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犯罪者はどこに目をつけているか

清永賢二/著 、清永奈穂/著

770円(税込)

発売日:2012/09/14

  • 新書
  • 電子書籍あり

【一家に一冊】「やられるヤツには、隙がある――」大泥棒たちの肉声から導き出す「防犯の実学」

プロの犯罪者は恐るべき観察力を備えている。彼らに特有の物の見方、考え方、そして行動パターンを知ることが防犯の鉄則なのだ。わが身、わが家、わが町を守るために普段から何を心がけ、どうすればいいのか。「やられるヤツには油断なり死角がある。自分たちはそこを突く」と語る伝説的大泥棒の実践的レッスンをふんだんに盛り込んだ異色の防犯読本。

目次
まえがき
第一章 犯罪予防の基礎知識
基礎知識その1・実学としての犯罪予防/「はずがない」を把握する/動物行動生態学の視線/現場三百回という「気」の持続/基礎知識その2・二〇〇〇年の自治法改正/古典的犯罪発生観=犯罪は異質な者が起こす/現代的犯罪発生観=割れ目が犯罪を生む/基礎知識その3・犯罪は「線」である/一般行動原理と特殊行動原理/二つの行動原理の有効範囲/基礎知識その4・犯罪行動は空間距離によって変化する/「やりやすさ」と「勘」の構造/基礎知識その5・不審者の見分け方/変な人は「似合わない」/怪しい人は「コンタクトを取ろうとする」/危ない人は「迫って来る」/警察官の見る七つの像/基礎知識その6・「やりにくくする」八つの基本手法/周緑、端が危ない/犯行地は「やりやすさ」のモデル
第二章 体の守り
基本は「自分で守る」/狙われやすい六つのタイプ/ひったくりの「カモ」/不連続な灯りは危ない/駐車場・裏通り・前兆/「たった一分」は充分な時間/20メートル前を意識せよ/「すれ違い」には相手の身長×0.8以上の間を/全力で20メートル、全身で大声を/人間の噛む力はそこらの犬より凄い/家の中での一人の守り/一人でいるという情報は出さない/無駄な暴力的抵抗は控える/一人寝に防犯ブザーを
第三章 家の守り
犯罪者は下絵師である/外観から家の内を読む力/きれいは安全に直結する/ロックは二重以上に/横手・裏手を固めよ/入りを制して出を許さず/堀から3~5メートル前で判定/堀の効果は限定的/古い家は要注意/犬は友だち、猫はやっかい/「パピプペト」の音が大嫌い/家の囲みを守る/隅を固めよ/生け垣も「守りは二重」に/家屋本体を守る/大泥棒が線を引くと……/樋は手動式エレベータ/クレセント錠が盲点に/シャッターは裏切る/玄関と「ちょい出」のスキ/屋内を守る・泥棒を騙すのは三日が限度/隠し場所はどこか/盗られて絶望する物は家に置かない/「五分」を耐える/釣り糸センサーの効能
第四章 近隣の守り
孤塁死守型と共同防御型/防犯コミュニティとは何か/防犯コミュニティの基本単位/計画的住宅街ゆえの弱点も/故郷とコミュニティの違い/ゲーテッド・コミュニティという性善空間/有責感の譲り合いが生む死角/近隣の守り・実践編/マチの守り学・Q&A/防犯カメラ、センサー、パトロールの効力
第五章 都市の守り
なぜ「都市の守り」か/平成大合併で揺らぐ都市像/全国化する都市の病理/犯罪の大都市圏集中/犯罪者は都市とその周縁を好む/狙い目は大通りから入った「四つ角・三叉路」/犯罪者が嫌う四つの理由/「都市という家」を経営する/犯罪ゼロを達成するには/科学的な犯罪管理の四課題
第六章 明日の犯罪予防へ、八つの提案
1 防犯は自分自身が主役という強い覚悟を/2 危機を乗り越える安全教育を/3 犯罪に強い市民作りを/4 犯罪に強い近隣作りを/5 犯罪者が嫌うマチ作りを/6 全国的な「防犯ボランティア資料センター」の設立を/7 安全神話を復活させるため「防犯基本法」の検討を/8 防犯対策費の目的税化を
あとがき

書誌情報

読み仮名 ハンザイシャハドコニメヲツケテイルカ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610486-2
C-CODE 0236
整理番号 486
ジャンル 社会学、事件・犯罪
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2013/03/15

著者プロフィール

清永賢二

キヨナガ・ケンジ

1943(昭和18)年生まれ。東京学芸大学大学院修了。警察庁犯罪予防研究室長を経て日本女子大学教授。著書に『大泥棒』など。

清永奈穂

キヨナガ・ナホ

1971(昭和46)年生まれ。立教大学大学院修了。ステップ総合研究所代表。共著に『犯罪からの子どもの安全を科学する』。

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