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今月の表紙は、日向坂46。

波 2019年9月号

(毎月27日発売)

102円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2019/08/27

発売日 2019/08/27
JANコード 4910068230997
定価 102円(税込)
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阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第24回

ドナルド・L・マギン、村上春樹/訳『スタン・ゲッツ―音楽を生きる―』
タモリ/もう一度じっくり聴かねば

奥田英朗『罪の轍』
池上 彰/見事に再現された東京五輪前年の東京

瀬戸内寂聴『命あれば』
田中慎弥/むごい筆だけど

九螺ささら『きえもの』
俵 万智/連想と奇想の達人

日向坂46、YOROKOBI/撮影 、加藤アラタ/撮影『日向坂46ファースト写真集 立ち漕ぎ』
[刊行記念対談]YOROKOBI×加藤アラタ/何かが常に起きていた、予定調和のない5日間

山田敏弘『CIAスパイ養成官―キヨ・ヤマダの対日工作―』
真野勝成/なぜ、打ち明けたのか?

【月村了衛『欺す衆生』刊行記念特集】
月村了衛/昭和の闇と、令和の悲惨
豊崎由美/なぜ人は欺すのか、作者の答に震撼せよ

【特集 吉田修一の20年】
[記念エッセイ]吉田修一/二十年を振り返る
[インタビュー]吉田修一/吉田修一、(新潮文庫の)自作を語る 前篇

[エッセイ]「吉田修一小説」と私
4人のプロフェッショナルが掬い取った「人と作品」
 吉田修一『愛に乱暴』
 川村元気/アロハオエにチェーンソー

 吉田修一『7月24日通り』
 南 沙良/あきらめたり、見ないふりをしたり。

 吉田修一『さよなら渓谷』
 大森立嗣/『さよなら渓谷』のこと

 吉田修一『東京湾景』
 朝井リョウ/コントロールから離れて

[短篇小説]吉田修一/東京湾景・立夏(抄)

【新潮クレスト・ブックス 2019-2020】
ジュンパ・ラヒリ、中嶋浩郎/訳『わたしのいるところ』
[インタビュー]ジュンパ・ラヒリ/孤独が背中を押してくれる。
津村記久子/世界が恩寵を所有している

ウェイク・ワン、小竹由美子/訳『ケミストリー』
小竹由美子/ユニークな語りの行間に滲む感情

ただいま翻訳中!

【今月の新潮文庫】
私の好きな新潮文庫 高頭佐和子/王妃と青春と恋の「切実さ」
 吉川トリコ『マリー・アントワネットの日記 Rose/Bleu
 最果タヒ『渦森今日子は宇宙に期待しない。
 竹宮ゆゆこ『砕け散るところを見せてあげる

ジョセフ・ノックス、池田真紀子/訳『堕落刑事―マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ―』
杉江松恋/最も傷つきやすい心の持ち主が最も辛い地獄を見る

【コラム】
中島大輔『野球消滅』(新潮新書)
中島大輔/野球界をアップデートしたい

清水洋『野生化するイノベーション―日本経済「失われた20年」を超える―』(新潮選書)
米倉誠一郎/イノベーションを知る必読書

とんぼの本編集室だより
三枝昂之・小澤 實/掌のうた

【連載】
ブレイディみかこ/ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 第21回
伊藤比呂美/URASHIMA 第16回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第114回
土井善晴/おいしく、生きる。 第11回
保阪正康/昭和史の陰影 第9回
バリー・ユアグロー 柴田元幸 訳/オヤジギャグの華 第5回
はらだみずき/やがて訪れる春のために 第9話
会田弘継/「内なる日本」をたどって 第3回
川本三郎/荷風の昭和 第16回
曽野綾子/人間の義務について 第8回

編輯後記 新潮社の新刊案内 編集長から

立ち読み

編集長から

今月の表紙は、日向坂46。

◎夏の終りになって、ああ、夏らしい読書をしとかなきゃとジタバタ本棚をひっくり返すのは例年通りです。夏になると決まって『黒い雨』を読むと書いたのは武田百合子さん。新潮文庫の部長(鹿児島出身)は神坂次郎さんの『今日われ生きてあり―知覧特別攻撃隊員たちの軌跡―』を毎夏読むんだと言うので、僕は何度目かの城山三郎さん『指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―』を(これと『そうか、もう君はいないのか』を続けて読むのが――季節を問わず――正しい読書法だと思っています。まるで男雛と女雛のような二作)。
◎手っ取り早い消夏には映画館。ゆっくり涼もうと、休憩時間込みで三時間半を超す映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」(「ティファニーで朝食を」や「ゴーストバスターズ」でおなじみの大図書館ですね)へ。大勢の観客と溜息をつくように観入りました。いろんな思考へと誘われますが、何より登場する様々な顔や服装や口調を見物しているだけで飽きません。
◎ワイズマン監督のドキュメンタリー作品がこんなにヒットしているのが嬉しくて、バリー・ユアグローさん(監督の前作で描かれたNY市ジャクソンハイツ在住)に感想をメールすると、すぐ返信があって、利用者へのサービス面等で〈図書館のミュージアム化〉が進むなど、昔とは随分変わってきたとのこと。もっとも、彼のメールの結びは、“But still, a great library.”。
◎あの映画に刺激を受けて、この秋は神楽坂ブック倶楽部でイベントを催すことにしました。HP(kagubookclub.com)をご覧下さい。会場で「波」の人間を捕まえて頂ければ、本や雑誌についての質問にお答えします(ロクなことを知りやしませんが)。
▽次号の刊行は九月二十七日です。

お知らせ

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。