ホーム > 書籍詳細:ジャニーズは努力が9割

SMAP、TOKIO、V6、KinKi Kids、嵐、滝沢、亀梨……。“努力の天才”たちとジャニー喜多川の“仕事哲学”に迫る。

ジャニーズは努力が9割

霜田明寛/著

864円(税込)

本の仕様

発売日:2019/08/01

読み仮名 ジャニーズハドリョクガキュウワリ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
ISBN 978-4-10-610824-2
C-CODE 0273
整理番号 824
ジャンル 芸能・エンターテインメント
定価 864円
電子書籍 価格 864円
電子書籍 配信開始日 2019/08/09

本当の“才能”とは、努力できること。そう、ジャニーズは教えてくれた――。司会や演技に果敢に挑戦する者、アイドルを極める者、人柄を磨く者……努力の仕方は十人十色。厳しい競争を勝ち抜いた、彼らの努力や人生哲学に光をあてる。そして、彼らを見抜き導いたジャニー喜多川の「育てる力」とは? 膨大な資料から本人たちの言葉を選り抜いた、ゴシップ抜きのジャニーズ論。最強エンタメ集団から、人生を変えるヒントを盗む!

著者プロフィール

霜田明寛 シモダ・アキヒロ

1985(昭和60)年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。九歳でSMAPに憧れ、十八歳でジャニーズJr.オーデションを受けた「元祖ジャニヲタ男子」。2019年8月現在は、WEBマガジン「チェリー」の編集長を務め、著名人インタビューを行う。三作の就活・キャリア関連の著書がある。

目次

はじめに
ジャニーズは努力でできている/“才能”とは、死ぬ気で身につけるものである
第1部 努力の16人
1 中居正広:“アイドルの非常識”を常識化した男/あえてとったファンとの距離/“準備の中居”の徹底的シミュレーション/「本当の個性」を磨くために
2 木村拓哉:木村拓哉もまた努力の人である/“初の月9”を断る/「自分の強みはジャニーズです」
3 長瀬智也:尖った個性と親しみやすさの両立/「テレビドラマは人生を変える」/自作曲のストックは500曲/「普通の感覚」こそが個性を伸ばす
4 国分太一:“ジャニーズ史上最も売れた男”/「バカだと思われてもいい」/多忙な中でのインプット方法
5 岡田准一:「人間は“頑張る”ことに耐えられる」/本1冊映画3本が日課/3種類の武術を習得/なぜ8歳から人生を考え始めたのか
6 井ノ原快彦:徹底的な“嫌われない覚悟”/「気持ちを考えないほうが罪」
7 堂本剛:アイドルとしての成功と壊れる心/自らプレゼンするアーティストへ/「変人」だからできるものづくり/なぜ心を病んだのか/繊細さという強さ
8 堂本光一:対照的な2人/全ての行動をルーティーンに/“捨てる勇気”と“託せる自信”/「理解できない」相手といるのが成長
9 櫻井翔:どこでもアウェイだった/“冷めた俯瞰”ではなく“攻めの俯瞰”/「本業」を超えるとき
10 大野智:アイドルは夢じゃなかった/寝ずにフィギュア制作/「自由になるために」する努力
11 滝沢秀明:厳しい境遇を乗り越えたスーパースター/孤軍奮闘するリーダー/「努力する意味あるのかな?」/なぜ後輩を育てるのか
12 風間俊介:イジメっ子・犯罪者・声優……/異端のジャニーズ/“ジャニーズなのに”を逆に活かす/メインを超える“スキマ産業”
13 村上信五:「見えた道がそこしかなかった」/“当たり前のハードル”を上げ続ける/努力はいつ華が開くか
14 亀梨和也:「劣っている」自覚から努力は始まる/間接的に夢を叶える/アイドルという最強の存在
15 伊野尾慧:仕事のない時期の過ごし方/風呂に入らず舞台→論文/人生何が役に立つかはわからない
16 中島健人:極端な意識の高さが一流の器を作る/目標はジャニーズのトップ/終わらない青春
未完成時代をどう生きるか――第1部まとめ
I 与えられたことを全力でやり続ける(堂本光一、滝沢秀明)/II 与えられたことをやりながら、自分のやりたいことを続ける(岡田准一、堂本剛、大野智)/III “与えられたこと”を頑張っていたら“やりたいこと”が見つかった(風間俊介、生田斗真、長瀬智也)/IV “やりたいこと”ができなくなったが、間接的に夢が叶った(亀梨和也、手越祐也)/V “与えられたこと”に懐疑的な視点を持つことが自分の希少性を高める(櫻井翔、岡本健一)/VI “与えられたこと”がないときこそ日常を疎かにしない(伊野尾慧、丸山隆平)/VII 未来図を描いて、今の行動を決める(中居正広、木村拓哉)
第2部 ジャニー喜多川論 育てる力
日本で最も優秀な採用担当者/ジャニーとドラッカーの共通点/ジャニー流人間性の見抜き方/SMAPになれなかった人、V6になれなかった人/「頑張るのは当たり前」/褒めて伸びる人、けなして伸びる人を見分ける/引き出す教育「ジャニイズム」/ジャニーズ・スピリットとは/ジャニーズ顔なんてない/優秀な人材ばかりの組織を作るには/ジャニーズの競争システム/成功イメージを具体的に見せる/「YOU出ちゃいなよ」/成功を促す「分不相応」/“世界を変える大人”の正体/大人は子どもには戻れない――
おわりに
引用・出典一覧

