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人間の品性

下重暁子/著

770円(税込)

発売日:2020/04/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

優しさだけでは駄目。勁(つよ)さが必要なのです。

人間としての正確な品性こそが、その人の土台となる――「臈(ろう)たけた」という古き良き表現から、日本ならではの品性を考察し、最後の朝鮮王朝皇太子妃・李方子、永六輔、小沢昭一、岸田今日子ら、品性ある人々との交流を振り返る。「デパートには行かない」「二日続けて同じ服は着ない」等、身だしなみのコツや日常の過ごし方、そして「恋」と「恋のようなもの」の大切さを説く。下重暁子の流儀のすべて。

目次
臈たけたひと
一 「臈たけたひと」がいなくなった
二 九條武子と柳原白蓮
三 ものがたりのある人
四 大人の遊びを愉しむ人
五 老いても色気を失わない人
洗練の作法
六 身だしなみについて
七 さまになる正装について
八 群れない生き方について
大人の流儀
九 大人の遊び方について
十 新しいものについて
十一 管理されない生き方について
恋というもの
十二 初めてに意味はない
十三 それは恋でも愛でもない
十四 忘れられない恋愛
十五 なぜ忘れられないのか
十六 終わりと再会
十七 恋愛と結婚は違う
十八 引き寄せる力
おわりに

書誌情報

読み仮名 ニンゲンノヒンセイ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 160ページ
ISBN 978-4-10-610858-7
C-CODE 0210
整理番号 858
ジャンル 哲学・思想
定価 770円
電子書籍 価格 770円
電子書籍 配信開始日 2020/04/24

薀蓄倉庫

臈たけたひと

ろうたけた」という、日本古来の表現を御存知でしょうか。洗練されて上品な様を表す言葉ですが、今ではあまり使われず、死語に近いのかもしれません。
 世阿弥の「風姿花伝」では男性にも使われており、本来は男女共に使える表現だったのが、徐々に女性を表現する言葉として定着したようです。
 この「臈たけたひと」の条件として、美しくて品がよいだけではなく「愁い」が、そして「ものがたり」が必要なのだと、筆者は言います。そして本書で語られる「臈たけた」人々との思い出の一つ一つは、まるで映画のワンシーンのようです。かくありたいと思える「臈たけた」人々が、かつて日本には確かにいた――そう教えられました。

掲載:2020年4月24日

担当編集者のひとこと

かくありたい、と思える人に

 年を重ねるとは、どういうことなのか。誰にでも平等に時は流れていきます。それをただ漫然と過ごすのと、ああなりたいなと思える人が一人でもいるのとでは、日々積み重ねるうちに大きな差が開くのではないでしょうか。
 著者の何事にも揺らがない、きりっとした生き方に憧れます。また、厳しいようでいて、飄々とした明るさと優しさが根底にあることに気付かされます。
 一体、どう心掛ければ、こんな大人になれるのだろうか。そう問うた時の答えが、この本にはありました。
 一番大切なのは――目には見えないけど、確かにあるもの。そしてお金では買えないし、健康であっても手に入るとは限らないもの。そしてその人の土台となるもの。
「品性」の養い方、よくぞ書いて下さったと、そう思う私もまた読者の一人です。

2020/04/24

著者プロフィール

下重暁子

シモジュウ・アキコ

1959年、早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。NHKにてアナウンサーとして活躍後、フリーとなり文筆活動に入る。財団法人JKA(旧・日本自転車振興会)会長を務めた。2020年4月現在、日本ペンクラブ副会長、日本旅行作家協会会長。『家族という病』『極上の孤独』等、著書多数。

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