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10年後破綻する人、幸福な人

荻原博子/著

858円(税込)

発売日:2016/01/18

  • 新書
  • 電子書籍あり

「老後破産」から身を守れ! 資産と生活を防衛するための基礎知識。

経済や投資、貯蓄を巡る情報は増える一方だ。日本経済崩壊を唱えて「日本から脱出せよ」と警告する人もいれば、バブル再来を予言して「乗り遅れるな」と囃す人もいる。一体どうすればいいのか。東京五輪後に来る不況の正体、この先10年の資産防衛術、ハイパーインフレの可能性、年金・介護・不動産の基礎知識……家計を破綻させず、幸せな生活を送るために私たちが知っておくべき情報を整理してわかりやすく説く。

目次
まえがき
第1章 この10年間で何が起きるか
10年後の経済は、どうなっているのか?
すでに起きはじめている、東京オリンピックバブル
バブルを支える、日銀の「異次元の金融緩和」
効果が出ていない日銀の金融政策
日銀は、何を見誤っているのか
「株価好調」を支える、官製相場
バブルを延命させる、郵政上場というビッグイベント
実は、給料も「官製給料相場」になっている
「いざなみ景気」でも実感できなかった給料アップ
2020年までにやってくる、経済の2つの大きなマイナス
「2020年」が、景気の折り返し地点になる
バブル崩壊で大打撃を受けるのは、私たちのお金
ハイパーインフレは、やってくるのか?
ハイパーインフレの2つの定義
日本はジンバブエのようになるのか
借金で国が破綻し、ハイパーインフレになるのか
「60年償還ルール」を100年に延ばせば、返済額は激減する
マイナンバー制度は、徴税の「伝家の宝刀」?
意外なところにある“埋蔵金”
世界中が大金持ちだと認める日本が、“普通の国”へ
国栄えて、山河は枯れる
第2章 この10年を乗り切る資産防衛術
インフレ、バブルには、「土地」「株」が有効なのか
今回の不動産バブルは、都心限定
値上がりが続く都心の中古マンション
「割安」中古マンションには、要注意!
株は、勉強のつもりで余裕資金があるならOK
日銀のインフレ目標が達成されるなら対応策が必要か
韓国では、「持てる人」が大打撃を受けた
一番大切なのは、借金を減らすこと
住宅ローンの支払いは、最初は圧倒的に利息が多い
老後資金を貯めるより、借金返済が先
外貨預金をどう考えるか
外貨預金をするなら、ドルかユーロで
「金」は、世界中どこでも換金できる
「金」は、利息もうまないし配当もない
ファイナンシャル・プランナー任せにしない
10年の間に必要になる、家計のダウンサイジングと収入増
家計の無駄は、複数の目でチェックする
子どもが巣立てば、生命保険の保障を減らせる
教育は、子どもの意思も尊重して
無駄な電話代を見直そう
妻の働きは重要
第3章 年金目減り時代の対処法
東京オリンピック景気に便乗し、年金67歳支給か
いよいよ、マクロ経済スライドが発動された
「30年後」の年金支給額は、月18万円?
破られ続けた、年金の約束
厚生労働省のトリック
なぜ今の年金制度はリニューアルできないのか
それでも、年金はもらえる
パート加入という、その場しのぎのウルトラC
一元化でも、公務員だけはなぜか優遇される
「厚生年金保険」は、終戦の1年前に誕生
では、いったい公的年金はいくらもらえるのか
遺族年金は妻の死亡時にも出る
障害年金は、うつ病もカバーする
そもそも、入院にはそんなにお金はかからない
もらう年金額を増やす、遅くもらうという選択
付加年金でもらえる年金の上乗せをする
保険料を払えなくても年金はもらえる
なぜ個人年金はダメなのか
老後を不安にする、変額個人年金保険
第4章 「この先10年」の介護事情の基礎知識
85歳の妻に、損害賠償359万円
65歳以上の5人に1人が認知症?!
離職につながる介護休業制度
介護オバケの正体は
介護保険は、かかった費用の1割負担
本人2割負担でも、高額介護サービス費は4万円台まで
介護バブルで、事業所が淘汰される
デイサービスは、お年寄りの保育園
在宅でも、様々なサービスが受けられる
徘徊しても見つけてもらえる
高齢者の6世帯に1世帯が、金融資産4000万円以上
よいケアマネとはどんな人か
施設に入ると、いくらくらいかかるか
介護を企業がバックアップ
若い視点での介護事業も始まっている
フィットネスクラブ激増で健康管理競争勃発
明るい「老老介護」の可能性も
「10年後」に来る看護師バブル
潜在的なヘルパー人口は400万人
医学の進歩が、人を健康なまま長生きさせる
第5章 マンションを粗大ゴミにしない基礎知識
1999年を境に、マンション神話は崩壊
「家を持ったら一人前」は、団塊ジュニアまで
崩壊したマンションのサクセスストーリー
マンションの良し悪しを国が格付けする
1981年以前のマンションは要注意
待った無しのマンション老朽化
マンション事故の賠償は、住人全員の責任になる
マンションは、建て直しできるのか
建て替えには、住人の8割以上の賛成が必要
投資用マンションは、建て替えしづらい
30~40代が買ったマンションのほとんどは新耐震基準
進化するマンションのメンテナンス技術
マンションにも、塗り薬の特効薬がある
「長期修繕計画」の修繕積立金はケチらない
被災マンションに見る、住民のネットワーク
「マンション町内会」で、子どもの見守りを
リノベーションの落し穴に注意
住み替え時には「買い替え」にこだわらない
賃貸と購入で大差はない
長めのあとがき――20年後をどう迎えるか

