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【特集】エロスは進化する!
足立 紳/小林早代子/笹井都和古/田中兆子/夏樹玲奈/花房観音/森 美樹

小説新潮 2018年11月号

(毎月22日発売)

998円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/10/22

発売日 2018/10/22
JANコード 4910047011180
定価 998円(税込)
■まとめ テーマでくくる 本選びのヒント
エロスは自由だ。

■目次
【特集 エロスは進化する!】
誰に魅入られても、何に溺れても構わない。
エロスは自由だ。そして、ここまで進化した――

○小説
花房観音/ボッちゃん
――童貞のおれは松山のストリップ劇場である踊り子に出会い

◆足立 紳/妻と働く
――俺に弄ばれつつ、他の男のことを――? でも、構わない

田中兆子/私のことならほっといて
――男の視線は軽やかに私に届いた。でもこれは夢に違いない

森 美樹/花園
――死を求めていた只中で出会った若い男。園枝の心は揺れる

小林早代子/よくある話をやめよう
――彼氏に浮気された花乃子は、マッチングアプリを始めたが

◆笹井都和古/続きはオフラインで
――ゲームのキャラに扮したネット恋愛。その先に見えるのは

◆夏樹玲奈/七色
――期間限定で田舎に移住。家主は酒蔵を再開させた年上の男

○特別エッセイ
関根虎洸/「廓めし」の愉しみ
――色気の次は食い気――花街にはきっと、美味い物がある。
脂粉の巷に往時の面影を求めて、さあ、ふらり出かけよう

【注目作品連載第二回】
宮部みゆき/Ghost Story
――著者初の革新的「幽霊屋敷もの」、戦慄の第二ステージへ

京極夏彦/今昔百鬼拾遺 天狗
――山中であなちた美由紀と美弥子。美弥子は罠だと云うが

◆今村翔吾/八本目の槍
――敵に向かうのが恐く、腰抜けと謗られる助右衛門に佐吉は

【特選読み切り短編】
◆木下昌輝/戀童れんどう夢幻 乱の章 後編
――光秀は謹慎を言い渡され失脚。饗応役に命じられた森乱は

【バラエティコラム】
〈あのとき聞いた音楽〉金原みわ
〈もういちど会いたい〉串田和美
〈マイルーティーン〉ツレヅレハナコ

【三大エッセイ新連載】
川上和人/オニソロジスト嘘つかない
――鳥類学者の日常はこんなにも面白く、こんなにも大変だ!

酒井順子/処女の道程
――日本女性のセックスを、過去から未来までまったり探究

中野 翠/コラムニストになりたかった
――あるフリーターが名コラムニストになるまでのクロニクル

小説新潮作家名鑑
◆花房観音
――官能小説家とバスガイド、二つの視点からの新・京都案内

◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
〈SF・ファンタジー〉石井千湖

【連載エッセイ・インタビュー】
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
Oka-Chang/へそのお 最終回
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱 最終回
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち 中村メイコの巻 前編

【好評連載小説】
赤川次郎/いもうと
安部龍太郎/迷宮の月
石田衣良/清く貧しく美しく
江上 剛/特命金融捜査官 清算
奥田英朗/霧の向こう
熊谷達也/我は景祐
黒川博行/熔果
今野 敏/清明 隠蔽捜査8
白石一文/ひとりでパンを買いに行く日々に
西村京太郎/富山地方鉄道殺人事件
楡 周平/鉄の楽園
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
初野 晴/世界の果ては二つ 最終回
藤野恵美/サバイバーズ・ギルト
薬丸 岳/刑事弁護人
山本文緒/自転しながら公転する

日本ファンタジーノベル大賞2018」最終候補作発表
第六回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

「官能」から遠く離れて

 30年近く前、やはりこの雑誌に籍を置いていた頃、当時の編集長が初めて「官能小説特集」を組んだ時のことを思い出す。平成の初頭、小説雑誌が「官能」を謳った特集を企画するのは相当な冒険で、編集長の逡巡ぶりが強く印象に残っている。
 しかし、時代は変わった。「官能」などと古めかしい漢語を使わずとも、エロティシズムは小説の重要なテーマとして普遍化し、多種多様に描かれ続けている。本号の特集「エロスは進化する!」では、その最前線をご確認いただける。花房観音氏を始めとする気鋭の7氏が、21世紀に生きる男女の性愛を、様々なアプローチで鮮烈に定着。往事を知る者にとっては、「ここまで来たか」と感慨ひとしおだ。
 今月はまた、3本の新連載エッセイにもご注目を。話題の鳥類学者・川上和人氏の「オニソロジスト嘘つかない」。酒井順子氏が日本女性のセックス史を繙く「処女の道程」。中野翠氏の自伝的回顧録「コラムニストになりたかった」と、こちらも多彩。

小説新潮編集長 江木裕計

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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