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本当は危ない国産食品―「食」が「病」を引き起こす―

奥野修司/著

814円(税込)

発売日:2020/12/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

「国産だから安心、安全」なんて大ウソ! 最新研究データが示す超弩級の衝撃。

「国産食品だから安心、安全」というのは嘘(ウソ)である。実は日本では一部の農薬の規制が世界的に見ても緩(ゆる)い。それらが残留した日本茶、野菜、果物、コメ、パン、パスタなどを私たちは日常、口にしているのだ。研究者たちが指摘するのは、肥満、アレルギーのみならず、脳の萎縮(いしゅく)、自律神経の失調、神経伝達の異常、発達障害など、数々の重大なリスクである。最新の科学データと緻密(ちみつ)な取材をもとに、大宅賞作家が警鐘を鳴らす問題作。

目次
はじめに
第一章 「国産は安全」神話
お茶から農薬が出た/「国産は安全」のまやかし/本当の毒性は見えない/食べ物と病気の関係/脳に浸透する農薬/怖いペットのノミ取り剤/子供の尿からも出た!/赤ちゃんに移行する農薬
第二章 密室で決められる安全基準
「きれいな野菜」は危険/農薬は人が食べることが前提/残留基準値がEUの二五OO倍!/ホウレンソウはもう食べられない!?/水道水からネオニコ/人体への影響/農薬と医薬品の違い
第三章「現代病」と農薬
ネオニコの「不妊リスク」/アレルギー疾患急増の理由!?/農薬で肥満になる/一万倍も違う感受性の差/脳に浸透する農薬/「少量だから安全」は神話
第四章 脳細胞が“発火”する
「発達障害」急増の衝撃データ/マウスの「悲鳴」/精巣から精子が消えた/ネオニコで子供の衝動性が増加する/卵巣が小さくなった!/ネオニコで認知症?/家庭にあふれるネオニコ系農薬
第五章 複合毒性
コメからビニールの材料が出た/複合毒性の危険性は不明/パンとパスタから除草剤が出た/安全性試験のごまかし/腎臓と乳腺に腫瘍/アメリカ政府の意のまま
第六章 “不自然”な食べ物
グリホサートは神経伝達を攪乱する?/腸内細菌が抗生物質耐性菌になる/米国ではスーパー耐性菌で年間三万五〇〇〇人が死亡/毒性が遺伝する!/モンサントに賠償金二二〇〇億円/日本が残留基準値を大幅に緩和する謎/水道水が危ない!
第七章 食べてはいけない「食パン」リスト
北米産の小麦と大豆が危ない/「国内製造」は国産小麦ではない/健康食の「全粒粉」に落とし穴/肉から農薬が検出される理由/「ジャップが食べるから」
第八章 パスタと野菜に気をつけろ
「食パン」「マカロニ」の分析結果の衝撃/ネオニコが検出されやすい野菜/五日間の有機野菜で体内の農薬半減/フランスの農薬事情/なぜ日本は「有機野菜」が増えないのか
「農薬工業会」の批判に反論する
おわりに
参考文献一覧

書誌情報

読み仮名 ホントウハアブナイコクサンショクヒンショクガヤマイヲヒキオコス
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
雑誌から生まれた本 週刊新潮から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610886-0
C-CODE 0247
整理番号 886
ジャンル 家庭医学・健康
定価 814円
電子書籍 価格 814円
電子書籍 配信開始日 2020/12/17

薀蓄倉庫

肥満の本当の原因とは?

 国内では北海道大学での調査があるが、海外でも、ある農薬で肥満になるという研究があるという。
「無毒性量」の100分の1という少量の農薬(イミダクロブリド)を、高脂肪食と一緒にマウスに食べさせたところ、当然、高脂肪食のため、脂肪細胞の数が増えるのだが、マウスの体重は1.5倍にも至った。この農薬こそが体重の増加を助長しているそうである。
 私たちは脂の摂りすぎが肥満の原因と思ってきたが、農薬が肥満へのブースターのような役割を果たしていることが考えられるのだ。
 たとえば、農薬が残留したままの野菜とハンバーガーを一緒に食べると、動物性脂肪との相乗効果でさらに太る可能性があるという。
 ある農薬が肥満を促進していることにも驚くが、もっと気になるのは、「安全」と言われる「無毒性量」以下で、肥満の原因になる影響が見られるということである。
「安全」の指標である無毒性量が信頼できないとなれば、「安全」の根幹は崩れ、農薬の残留値基準も当てにならないのではないか……。
 奥野修司氏は、そのような最新研究データから読者を震撼させる内容を本書で提起している。

掲載:2020年12月25日

担当編集者のひとこと

プロの矜持

 ノンフィクション作家の奥野修司さんとは長いお付き合いです。いつも朗らで優しいお人柄は、初対面の人でもうちとけてしまいますが、一方で、テーマ設定や取材は徹底して鋭い方です。大宅ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞も受賞されており、日々、数々の取材を展開されています。
 本書も、長期間に数十人の研究者に丁寧に取材され、収集された最先端の科学研究のデータも資料も膨大でした。担当編集者として目を通すのに、2週間もかかるほどでした。
 この新書は、そもそも2020年に「週刊新潮」での連載〔「食」と「病」 実は「農薬大国」ニッポン〕が元になっています。連載当時も、「とても驚いた!」「国産が怖いと思った……」「いつ本になるのか?」など、読者からの声が小社にたくさん寄せられました。それほど、「国産食品」は関心の深いテーマなのです。
 奥野さんは、連載後に、さらに取材を続けられ、執筆された本書の原稿は、「国産食品が危険な証左」が明解に示された驚愕の真相が、柔らかい筆致で示されたものでした。
 よい意味で、予測を裏切られた原稿は、担当編集者にとっては至福の喜びです。
 奥野さんとは、『魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―』でも『天皇の憂鬱』でも、いつもそのような至福を味わうことができました。
 奥野さんは、常に身の周りに潜む深いテーマを探り続け、魅力ある筆致で、ノンフィクションを刊行されています。まさに「プロの矜持」を感じぜずにはいられません。
 なお、そのような本書の内容を抜粋して、紹介しておきます。
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お茶から農薬が出た/「きれいな野菜」は危険/ホウレンソウはもう食べられない!?/ネオニコの「不妊リスク」/農薬で肥満になる/コメからビニールの材料が出た/グリホサートは神経伝達を攪乱する?/水道水が危ない!/肉から農薬が検出される理由/五日間の有機野菜で体内の農薬半減……
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 綿密な研究データから示された「食」の安全性を問題にした本書を、「国産食品」を食べる前に、ぜひ、ご一読ください。

2020/12/25

著者プロフィール

奥野修司

オクノ・シュウジ

1948(昭和23)年、大阪府生れ。立命館大学卒業。ノンフィクション作家。『ナツコ 沖縄密貿易の女王』で講談社ノンフィクション賞と大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。その他『小沢一郎 覇者の履歴書』、『皇太子誕生』、『心にナイフをしのばせて』、『看取り先生の遺言』、『放射能に抗う』、『再生の島』、『「副作用のない抗がん剤」の誕生』、『魂でもいいから、そばにいて』、『丹野智文 笑顔で生きる』(丹野智文と共著)、『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』(徳山大樹と共著)、『ゆかいな認知症』、『天皇の憂鬱』、『美智子さまご出産秘話』、『なぜか笑顔になれる認知症介護』など著作多数。

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