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没後25年、藤沢周平の名品がついに映像化!

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 橋での出会いと別れ――。市井の男女の喜怒哀楽を瑞々しい筆致で描き、絶賛を浴びた藤沢周平橋ものがたり』。10篇の名品のうち、「殺すな」が映像化されます。
 裏店の長屋に住む浪人・小谷善左エ門は、同じ長屋に住む船頭の吉蔵から、同棲相手であるお峯の見張りを頼まれました。元は船宿の女将と抱え船頭だった二人は、密通の上、駆け落ち。ところがお峯はその生活に空しさを感じ、川向こうに行きたいとねだりますが、吉蔵は居場所が露見することを恐れ、「橋を絶対に渡るな」と厳命するのでした。
 吉蔵とお峯役は柄本佑さんと安藤サクラさん。実生活でもご夫婦のお二人がすれ違う男女を見事に演じます。
 監督の井上昭さんは1月9日に93歳で亡くなり、本作が遺作となりました。生前、「この物語に込められたテーマは愛。人間は愛がないと生きていけません」と語っていました。
 映画は1月28日よりイオンシネマで全国ロードショー。2月1日夜7時には時代劇専門チャンネルで放送されます。

波 2022年2月号「いま話題の本」より

著者紹介

藤沢周平フジサワ・シュウヘイ

(1927-1997)山形県生れ。山形師範卒業後、結核を発病。上京して五年間の闘病生活をおくる。1971(昭和46)年、「溟い海」でオール讀物新人賞を、1973年、「暗殺の年輪」で直木賞を受賞。時代小説作家として、武家もの、市井ものから、歴史小説、伝記小説まで幅広く活躍。『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』、『白き瓶』(吉川英治文学賞)、『市塵』(芸術選奨文部大臣賞)など、作品多数。

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