担当編集者のひとこと

構想10年、渾身のジャニーズ論!

 8月新刊『ジャニーズは努力が9割』の著者・霜田明寛氏は、9歳でSMAPに憧れ、18歳でジャニーズ事務所のオーディションを受けるも不合格。「元祖ジャニヲタ男子」としてメディアに登場したこともある、筋金入りの「ジャニーズ・ウォッチャー」です。その霜田氏が、あるジャニーズのタレントに掛けられたひとことが、本書執筆のきっかけとなりました。
 構想から約10年、ようやく完成したのが、この『ジャニーズは努力が9割』。SMAP、TOKIO、V6、嵐、KinKi Kids、滝沢秀明といったジャニーズたちの努力の軌跡に焦点をあて、彼らがいかに厳しい競争を勝ち抜き、現在の成功の礎を築いたかを論じたものです。また、本書収録の第2部では、7月9日に亡くなったジャニー喜多川氏の「育てる力」に注目。彼がいかにしてタレントたちの才能を見抜き、育成してきたのかを論じています。いわば、「ジャニーズに学ぶ仕事術」。ファンはもちろんのこと、ビジネス・パーソンにも大いに参考になること請け合いの一書です。

2019/08/26

試し読み

「はじめに」

ジャニーズは努力でできている

 努力は人を変える――。
 そう、ジャニーズは教えてくれました。
 中居正広と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?
 多くの人が、そのバラエティ番組の司会者ぶりから、もともと明るく、機転の利く人という印象を持っているのではないでしょうか。
 しかし、ジャニーがわは中居正広のことを「おとなしかった」と振り返り、本人も「話すのは、正直、苦手分野」「アドリブとか利く方ではない」と、10代から仕事に関するメモを書き溜め、今でも入念なシミュレーションをしてバラエティ番組にのぞんでいます。
 今や俳優としての地位を確立している岡田准一には、毎日仕事終わりに、寝ずに映画を3本観て学んでいた日々がありました。
 堂本剛は、KinKi Kidsとして成功をおさめた後も、ソロ・プロジェクトを始動させるために、自ら企画書を書いてコピーし、社内でプレゼンをする、というようなことまでやっています。
 広く知られてはいませんが、ジャニーズのタレントたちは陰で必死の努力を続けていて、それぞれに「人生の哲学」を持っているのです。

