兵をしていたらしい

◆大山誠一郎/伯母の暗号
――伯母の遺言状に記された不可解な暗号。誰に、何を伝えているのか

白河三兎/蜘蛛の糸
――投稿サイトに書かれた青年からのSOS。犯人との心理戦の勝者は?

◆長岡弘樹/蜂蜜の背信
――これは妹と夫への仕返し。この不義だけはばれてはいけない、絶対に

長崎尚志/監視
――横浜駅でビラ配りをする定年退職後の男。そこに一人の影が忍び寄り

真梨幸子/初恋の人、探します
――ミツコ調査事務所に面倒な依頼が。新人の吉野美和が担当することに

結城真一郎/惨者面談
――第五回「新潮ミステリー大賞」受賞者があぶり出す、ある家庭の狂気

【厳冬大特集 ホラー&ミステリー】
【特別企画】
長江俊和/「禁止」の世界
――目を奪われる謎、意外な真実。熱狂的支持を集める世界はこうしてできている
〈インタビュー〉「禁止」の誕生
〈作品解説〉持ち出し厳禁 「放送禁止」の全て
〈対談〉封印された対談 長江俊和×辻村深月

【集中連載第二回】
重松 清/十一番目の色 中編 シリーズまなつ
――修平はタッくんにまなつの「とくちょう」について話す――

【短編小説傑作選】
◆今村翔吾/八本目の槍 五本槍 蟻の中の孫六
――運命づけられている己の人生。孫六は抗おうとするが

一木けい/愛で放す 前編
――父の訃報がもたらしたのは、諦め続けた日々の記憶だった

西條奈加/関を越える者 せきこえぬ 最終話
――箱根で関番を務める武一への親友の頼みとは、関所破り?

◆松尾 潔/渋谷川
――懐かしい場所での思い出に、寛人は胸をざわつかせ……

畠中 恵/たたりづき しゃばけ
――長崎屋に現れた妖狐。中屋に縁のある御坊を祟ったというが

【連載第二回】
阿刀田高/谷崎潤一郎を知っていますか
彩瀬まる/サーカスの日

【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉黒澤直哉
〈思い出の手料理〉鈴木涼美
〈わたしの愛用品〉戸部田誠(てれびのスキマ)

小説新潮作家名鑑
◆長崎尚志
――数多の作品を生み出す博覧強記な作家の知られざる日常

◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈医療・介護〉杉江松恋
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史

【連載エッセイ・インタビュー】
◆岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
川上和人/オニソロジスト嘘つかない
酒井順子/処女の道程
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
中野 翠/コラムニストになりたかった
野地秩嘉/サービスの達人たち 最終回
ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち 久米明の巻 後編

【好評連載小説】
赤川次郎/いもうと
朝井まかて/輪舞曲 ロンド
安部龍太郎/迷宮の月
石田衣良/清く貧しく美しく
江上 剛/特命金融捜査官 清算
逢坂 剛/鏡影劇場
奥田英朗/霧の向こう
京極夏彦/今昔百鬼拾遺 天狗
熊谷達也/我は景祐
黒川博行/熔果
今野 敏/清明 隠蔽捜査8
白石一文/ひとりでパンを買いに行く日々に
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
◆藤野恵美/サバイバーズ・ギルト
◆薬丸 岳/刑事弁護人
山本文緒/自転しながら公転する

第六回「新潮ミステリー大賞」募集要項
「日本ファンタジーノベル大賞2019」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

将棋+ミステリー そしてホラー

 そこに関わる人々には強い興味を抱くものの、将棋は駒の並べ方も判らぬ超門外漢だ。そんな人物が編集長を務める本誌でも、ついに本格的な将棋小説が登場する。しかもホラーでミステリーなのだから恐ろしい。
 本号から連載が始まる奥泉光氏「死神の棋譜」は、東京千駄ヶ谷の将棋会館にほど近い神社で発見された「ある物」によって物語が動き出す。熾烈な昇段争いが繰り広げられる中、「ある物」を手にした棋士の身に起きたのは……。一筋縄ではいかない将棋界を舞台に、将棋ならではの謎がじわじわと深まってゆく様はじつにスリリングで、超門外漢にも問題なく楽しめる。
 本作に加え、宮部みゆき氏の野心的怪談「Ghost Story」第3回、それに飴村行、大山誠一郎、白河三兎、長岡弘樹、長崎尚志真梨幸子結城真一郎という気鋭7氏の力作を加えて「厳冬大特集 ホラー&ミステリー」を組んでみた。また、長江俊和氏の人気映像番組「放送禁止」シリーズのすべてが分かる特別企画も。

小説新潮編集長 江木裕計

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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