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[伊坂幸太郎『3652―伊坂幸太郎エッセイ集―』刊行記念インタビュー]

波 2011年1月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/12/27

発売日 2010/12/27
JANコード 4910068230119
定価 105円(税込)

伊坂幸太郎『3652―伊坂幸太郎エッセイ集―』
【インタビュー】伊坂幸太郎/ゆったりと、楽しんでください

西崎 憲『蕃東国年代記』
大森 望/古今東西の幻想を極上の文体でブレンド

西 加奈子『白いしるし』
栗田有起/清潔な欲望

三浦哲郎『師・井伏鱒二の思い出』
長谷川郁夫/酒、旅、将棋、そして酒

三浦哲郎『完本 短篇集モザイク』
出久根達郎/モザイク画は何か?

井上ひさし『井上ひさし全芝居 その七』
扇田昭彦/笑いとユートピア

高橋睦郎『よむ、詠む、読む―古典と仲よく―』
川上弘美/おもしろい!

嵐山光三郎『文士の舌』
大村彦次郎/コトコト煮込んだシチューの味

大平 健『動物がお医者さん―なぜペットはヒトを幸せにするのか―』
中川李枝子/大平先生動物記

特集
[まど・みちお『どんな小さなものでも みつめていると 宇宙につながっている―詩人まど・みちお 100歳の言葉―』刊行記念特集]
松田素子/まどさんの日々
平田俊子/まどさんの宇宙

福田ますみ『暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う―』
福田ますみ/命を賭けて権力と対峙する

竹田真砂子『美しき身辺整理』
三好一行/死亡率一〇〇%

トマス・ピンチョン『スロー・ラーナー』(トマス・ピンチョン全小説)
豊崎由美/「あなた」の若さがとても眩しいっ

原 武史『「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史―』(新潮文庫)
【対談】川本三郎×原 武史/我ら「鉄道マニア」に非ず?

小林朋道『ヒトはなぜ拍手をするのか―動物行動学から見た人間―』(新潮選書)
高橋秀実/人間をあきらむ

藤崎憲治『昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ―』(新潮選書)
最相葉月/かけがえのない人類のパートナー

深田和範『マネジメント信仰が会社を滅ぼす』(新潮新書)
深田和範/ドラッカーとドラえもん


第23回日本ファンタジーノベル大賞作品募集

コラム
三橋曉の海外エンタ三つ巴
「考える人」─書を読んで、旅に

連載
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第10回
蓮池 薫/拉致と決断 第9回
阿部和重/幼少の帝国 成熟を拒否する日本人 第2回
吉川 潮/【対談】寿限無の言い分 桂あやめ(前篇)
片山杜秀/未完のファシズム 第4回
小林朋道/ヒト、動物に会う 第8回
佐木隆三/わたしが出会った殺人者たち 第8回
山折哲雄/長谷川伸と日本人 第13回
三田 完/モーニングサービス 第5回


編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、『どんな小さなものでも みつめていると 宇宙につながっている―詩人まど・みちお 100歳の言葉―』が、十二月二十二日に刊行された、まど・みちおさんです。まどさんは、百一歳を迎えられた今も毎日、病院で絵や日記を書き続けています。「まど・みちお」というペンネームは「窓」にちなんだもので、若いころにはありきたりに思えて、改名しようとしたことがあったそうです。しかし、師と仰ぐ北原白秋に「いい名前だから変える必要はない」といわれて、そのまま名のり続けたのだとか。最近では、「まど・みちお」というペンネームとともに、本名の石田道雄という名前も一緒にサインされることがあると聞きました。病院では「まどさん」ではなく、「石田さん」と呼ばれているからでしょうか。病室で使っている持ち物にも、ひとつひとつ「石田道雄」と書き記されています。
◇この年末年始に、映画が公開される作品をご紹介します。まずは、十二月十八日に公開された、絲山秋子氏の『ばかもの』(単行本、新潮文庫)が原作の「ばかもの」(ゴー・シネマ配給)。監督は、金子修介、出演は、成宮寛貴、内田有紀、白石美帆、浅田美代子、池内博之、中村ゆり、古手川祐子といったメンバーで、有楽町スバル座他にて全国公開されています。また、十二月二十五日には、玄侑宗久氏の『アブラクサスの祭』(新潮文庫)が原作の同名映画(ビターズ・エンド配給)が公開されました。監督は、加藤直輝、出演は、スネオヘアー、ともさかりえ、小林薫。また、一月には、眉村卓氏の『妻に捧げた1778話』(新潮新書)が原作の「僕と妻の1778の物語」(東宝配給/出演・草なぎ剛、竹内結子)が、二月には海堂尊氏の『ジーン・ワルツ』(単行本、新潮文庫)が原作の同名映画(東映配給/出演・菅野美穂、田辺誠一、浅丘ルリ子、白石美帆、片瀬那奈、風吹ジュン、南果歩)も公開予定です。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。