書誌情報

読み仮名 ジュウネンゴハタンスルヒトコウフクナヒト
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 240ページ
ISBN 978-4-10-610652-1
C-CODE 0233
整理番号 652
ジャンル 倫理学・道徳、経営学・キャリア・MBA、教育・自己啓発、趣味・実用
定価 858円
電子書籍 価格 836円
電子書籍 配信開始日 2016/05/27

蘊蓄倉庫

介護オバケの正体

 生命保険文化センターが行ったアンケートによると、世帯主または配偶者の介護をするにはどのくらいの費用がかかると思いますか、という問いに対して、予想金額の平均は3285万円。5人に1人は4000万円以上かかると考えていたそうです。
 では、実際に経験した人に聞いた結果はどうだったか。実は上の平均金額よりもはるかに低く、費用の平均は約530万円だったそうです。
 備えあれば憂いなしとはいえ、私たちは実態以上に介護の負担を大きく評価して、「介護という名のオバケ」に怯えているのではないか、と経済ジャーナリストの荻原博子さんは指摘しています。
 中高年に本当に必要な情報をまとめた『10年後破綻する人、幸福な人』は、冷静にこれからの人生設計を考えるのに役立つはずです。
掲載:2016年1月25日

担当編集者のひとこと

10年後の幸福のために

「一体お金をどうすればいいのか。
 そう悲鳴を上げたくなってしまう人もいるのではないでしょうか。
 アベノミクスで株価は3万円突破だ、今がチャンスだ! と囃す雑誌があるかと思えば、日本経済はもうすぐ破綻するから資産を海外に逃がせ! と警告する識者もいます」

 今年の年明けの週刊誌の中には、「株価は急上昇する。日経平均は2万5000円になる。買いだ!」と煽っているものもありました。そのライバル誌は、「9000円になる。大暴落だ」と悲観していました。
 まだ年が明けて2週間ほどなので、どちらが正しいのかはわかりません。ただ、少なくとも「急上昇」の気配は今のところ全く無いようです。
 それぞれ経済の専門家に話を聞いて記事を書いているだろうに、なぜこんなに正反対の結論になるのか、よくわかりません。
 一つだけ確かなのは、専門家ですらこんなに意見がわかれるのだから、私自身が何かを見通せるなんて思ってはいけない、ということでしょう。
 多分、私に限らず多くの人は、別に大暴騰で大金を手にしようとか、大暴落を利用してカラ売りして儲けようといった大胆なことは考えておらず、地道に普通に暮らしていくことではないか、と思います。
 そういう人にとって、本書は心強い味方となるはずです。
 家計経済のパイオニアとして知られる荻原さんが、実にわかりやすく現在の経済状況、資産防衛術等々を解説してくれています。10年後、幸福でいるために知っておくべきお金の常識が満載の1冊です。

2016/01/25

著者プロフィール

荻原博子

オギワラ・ヒロコ

1954(昭和29)年、長野県生まれ。経済ジャーナリスト。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。経済の仕組みを生活に根ざして解説する、家計経済のパイオニアとして活躍。著書に『10年後破綻する人、幸福な人』『投資なんか、おやめなさい』『払ってはいけない』など。

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