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会社は誰のものか

吉田望/著

748円(税込)

発売日:2005/06/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

大合併時代は幕を開けたばかり。会社の未来を考える。

ライブドア対フジテレビ、そして西武王国の崩壊――。日本企業が直面する数々の事態は、かくも普遍的な問いを我々に投げかける。いったい会社は誰のものなのか、と。まずは筆者が揺籃期からかかわってきたネット業界を通じて、ポスト産業資本主義の時代の会社、株主、経営者の生態を分析。株式会社のモラル・ハザードとガバナンスの歴史を振り返りながら、専門のブランド論をまじえて「新しい資本主義」の展望を語る。

目次
はじめに
第1章 ネット企業を考える
「一人勝ち」への恐怖
ウェブ制作からポータルへ
ネット証券の誕生
創業者兼大株主兼経営者
CC文化
企業買収へ向かう必然性
人材の確保という動機
カリスマ化する経営者
頭抜けた孫正義
坊主頭でも優等生・三木谷
ヒール堀江の魅力
ネット諸侯
西久保愼一の転身
カリスマ西和彦の失敗
長続きしない成功
おカネはどうでもいい
第2章 会社は誰のものか
株主主権の優勢
アメリカに倣った10年
公器としての会社
国営企業と規制緩和
近代組織としての会社
ネットワーキングの経済性
従業員組合としての会社
イエとしての会社
所有と占有
経営者のスタンス
三角ゲームの逆説
株主=最後に利益を得る人
ジョンソン・エンド・ジョンソンの社訓
第3章 「会社は化け物」と心得よ
情報格差とモラル・ハザード
南海バブル会社
財務総監のホラ話
ジャンクボンドの帝王
泥棒男爵の時代
ストック・オプションの危険性
アンダーセンの最期
確信犯のアメリカ企業
有限責任と無限責任
信任という概念
2つの義務
第4章 企業のガバナンスを考える
メインバンクから株主へ
株主の不在――規制産業
経団連○○部
世襲会社の悲劇
戦時のガバナンス
高橋亀吉の予言
現代の株主責任
経団連と総会屋
従業員の反乱
メディアの機能
第5章 新しい資本主義が始まっている
(1)持ち株会社制度が進む
(2)「人的資本」が見直される
タレント産業の最右翼
電通上場の理由
(3)社会的責任投資が論議される
篤志家としての企業
(4)ブランドの価値が高まる
ブランドと信任
(5)大企業が産業政策を代行する
(6)先祖がえりの可能性
(7)最後には志が問われる
主要参考文献

書誌情報

読み仮名 カイシャハダレノモノカ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610121-2
C-CODE 0234
整理番号 121
ジャンル ビジネス・経済、経営学・キャリア・MBA
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/10/28

蘊蓄倉庫

戦艦大和とメディア産業

 ライブドアによるニッポン放送買収騒動などを機に、「会社は誰のものか」という問題は一気に身近なものとなりました。筆者は電通時代に手がけたブランドとネット産業の研究と、その後の経営者・社外取締役という自らの経験に基づいた独自の視点で、この問題に挑みます。
 ちなみに著者の父は、『戦艦大和ノ最期』を著した吉田満氏。筆者は「メディア産業」と自らの関係を、「戦艦大和」と亡父の関係にもなぞらえてもいます。戦後60年ということで、大和や満氏関連の書籍の出版も相次ぐなか、なんともタイムリーな刊行となりました。

掲載:2005年6月24日

著者プロフィール

吉田望

ヨシダ・ノゾム

1956(昭和31)年東京生まれ。東京大学工学部卒、慶應義塾大学大学院経営学修士。1980年電通入社、2000年に退社後、ノゾムドットネットを設立。スカイマークエアラインズほか数社の役員。著書に『ブランド』(共著)など。父は『戦艦大和ノ最期』の著者・吉田満。

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