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EU崩壊

木村正人/著

748円(税込)

発売日:2013/11/16

  • 新書
  • 電子書籍あり

国家エゴ、隠れ債務、失業、移民排斥……「大欧州」混迷の果てに――。英エコノミスト誌前編集長、ビル・エモット氏推薦!

2009年のギリシャに端を発し、もぐら叩きのように繰り返される債務危機と、「too little, too late(少なすぎるし、遅すぎる)」と評されるEU首脳たちのドタバタ劇。ドイツ、フランス、イギリスなど主要国は同床異夢で、南欧諸国の放漫ぶりに北欧との溝は深まるばかり。第二次大戦の教訓に始まる大欧州という理想像は、もはや崩壊の途にある――その歴史と、近年の混乱の本質を探る現地最新レポート。

目次
まえがき
1 ギリシャ危機は悲劇か、喜劇か
パンドラの箱が開いた/ドイツの負い目/衝撃の『グリコノミクス』/古代からの欲望民主主義/翻弄され続けた近現代/粉飾財政に手を染める/抗議の自殺の背景/新興財閥が跳梁跋扈/躍進する極右と極左/進まぬ構造改革、国外脱出
2 ドイツ、フランス、イギリスのこじれた三角関係
EUの原点/トップ交代で険悪ムードに/イギリスあってこその「独仏結婚」/歓迎されざるドイツ統一/愛憎半ばするイギリス/友好的な離婚はできるか/EU離脱の国民投票へ
3 まとめ役不在の大欧州の進路
軽すぎるEU大統領の座/EEASの存在意義に疑問符/直面する大きなトリレンマ/連邦主義か政府間主義か
4 台頭する右翼、左翼への郷愁
ノスタルジーとオスタルジー/先祖返りするハンガリー/広がる極右ポピュリズム/デンマークの愛の橋/寛容の北欧が非寛容に
5 新盟主ドイツはどこへ行く
「コールのお嬢さん」/エカテリーナ2世の肖像画/ドイツ・マルクへの郷愁/最後の砦、憲法裁判所/中国との危うい蜜月/「毒蜘蛛」か、「EUの女帝」か
6 ロシア・マネーで乱れる足並み
翳るプーチンの資源外交/隠れ家としての小国キプロス/ラトビアのしたたかな戦略/赤い過去との決別、エストニア
7 ECB・欧州中央銀行の蹉跌
「私生児」の誕生/ドイツ連銀の遺伝子/ドイツ人のようなフランス人/2人のマリオ/共通通貨の運命
8 南欧大国の没落
自由経済が肌に合わないフランス/75%もの最高税率/地味なオランドへの失望/イタリアの悪弊は改革可能か/「五つ星運動」の躍進/失墜したテクノクラート/スペインの現代版ロビン・フッド/再生可能エネルギー・モデルの破綻
9 EUの内部対立と未来
小さな欧州/メルケル・ドクトリン/「南」vs「北」/北欧に積もる南欧への不満/旧東欧圏への拒否感/加盟はバラ色の未来を意味しない/三つの収斂
あとがき
主要参考文献

書誌情報

読み仮名 イーユーホウカイ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610544-9
C-CODE 0225
整理番号 544
ジャンル 経済学・経済事情
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2014/05/23

著者プロフィール

木村正人

キムラ・マサト

1961(昭和36)年生まれ。京都大学法学部卒。産経新聞大阪社会部、東京本社政治部・外信部を経てロンドン支局長を務めた。国際政治、安全保障、欧州経済に詳しく、現在、ロンドンを拠点に国際ジャーナリストとして活動している。著書に『EU崩壊』。

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