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【特集】フェルメールの静かな革命

芸術新潮 2018年10月号

(毎月25日発売)

特別定価1,579円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/09/25

発売日 2018/09/25
JANコード 4910033051084
定価 特別定価1,579円(税込)
●目 次

【特集】フェルメールの静かな革命

Part1
|グラフ|
原寸大で見るフェルメール

画家の眼が見たフェルメール
グラフ解説 青木敏郎

Part2
揺れる時代とともに
フェルメールのTrue History

解説 尾崎彰宏

オランダの運命を背負った「市民社会バンザイ!」絵画

「最先端」を「永遠の美」へ ザ・フェルメール・スタイル
Section 1 カラヴァッジョを換骨奪胎
Section 2 キモノ、ウルシ――描かれたクール・ジャパン
Section 3 絵画を飾らぬ家はなし ヒートアップする絵画市場
Section 4 大競争を勝ち抜くためのハイパー・パクリ合戦
Section 5 娼婦だって清楚に! 女性の描き方ならお任せを
Section 6 フェルメールが絵に秘めた「実は……」の魅力

移りゆく時代とフェルメールの戸惑い

フェルメールが暮らした小さな町
デルフトを旅する

[全作品リスト]
年代&サイズが丸わかり
全作品イッキ見せ

[略史]
フェルメールが生きたのは、こんな時代

Column 1
フェルメールも通ったかも!?
“隠れ教会”という柔軟性
Column 2
目指せ、ナンバーワン!
オランダ黄金時代の売れっ子風俗画家8人
Column 3
絵の中の気になるアイテム PICK UP!

展覧会案内
もっと楽しむフェルメール



◆ 第2特集 ◆

幻の安土山図屏風を探せ!
文・企画 橋本麻里

◆ Art News exhibition ◆

ボナール 陽光の中の隠遁者
文 高橋明也

知られざる慶派のメッカ
大報恩寺の総力出開帳

◆ Art News report ◆

これぞ“ラスト・レオナルド”?
《救世主》の真価を問う
文 池上英洋

◆ Art News manga ◆

矢部太郎が見る
コワくてリアルな「ねじ式」



◆ Review ◆

  • 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」
  • 明治錦絵「明治150年記念 真明解・明治美術/増殖する新メディア」より
  • 棚田康司/浜田真理



◆ Global News ◆

  • New York「コンクリート製ユートピアに向かって:ユーゴスラビアの建築、1948~1980年」展
  • London「光の形:写真と抽象芸術の100年」展
  • La Défense「パスカル・メートル ただ人間であるだけ」展
  • Varese「バリー・X・ボール 歴史の終焉」展



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

ちょっといいで書?〈18〉
ストリートで見つけた気になる字
選・文 中澤希水

Goods & Shop

時と光の美術館〈18〉
ショーメ

◇ 連載 ◇

海外アートStudy最前線〈41〉
文 前橋重二

Around Geijutsu Shincho
林忠彦生誕100周年作品BOX「無頼」

定形外郵便〈53〉
文 堀江敏幸

原田マハ、美のパイオニアに会いに行く〈21〉
小田豊

中野京子が読み解く
画家とモデル〈7〉
サージェントと《トーマス・E・マッケラーのヌード習作》

千住博の往復書簡〈3〉
宛先 ジャック・マー様

千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈51〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈30〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

「日本の美」を世界に
新生堂37年間の取り組み

又吉直樹×堀本裕樹
神と人がひしめく多彩の国・大分をゆく

タキヤのピクチャーレール創生録
それは、国立西洋美術館から始まった

秋のアートスポット
和泉市久保惣記念美術館/岡田美術館/真鶴町立中川一政美術館/箱根ガラスの森美術館

伝統を未来につなぐ3日間
「2018 東美アートフェア」でほんものに出会う、触れる

ノエビア銀座ギャラリーで開催
菊池勝哉展 祇園の舞

Gallery's Plaza
ART CAFÉ

最新号PICK UP

日本史上最多のフェルメール作品が集う、
空前の展覧会を楽しむために。

 わずか三十数点しか現存しないフェルメール作品のうち10点が来日する、という奇跡のような展覧会が始まる。

 開催に先立ち、本誌特集班はオランダへ向かった。いかにもヨーロッパの美術館というたたずまいのアムステルダム国立美術館の一角に、フェルメールの作品がちんまりと並んでいた。彼の作品は小さいものが多い。そしてその小さな画面と画家は格闘しつづけた。たとえば、一旦描いたものを最終的に消して、作品がはらむ物語性を追求。あるいは、清楚な印象の世界観にエロティックさを秘める。じつは絵のなかに、様々な仕掛けをほどこしていたのだ。

 今月号では、いくつか作品の部分図を原寸で掲載している。グッと寄ってつぶさに眺めてみることで、静謐な画面にこめられた数々の革新を発見できると思うのだが、どうだろう?

 フェルメール展(東京展、大阪展で展示替えあり)
【東京展】10月5日~2019年2月3日 上野の森美術館
【大阪展】2019年2月16日~5月12日 大阪市立美術館

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フェルメール作品が並ぶアムステルダム国立美術館の一角。撮影:広瀬達郎(本誌)

この号の誌面

編集長から

「原寸大」だから見える
フェルメールの秘密

 史上最多のフェルメール作品が来日する展覧会が始まる。そこで今月号は彼の作品を原寸大で掲載。静謐な画面にこめられた知られざる革新の数々を、大迫力図版で解き明かす。顕著な正面性、ブルー使いの妙、じつはラフな質感表現など、作品にグッと寄ることでこの画家のこだわりを露わにする試みだ。かつてフェルメール作品を模写した画家だからこそ分かる、青木敏郎による分析が興味ぶかい。
 また、フェルメールが生きた17世紀オランダは、政治、宗教、経済すべてにおいて大きな変動があった時代でもある。なぜ世界に先駆けて「風俗画」が誕生したのか、なぜフェルメールは女性を多く描いたのか等々、時代背景が画家とその作品に与えた影響にも迫る。
 第2特集では、行方知れずの《安土山図屏風》の謎を追う。信長が、安土城とその城下を狩野永徳に描かせたこの屏風は、ローマ教皇に献上されたことが分かっている。果たしてどんな図様だったのか?

芸術新潮編集長 吉田晃子

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