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アベノミクスでは解決できない。会社を苦しめる「会計基準」の正体――。

日本経済を壊す 会計の呪縛

大畑伊知郎/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2013/05/17

読み仮名 ニホンケイザイヲコワスカイケイノジュバク
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 186ページ
ISBN 978-4-10-610521-0
C-CODE 0233
整理番号 521
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2013/11/15

デフレ不況の「真犯人」は、政府でも日本銀行でも少子高齢化でもない。金融ビッグバン後の「グローバル」な会計基準こそが元凶なのである。リストラの加速、大手電機メーカーの巨額赤字、相次ぐ百貨店の閉店……すべての背景には会計の「呪縛」があった。時価会計、減損会計、税効果会計等の性質と問題点を平易に解説しながら、日本的経営が破壊されるプロセスをロジカルに解き明かすスリリングな書。

著者プロフィール

大畑伊知郎 オオハタ・イチロウ

1969(昭和44)年生まれ。公認会計士。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)に入行。法人審査業務、証券管理業務等を担当。2007年公認会計士試験合格。あずさ監査法人大阪事務所勤務を経て2012年に独立。

目次

まえがき
第1章 会計基準の影響力はきわめて大きい
なぜ今、会計基準なのか/会計とは何か/会計基準の必要性/ルールとプレイヤーの関係/初めは「慣行」だった/「大根役者」はなぜ広まったか/ビジネス感覚とマッチしない/時価会計導入による影響/日本版ビッグバン/会計基準の強制力/上場廃止という社会的制裁/中小企業への影響
第2章 会計ビッグバンが不況を招いた
時価会計の導入/寿司ネタの「時価」/時価の変動による含み損益の発生/企業にとっての時価会計/目減りする自己資本/脅かされる安全性/不良債権問題と持ち合い株式/自己資本比率規制の問題/株式持ち合いの解消/税効果会計とは何か/会計と税務の違い/将来の税金費用の節約効果/資産計上と共に増える利益/資産計上の限界/消滅した節約効果/経営者にプレッシャーを与える税効果会計/V字回復というシナリオ/資産の価額切り下げによる効果/怪しいV字回復/わが国の減損会計/減損会計の仕組み/「会計基準のせい」という言い訳/百貨店閉店ラッシュの理由/ブラック企業出現の背景
第3章 日本的経営はなぜ消えていったのか
会社は誰のものか/「会社は株主のもの」への違和感/貢献度を重視する考え方/「会社は株主のもの」のジレンマ/株価を上げる経営/成長を阻害する「手っ取り早い儲け」/犠牲にされる将来の利益/JALはなぜ行き詰まった/解決困難な「会社は誰のものか」問題/安定成長を目指す日本的経営/安定株主という有難い存在/投機的株主と安定株主/「成績を上げろ」というプレッシャー/日本的経営における株主利益/株主重視の経営/会社の倒産で利ザヤ稼ぎ/モノ言うメインバンク/企業の資金調達の変化/金融政策への影響
第4章 そしてリストラが加速した
成長性重視から収益性重視の経営へ/収益性重視を促す会計基準/大手電機メーカー「巨額赤字」の本当の理由/赤字になりにくい経営/費用を下げる方法/削減される人件費/増加する非正規雇用/人件費の削減による利益の確保/フォードの教訓/クルマはなぜ売れないのか/非正規雇用の問題点/伝染する「職を失うかもしれない病」
第5章 それではどうすればいいか
景気回復のための金融政策/まず必要な会計基準の見直し/保有目的の明確化/時価会計は必要か/目に見えない投資の成果/部分的な利益の追求/狭められた経営者の裁量/見積りが招く問題点/決算書の変質/事実に転化する予測情報/予測は予測にすぎない/置き去りにされた利害調整/わかりにくい税効果会計/情報の押し売り/会計基準見直しの効果/持ち合い復活のデメリットは/見直しは可能か/2つの会計基準の自由競争/投資家は逃げない/正規雇用を促す政策/不況についての社会的合意の必要性/ルールの見直しこそが有効な処方箋
あとがき
主要参考文献

担当編集者のひとこと

ミステリーのように読めます

 私はこれまで家計簿をつけたこともなく、株式投資とも縁がありません。ほとんどの金融商品の意味がわかりません。
 そんな経済オンチなので、アベノミクスが良いか悪いかなどと言った議論についても「良い」という人の話を聞けば「そうか。良かった」と思うし、「悪い」という人の話を聞けば「そうか。そりゃ大変だ」と思うという程度です。
 当然、決算書だとか財務諸表だとかの読み方もよくわかりません。
 そんな人間でも、この『日本経済を壊す 会計の呪縛』の中味はすっきりと頭に入ってきました。「会計の素人」でもわかるように書かれているからです。
 本書では、まず会計が企業の活動に与える影響の大きさから説いていきます。
 そのうえで、現在の会計基準が日本企業をどれだけ苦しめているかを極めてロジカルに解き明かしていきます。「デフレの真犯人」は会計基準だ、という著者の仮説が次々証明されていく様は、ちょっとミステリー小説のような感じもあります。

 なぜリストラが加速したのか?
 なぜデフレが長期化するのか?
 なぜブラック企業が増えたのか?
 なぜ大手電機メーカーは巨額赤字を計上するのか?
 なぜ自動車が売れなくなったのか?
 なぜ百貨店が相次いで閉店するのか?

 さまざまな事象に「会計」が絡んでいることがわかってきます。アベノミクスだけでは、経済は好転しないということもわかってきます。
 経済が苦手という方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。

2013/05/24

蘊蓄倉庫

会計次第で赤字が黒字に!

 本書は、90年代以降にグローバル化された「会計基準」によって日本企業が苦しんでいる、ということを解き明かした本です。たとえば、ソニーの2011年3月期決算は「純損益約2600億円」の赤字となっていましたが、グローバル化前の基準で計算すると、「約1120億円の黒字」になるのです。「そんなバカな?」と思った方はぜひ実際に本書を開いてみてください。
掲載:2013年5月24日

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