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新書で入門 漱石と鴎外

高橋昭男/著

748円(税込)

発売日:2006/08/20

  • 新書

日本人の必須教養である。二大文豪の人生と作品を知る。

日本人の必須教養、夏目漱石と森鴎外について、どこまで本当に知っていますか。「正岡子規の句会で二人は同席していた」「漱石の葬式の受付は芥川龍之介」「鴎外は女性スキャンダルで左遷された」等々。生い立ち、作品の成り立ちからトラブル、恋愛、スキャンダルまで、興味深いエピソードを辿りながら二大文豪を知る。今からでも間に合う、今だからこそ読んでおきたい大人のための教養講座。

目次
まえがき
第一章 夏目漱石の話
1 建築家と小説家を志す
夢はピラミッド建造
小説家は次点の夢
英語との出会いは十二歳
正岡子規との親交
ペンネームは間に合わせ
卒業生はたった一人
『舞姫』で子規に怒られる
2 松山で鬱憤を抱える
都落ちの原因は失恋?
松山での漱石と子規
松山を罵る
結婚式は質素の極み
夏目家の家計簿
鏡子の自殺未遂事件
3 イギリスでも日本でも苦労する
イギリス留学
エレベーター初体験
「英文学科」は無かった
独自の文学観
クレイグ先生
留守家族の生活と岳父の失脚
肩にかかる重み
帰国を待っていたもの
『ホトトギス』
排斥運動に遇う
小説家になることの無謀さ
教え子の自殺
4 猫のおかげで流行作家になる
主役の登場
タイトルは他人がつけた
影響は鴎外にまで及ぶ
『猫』の印税
命は四年
5 名作を量産する
『猫』からの解放と飛躍
四十歳の英断
最初の連載『虞美人草』で失敗
鏡子の『虞美人草』観
作品を読むにあたって
6 スキャンダルを解決する
「文学サロン」に集う優等生
心中未遂事件
作品のモデルも「木曜会」から
木曜会異色の人物
豊穣の十年と『朝日新聞』
三十分死んでいた漱石
博士号を辞退
早過ぎた死
7 死後もゴタゴタする
その後の「木曜会」
娘・筆子を巡る文学対決
漱石と精神病
第二章 森鴎外の話
1 天才少年、出世する
臨終の夢
不人気な鴎外
五歳で『論語』を素読
四書五経の重要性
年齢詐称で東大入学
陸軍に入り念願のドイツ留学
2 ドイツで研究と恋愛に盛り上がる
念願のドイツ留学
優雅な留学生活そして帰国
誤算は「脚気の細菌説」
ドイツからの「追っかけ」
舞姫事件の真相
その後のエリーゼは
エリーゼへの思い
結婚そして破局
文学に駆り立てたもの
3 スキャンダルで大変な目に会う
『舞姫』は離婚の引き金か
登志子の容姿が原因か
離婚の本当の理由
離婚が小説のネタに
4 美人妻と母の板ばさみになる
小倉での「忍」の日々
再婚
志げは超美人だった
母・峰子が強引に
憧れの美人との新婚生活
おにばばとおによめ
息子の下半身の心配
5 発禁処分を受ける
性描写で発禁に
母の死と陸軍省退官
鴎外か林太郎か
6 桃太郎をリメイクする
作品の足跡
鴎外は難しいか
最後の作品は「読む桃太郎」
なぜおとぎ話を
鴎外への賛辞
主要参考文献

書誌情報

読み仮名 シンショデニュウモンソウセキトオウガイ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610179-3
C-CODE 0295
整理番号 179
ジャンル 文学・評論、ノンフィクション
定価 748円

蘊蓄倉庫

漱石と鴎外の接点

『舞姫』に感動した漱石は、「大いに褒めたたえる内容」の手紙を友人の正岡子規に送りました。すると子規から「ああいう愚にもつかない内容の作品を褒めるとは、見損なったぞ」と怒られたそうです。もっとも、その子規の句会で、漱石と鴎外は同席したこともあります。また、漱石の葬式には鴎外も出席しました。このときの受付は芥川龍之介でした。

掲載:2006年8月25日

著者プロフィール

高橋昭男

タカハシ・アキオ

1936(昭和11)年山形県生まれ。東京電機大学卒業。工業英語翻訳家を経て、「テクニカルライティング」の専門家となり、日立製作所、NTT各研究所などで講座を持つ。成蹊大学理工学部非常勤講師。『仕事文の書き方』『大切なことは60字で書ける』など著書多数。

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