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[今野 敏『宰領―隠蔽捜査5―』刊行記念特集]

波 2013年7月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2013/06/27

発売日 2013/06/27
JANコード 4910068230737
定価 105円(税込)

[今野 敏『宰領 隠蔽捜査5』刊行記念特集]
【インタビュー】今野 敏/変らぬ男
西上心太/《常識》と《事件》の中で

西村賢太『歪んだ忌日』
江上 剛/仮面を被り疲れた私たちのトランキライザー

青山文平『流水浮木―最後の太刀―』
縄田一男/第三の傑作誕生

【『なごり歌』刊行記念インタビュー】
朱川湊人/団地には、空がある

千早 茜『あとかた』
中江有里/あぶり出される感情のままに

中路啓太『恥も外聞もなく売名す』
池上冬樹/槍の勘兵衛、これぞ“もののふ”

清水義範『考えすぎた人―お笑い哲学者列伝―』
清水義範/わからないことがわかった

今井 彰『赤い追跡者』
田原総一朗/驚嘆のコンプライアンス破り

雛倉さりえ『ジェリー・フィッシュ』
藤田香織/連れ戻される「あの頃」。十八歳、衝撃の処女作

ペティナ・ガッパ『イースタリーのエレジー』(新潮クレスト・ブックス)
小野正嗣/他人事とは思えない

大竹伸朗『ビ』
永江 朗/誤解と勘違いと正解と深読みとの間

[北川智子『異国のヴィジョン―世界のなかの日本史へ―』刊行記念特集]
【インタビュー】北川智子/歴史と時間への旅
別所哲也/世界と向き合うための鏡と窓

シルヴィア・ナサー『大いなる探求(上・下)』
成毛 眞/冒険小説のような経済学史

中島岳志『「リベラル保守」宣言』
内田 樹/引き裂かれてある人

菊池省三 吉崎エイジーニョ『学級崩壊立て直し請負人―大人と子どもで取り組む「言葉」教育革命―』
吉崎エイジーニョ/教え子のライターが“カリスマ教師”に迫る!

エドワード・B・バーガー&マイケル・スターバード『限界を突破する5つのセオリー―人生の大逆転を生むスマート思考術―』
生島 淳/アドバンテージは思考から生まれる

石井勇人『農業超大国アメリカの戦略―TPPで問われる「食料安保」―』
石井勇人/巨大農業を「素因数分解」する

山本智之『主戦か講和か―帝国陸軍の秘密終戦工作―』(新潮選書)
森山 優/「狂気」の集団か、日和見集団か

ろーずまりー『こはる日和―うちのおしゃべり4にゃんず―』
ろーずまりー。/猫漫画で和んでくださいな

平野久美子『ラブティー―恋に効くお茶―』
田丸公美子/セックスとお茶と、コミュニケーション

小野不由美『丕緒の鳥 十二国記』(新潮文庫)
辻 真先/“自分にだってできることがある”と思い知る

鈴木健二『心づかいの技術』(新潮新書)
鈴木健二/「気くばり」を超えて

[山本周五郎と私]
原田マハ/坂の途中で

コラム
考える人─数学への憧憬
とんぼの本をよむ
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】石原千秋/漱石と日本の近代 第1回
嵐山光三郎/芭蕉という修羅 第4回
斎藤明美/高峰秀子の言葉 第24回
池上 彰/超訳 日本国憲法 第4回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第40回
吉田篤弘/ソラシド 第12回
梨木香歩/冬虫夏草 続・家守綺譚 最終回
鹿島田真希/少女のための秘密の聖書 第10回
高橋秀実/とかなんとか言語学 第19回
江 弘毅/有次と庖丁 第8回
津村節子/時のなごり 第22回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は今野敏さん。新刊『宰領―隠蔽捜査5―』の主人公の大森署署長・竜崎伸也は、揮毫していただいた言葉通りの正義と誠意の人です。シリーズの既刊に対しても読者から「こんな官僚が実際にいてくれたら……」という声を数多くいただきましたが、今作でもその硬骨漢ぶりは遺憾なく発揮されています。このほど日本推理作家協会の理事長に就任されて、ますます多忙を極める今野さんが『宰領』のゲラに手を入れている最中にご自宅の書斎にお邪魔して、インタビューと写真撮影をさせていただきました。ちなみにご自宅の地階は空手道場になっており、今野さんは「空手道今野塾」の師範として稽古を行っています。
◇『宰領』の刊行を記念して、七月十八日(木)午後七時から、今野さんのサイン会が横浜市の有隣堂横浜駅西口店で行われます。詳細に関しましては、お店(電話045-311-6265)にお問い合わせください。
◇今月で梨木香歩さん「冬虫夏草 続・家守綺譚」の連載が終了します。ご愛読いただき、有難うございました。いずれ単行本として小社より刊行予定です。来月号からは久間十義さんによる医療小説の新連載がスタートします。今月刊行された久間さんの『生存確率―バイタルサインあり―』(新潮文庫)も医療エンターテインメントの傑作。併せてお楽しみください。
◇先月号でご紹介した『ことばはいらない~Maru in Michigan~』が発売以来大好評で、版を重ねています。アメリカのミシガン州に暮らすジョンソン祥子さんが、ご子息の一茶君と愛犬の柴犬マルとが戯れる姿を撮影した写真集ですが、その愛くるしさたるや、書名通り言語化困難なほどです。佐々木譲さんが「犬好きにはたまらない」とツイートしてくださいましたが、犬好きならずとも心和むこと請け合いです。ちなみに、著者のブログ「ぼくのともだち。」が弊社の電子サイト「yomyom pocket」で連載中です。

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。