文学賞

第6回河合隼雄物語賞・学芸賞、決まる

今年で第6回を迎える「河合隼雄物語賞・河合隼雄学芸賞」(主催:一般財団法人河合隼雄財団の主催 協力:新潮社)の選考会が京都で開催され、それぞれ授賞作が決定しました。

河合隼雄物語賞は、松家仁之さんの『光の犬』(2017年10月 新潮社刊)。 選考委員(上橋菜穂子氏、小川洋子氏、後藤正治氏、中島京子氏=五十音順)による授賞理由は、「ありふれた一族の歴史を題材にしながら、歳月や、人間とはなにかを深く問いかけ、抑制的に言葉を積み重ねて、意図せず静謐な物語が立ち上がってくる作品である」というものです。 松家さんは受賞の報を受けて、「物語の重要性と、個人が社会の中で生きることの難しさを考え続けてこられた河合先生は、小説を書く私にとってメンターのような存在です。受賞のお知らせは大変光栄で、ありがたく思います」と述べました。

また河合隼雄学芸賞は、鶴岡真弓さんの『ケルト再生の思想―ハロウィンからの生命循環』(2017年10月 筑摩書房)に決まりました。
選考委員(岩宮恵子氏、中沢新一氏、山極寿一氏、鷲田清一氏=五十音順)は、「ケルトの季節の祭りを通して死と再生のこころの古層を明らかにし、人間のこころの歴史と未来の可能性について鋭い示唆を投げかけた」と授賞理由を挙げています。
鶴岡さんは受賞の報を受けて、「思いがけず賞を賜りまして本当にありがとうございます。今後、さらに御賞を糧に精進していく所存でございます」と喜びのコメントを寄せられました。

両賞とも、授賞作には正賞記念品及び副賞として100万円が贈られます。また、受賞者の言葉と選考委員による選評は、7月7日発売の文芸誌「新潮」8月号に掲載されます。
河合隼雄物語賞・学芸賞についての詳細は、一般財団法人・河合隼雄財団のHPをご覧ください。

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