 僕が初めて憧れた大人は、ジャニーズでした。9歳でSMAPに憧れ、15歳で同い年の山下智久の活躍に刺激を受けジャニーズ事務所に履歴書を送り始め、18歳でジャニーズJr.オーディションを受けました。2009年、23歳のときに雑誌『SPA!』の「ジャニヲタ男子の奇妙な日常」という特集で、日本で初めて「ジャニヲタ男子」として取り上げられ、それ以降も、ジャニーズへの愛は冷めることなく、今も女性ばかりのライブ会場に勇気を持って乗り込んでいます。普段は、編集長を務めるWEBメディアで、俳優や映画監督にインタビューをし、人生の哲学や世に出るまでの努力の過程を聞いて、文章にしています。
 ちなみにオーディションでは、事務所の女性に「皆さんはここに呼ばれた時点で、ジャニーズJr.研修生です。すぐに連絡が来なくてもあきらめないで待っていてください。時間が経って連絡することもありますから」と言われました。なので、現在の僕は「待っている」状況です。あれから15年が過ぎようとしています。
 冗談はさておき、「ジャニーズに自分の人生を変えてくれるような哲学がある」「ジャニーズは努力でできている」と聞いて、こう感じると思います。
「いやいや、彼らは“もともと”すごかったんでしょう?」と。
 たしかに、僕もそう思っていました。
 特別な星のもとに生まれてくる人と、それ以外の星に生まれてくる人――。
 世の中にはその2種類しかいないと思っていたのです。
「ジャニーズは特別な星のもとに生まれた人たちなんだ」と、彼らと自分の間に線を引いていました。
 しかし、そうではないと、ジャニーズ本人から突きつけられたことがあります。
 オーディションに落ちた翌年。20歳の頃、端役ながら、元組の岡本健一さんの舞台に出演する機会を得ました。稽古期間も3週間を過ぎ、だいぶ打ち解けてきた頃、休憩場で2人きりになった瞬間を見計らって、ずっと言おうと思っていたことを、岡本さんに伝えました。
「僕、ジャニーズJr.になりたいんです」
 笑われるかと思っていました。「その顔で?」「その身長で?」「その歳で?」……何を言われるんだろうと怖くもありました。そもそもオーディションで一度落ちている身。自分が何者でもないということをあらためて突きつけられる可能性のほうが高かったと思います。
 しかし、岡本さんは僕の目をまっすぐに見て、こう言いました。
「努力できる?」
 岡本さんは、ルックスや運動神経のような生まれもった才能ではなく、「努力できるかどうか」の一点のみで、ジャニーズ入りの資格を問うてきたのです。岡本さんの目は真剣で、僕の直訴を一笑に付したりはしませんでした。
 現在持ち合わせている能力で判断するのではなく、未来を見て「やるのか、やらないのか」を問う。それは、ジャニー喜多川が人を選ぶときの「やる気があれば誰でもいい」という選抜基準と、驚くほど一致しています。その詳細は第2部で紹介しますが、もちろん当時の僕はそんなことを知るよしもありませんでした。
 ジャニー喜多川がそうであるように、岡本さんは夢を笑わない大人でした。僕が初めて出会った、どんなに無謀な夢を語ったとしても、人の夢を否定しない大人。
 岡本さんは、教えてくれました。ジャニーズの人たちが、小さい頃からどれだけ努力を重ねてきた人たちであるかを。
 そう語る岡本さん自身、休みの日も稽古場に来て、空いているスペースでひとり稽古をしたり、他の出演者の様子をじっと眺めたりしていました。年下のキャストにアドバイスをするためだけに来てくれることもあり、その後、舞台演出家として活躍されるキャリアを思うと、演出家としての努力をしていたのかもしれません。
 岡本さんをはじめとするジャニーズは、天性の才能を持って生まれてきたから、今の活躍があるわけではない。努力を重ねてきたからこそ、活躍できている――。

