【特集】漫画家 大友克洋、美術史家 森洋子が徹底解剖 ブリューゲル《バベルの塔》の謎
芸術新潮 2017年5月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2017/04/25 |
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JANコード | 4910033050575 |
定価 | 1,466円(税込) |
【特集】漫画家 大友克洋、美術史家 森洋子が徹底解剖
ブリューゲル《バベルの塔》の謎
◆ special features ◆
part1
ブリューゲルの二つの《バベルの塔》にズームイン
二大傑作のここに注目
essay 1
二つの塔の共通点と相違点
文 森洋子
part2
大友克洋、ブリューゲルに挑む
大友版「バベルの塔」ができるまで
対談
大友克洋×森洋子
ブリューゲルにのめりこむ歓び
part3
ブリューゲル以前、ブリューゲル以後
《バベルの塔》大集合
essay 2
偉大なる建設のヴィジョンと神の怒り
「バベルの塔」のパラドックス
文 森洋子
ロッテルダム ブリュッセル ウィーン 三都めぐり
大友克洋のバベル・ツアー
展覧会案内
バベル特集プレミアム企画
目指せ、世界一!
古今東西、巨大建築選手権
選・文 五十嵐太郎
巨大建築の夢と現実
◆ special feature ◆
第2特集
21世紀が再発見した
ソール・ライターの心にしみるニューヨーク写真
◆ art news ◆
◇ exhibition ◇
アール・ブリュットの帝王
アドルフ・ヴェルフリ降臨
文 鈴木淳史
人間的な、あまりに人間的な
篠山紀信、ラブドールを撮る
対談 篠山紀信×山下裕二
テオドール・シャセリオー
「禍」としての才能
文 平野啓一郎
◇ review ◇
山崎博
李鎮雨
フェルナンド・カサセンペーレ
「千ヶ崎悌六―与謝野晶子を支えた足立の歌人画家―」より
◇ global news ◇
Tours「ペール・バークレイ:油の部屋」展
Brescia「アイエツからボルディーニまで:
19世紀イタリア絵画の精神と容貌」展
Bethlehem「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」
New York「第三のジェンダー:浮世絵に描かれた若衆」展
◆ regular features ◆
◇巻頭◇
ちょっといいで書?〈1〉〈新〉
【ストリートで見つけた気になる字】
GOODS & SHOP
時と光の美術館〈1〉〈新〉
パテック フィリップ
◇ 連載 ◇
リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝
〈8〉フィレンツェへの里帰り1
ヤマザキマリ とり・みき
海外アート
Study最前線〈24〉
文 前橋重二
定形外郵便〈36〉
文 堀江敏幸
もう一杯だけ呑んで帰ろう。〈36〉〈完〉
文・写真 角田光代+河野丈洋
千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈35〉
TONY & INOCCHI
マンガ展評
ちくちく美術部〈24〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈13〉
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
◇ 芸術新潮特別企画 ◇
タキヤ
インタビュー
山本豊津
(東京画廊+BTAP代表取締役社長)
GINZA画廊の夜会
靖山画廊
東京画廊+BTAP
銀座ジャンセンギャラリー
至峰堂画廊 銀座店
日動画廊
箱根ガラスの森美術館
アルカンターラ
ART CAFÉ SPECIAL
ART CAFÉ
最新号PICK UP
対談「大友克洋×森洋子」
ちょっとこぼれ話
細密描写で知られる漫画家・大友克洋さんは、かねてからブリューゲル好き。森洋子さんはブリューゲル研究の第一人者。《バベルの塔》(オランダ・ロッテルダム、ボイマンス・ファン・ブーニンゲン美術館蔵)の来日を機に対談していただこう! と考えた編集部は、対談の流れや撮影方針など段取りを整えて当日に臨みました。
が! お二人は初対面だというのに、ろくに自己紹介もされないまま、いきなりブリューゲル話に突入。大友さんが、対談時はまだ制作中だった《INSIDE BABEL》(大友さんがバベルの塔の内部を描いた作品で、「バベルの塔」展の会場入口横ホワイエに展示中)の下絵を広げるやいなや、興味津々で次々と質問を浴びせかける森さん。そこからブリューゲルによる2点の《バベルの塔》(もう1点は、オーストリア・ウィーンの美術史美術館蔵)に話題は広がります。煉瓦窯、クレーン、塔の入口、塔の窓の形状、ウィーンの塔とロッテルダムの塔の相違点、未だ特定できないロッテルダムの塔の制作年などなど。塔の全体像は周知のこととして細部に言及する研究発表会のごとき事態になり、茫然自失の編集部。果ては、大友さんの漫画とブリューゲル作品における表現の共通点に迫る森さん。
3時間以上に及ぶ対談を終えたお二人は「足が痛いですね。お水を飲みたいですね」。興奮状態でずっと立ったままお話しされていたのです。そのブリューゲル好きの情熱は本誌にて!
この号の誌面
編集長から
大友克洋と森洋子が《バベルの塔》を徹底解剖
ブリューゲルの《バベルの塔》は2点現存する。そのうちボイマンス美術館所蔵の1点が来日中だが、本作はウィーンの美術史美術館が所蔵するバベルと異なり年記がなく、研究者によって推定制作年がマチマチだ。描写もウィーンの絵とはずいぶん違う。画家はこの2点の絵によって何を伝えようとしたのか。両者の共通点と相違点は何なのか。特集ではふたつの塔にズームインし、数々の謎を読み解いていく。美術史家ならではの視点で迫るのは森洋子、漫画家として制作者の視点から迫るのは大友克洋だ。11世紀から現在までの様々な作例を通して、バベルをめぐる表現の変遷にも注目する。さらに、バベルの塔の内部を描いた大友の渾身作を掲載。その制作過程と取材旅行も独占密着レポート。古今東西の巨大建築も紹介、と盛り沢山だ。
第2特集は再評価が高まる写真家ソール・ライター。ニューヨークの下町を絶妙な構図で切り取った、どこか懐かしさを感じさせる作品世界へ誘います。
芸術新潮編集長 吉田晃子
関連まとめ
- ネーデルラントの画家・作家
ネーデルラントは絵画の巨匠たちが輩出した美の故郷である。
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