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明治5年、兜町に出現――天守閣? いえ日本初の〇〇です。答えは169頁に。建築探偵・藤森教授による全68話!

近代建築そもそも講義

藤森照信/著 、大和ハウス工業総合技術研究所/著

880円(税込)

本の仕様

発売日:2019/10/17

読み仮名 キンダイケンチクソモソモコウギ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 254ページ
ISBN 978-4-10-610833-4
C-CODE 0252
整理番号 833
ジャンル 歴史・地理
定価 880円
電子書籍 価格 880円
電子書籍 配信開始日 2019/11/01

日本の近代建築が直面した最初の難題は「脱ぐか否か」だった。一八五七年、米国総領事ハリスは江戸城登城を許される。土足のハリスを迎えたのは畳に敷かれた錦の布と、その上で草履を履いた将軍家定。以降、公的な場は「脱がない(土足)」が原則となる――。「和」の建築は「洋」をどう受け入れてきたか。銀座煉瓦街計画、国産大理石競争、奇妙でアヤシイ洋館群、日本に溺れた英国人教授等、建築探偵・藤森教授が語る全68話。

著者プロフィール

藤森照信 フジモリ・テルノブ

1946(昭和21)年長野県生まれ。建築家。東京大学名誉教授、東京都江戸東京博物館館長。著書に『建築探偵の冒険・東京篇』(サントリー学芸賞受賞)など多数。

大和ハウス工業総合技術研究所 ダイワハウスコウギョウソウゴウギジュツケンキュウショ

1980(昭和55)年発足。建築技術の他、様々な分野の研究員が「人・街・暮らし」に関する研究開発に取り組んでいる。

大和ハウス工業総合技術研究所 (外部リンク)

目次

はじめに
第1講 明治政府が捨て置けなかった大問題
江戸以来の水道を“鉄管”に/初の下水〈神田下水〉に潜ってみると/公衆衛生の父とコレラ菌/142年で6回焼けた“湯浅商店”/日本独自の“路線防火”/積み立て滞納には、建築警察が/江戸以来の家を「もっと明るく」/障子に板ガラスを足してみる/「猫間障子」「雪見障子」「硝子入り障子」
第2講 天皇の行く先々に洋館出現
旧大名たちが建てた小さな“洋”/100%洋風となった〈明治宮殿〉/〈岩崎邸〉の洋館はどう使われたか/和洋併置式から中廊下式へ/大量に作られた〈サツキとメイの家〉/わが家の接客空間を振り返ると
第3講 突如現れたスリッパ問題
スリッパという鵺的履物/将軍と総領事ハリスの土足対決/靴を脱ぐのは失礼なのか/「足洗い場」「下駄箱」が語ること/福沢諭吉、スリッパを解説/シンデレラの靴も“スリッパー”
第4講 銀座煉瓦街計画と謎の技術者
井上馨がぶち上げた銀座煉瓦街計画/御雇外国人建築家の正体/ウォートルス三兄弟の軌跡/フランス積みか、イギリス積みか/煉瓦職人のこだわり「カエル股」
第5講 国産大理石はどこにある
どこかヘンな〈尚古集成館〉石造工場/古代ローマの秘技、アーチ/なぜ〈眼鏡橋〉と〈通潤橋〉だけが/首都圏を支えたノコギリ山/〈日本銀行本店〉をどの石で建てるか/石工たちの恐るべき反乱/赤坂宿の石/純国産の〈国会議事堂〉、イタリア産の〈住友本店〉
第6講 日本で花開いたコロニアル建築
北海道開拓はアメリカに倣う/〈札幌時計台〉に使えなかったもの/最高のアメリカ式木造建築〈豊平館〉/渡来の板張り、伝統の板張り/イギリスの田舎町タンデンの街並み/ヴェランダ・コロニアル建築/鹿児島〈異人館〉はなぜ正方形か/“死の商人”〈旧グラバー邸〉/フランス窓に付きものは/見当たらない台所の謎
第7講 乱立する奇妙な洋館群
〈フランス海軍病院〉にナマコ壁/まるで天守閣の〈第一国立銀行〉/擬洋風官庁の誕生/擬洋風建築の3スタイル/漆喰擬洋風、出現/龍と天使、唐破風の〈開智学校〉/「建物を壮大に作るのが一番いい」/土木県令、三島通庸/〈尾山神社〉の不思議な門
第8講 コンドル教授が育てた4人の建築家
本格的西洋館の原則/ドリス式の柱頭飾りは/イオニア式に見る呪術性/コリント式の自然信仰/一流建築家ボァンヴィル/英国人教授の溺れるような日本愛/なぜ〈鹿鳴館〉に椰子とイスラム風が/インドのイスラム建築〈国立博物館〉/辰野金吾が開く日本建築界/〈東京駅〉を新時代のシンボルに/妻木頼黄の〈国会議事堂〉〈日本橋〉/佐立七次郎の本格的西洋館/彰義隊生き残りの建築家/北京に〈旧日本公使館〉を/欧州宮殿様式最後の華〈赤坂離宮〉
おわりに――〈江戸東京たてもの園〉への招待

蘊蓄倉庫

国会議事堂は国産〇〇の見本市

 明治時代になって入ってきた「洋」の建築技術。それに伴って始まったのが、材料となる国産大理石探しでした。以前は工芸用でしたが、これを機に岐阜県の赤坂、茨城県の寒水石、山口県の灰色の大理石などが建築用に使われるように。そして17年にもおよぶ〈国会議事堂〉建設にあたっては全国各地から大理石が運ばれました。そして純国産大理石製建築が昭和11年に完成します。その凄さは「大理石の見本市のごとき状態」と建築探偵・藤森照信さんが書くほど。もし見学に行かれる際には「大理石」にもぜひご注目ください。

掲載:2019年10月25日

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