“才能”とは、死ぬ気で身につけるものである

 ジャニーズは努力によって特別になっていった人たちである――。
 それは岡本さんの背中から教わった、偉大な真実でした。そして、この真実を直視することは、僕の人生観を一変させました。それは、絶望でもあり、希望でもありました。
 それまでは、ジャニーズを恵まれたルックスをもって生まれた人たちの集団だと思っていました。おそらく、多くの人が同じような眼差しでジャニーズを見つめていることと思います。彼らは運良くイケているルックスで生まれ、運良くジャニーズに選ばれ、運良く人気を得ている「特別な星のもとに生まれた、選ばれし人たちなのだ」と。
 彼らの活躍の裏には不断の努力や思考の重なりがあります。しかし、ファンでありながらも僕は、それを直視せず、見て見ぬふりをしてきたのでした。
 なぜならば、「彼らと自分は生まれた星が違うのだ」と思いこむ方が、楽だったから。しかし、現実は違いました。彼らもまた「普通の星のもとに生まれた、普通の人たち」だったのです。ですが、彼らはそこから努力を重ね、一方で自分は努力を怠っていた。その差が、そのまま人生の差になっている。それを見つめることは苦しくもありました。
 舞台演出家・にながわゆき密着したNHKのドキュメンタリーで、こんなシーンがありました。蜷川幸雄は、自分の劇団に所属する、まだ売れていない若手の舞台俳優たちにこう檄を飛ばします。
「なんでジャニーズの方が努力してんだよ! お前らより売れてる奴らがよ! 全然説得力ねえよ!」
 ジャニーズたちの人生に目を向けると、自分の人生こそ説得力がないものだ、ということを自覚しなくてはいけない――それが絶望の理由です。
 しかし一方で、岡本さんの言葉は、希望でもありました。「この世界は、努力すればなんとかなる希望の世界である」と教えてもらったような気がするからです。それは、一見すると、芸能界のような才能のみで決まるように見える世界ですら同じなのだ、と。“普通の星”に生まれた人たちが、特別なことを成し遂げるまでの進化の“普通の星”に生まれた何者でもない自分にも、何か特別なことを成し遂げられる道筋を示してくれる気がしました。それは絶望の後に差し込んだ、一筋の希望の光でもありました。そこにこそ、人生を変えるヒントが詰まっているはずだ、と。
 岡本健一さんに「努力できる?」と問われてから約15年、ジャニーズがどんな努力や工夫をこらして、自分の人生を歩んできたのかを見つめ、調べてまとめたのが本書です。
 共通していたのは、もともと特別な星のもとに生まれた人なんていないんだ、ということ。普通の人が特別なことを成し遂げるための道は、確実に存在するということ。そして、その道は1本ではなく、無数に存在しているということ。活躍の仕方が十人十色なら、そこまでの努力の仕方も十人十色です。
 どこにでもいる少年だった彼らが、努力の結果、東京ドームを5万人の歓声でわかせたり、帝国劇場の単独主演記録を塗り替えたり、ひとりでNHKからテレビ東京までの全局にレギュラー番組を持ったり――。
 ジャニーズの人たちは、教えてくれました。才能とは、天から授かるものではなく、死ぬ気で身につけるものである、と。
 岡本さんと話したあの日から、軽はずみに「ジャニーズになりたい!」とは言えなくなってしまいました。本書を書き上げた今は、尚更です。でも、何者にもなれないと諦めたわけではありません。むしろ、その逆です。
 本書は「ジャニーズを目指せ!」と鼓舞する本ではありません。「ジャニーズの努力」に目を向けると、人生がちょっと変わる。「現在の自分が思い描いていた自分と違う」とか「もう少し頑張りたい」といった人たちに、自分の人生を変えるヒントを、ジャニーズの生き様の中に見つけてほしいと思ってまとめました。
“天才ではない人の努力の話”には、再現性があります。第1部で厳選した16人のエピソードの中には、仕事や人生において「未完成な自分がどう成長していくのか」という悩みに対する答えが見つけられるはずです。そしてジャニー喜多川と人を育てる仕組みとしてのジャニーズ事務所に注目した第2部は、誰かを「育てる」立場にある人にもお役に立てるはずです。
「努力は人を裏切らない」とか「人は何にでもなれる」とか「あきらめなければ夢は叶う」という言葉は、一笑に付してしまいたくなる手垢のついた言葉かもしれません。しかし、本書で紹介する彼らの努力を知ってもらった後に、それらの言葉が心の奥底に深く説得力を持つようになれば幸いです。
 あなたがそこからどんな夢を持とうとも、それを体現してきたジャニーズの彼らなら、きっと笑わないはずです。

※ここでは実際のエピソードをもとに、「岡本さん」と表記しましたが、本文で紹介するタレントの方々への敬称は省略いたします。

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