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逃げず、怖れず、考えた最終解答。

死の壁

養老孟司/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2004/04/20

読み仮名 シノカベ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 190ページ
ISBN 978-4-10-610061-1
C-CODE 0210
整理番号 61
ジャンル 哲学・思想
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2008/04/11

ガンやSARSで騒ぐことはない。そもそも人間の死亡率は100%なのだから――。誰も必ず通る道でありながら、目をそむけてしまう「死」の問題。死といかに向きあうべきか。なぜ人を殺してはいけないのか。生と死の境目はどこにあるのか。イラク戦争と大学紛争の関連性とは。死にまつわるさまざまなテーマを通じて、現代人が生きていくための知恵を考える。『バカの壁』に続く養老孟司の新潮新書第二弾。

著者プロフィール

養老孟司 ヨウロウ・タケシ

1937(昭和12)年、鎌倉生れ。解剖学者。東京大学医学部卒。東京大学名誉教授。心の問題や社会現象を、脳科学や解剖学などの知識を交えながら解説し、多くの読者を得た。1989(平成元)年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。新潮新書『バカの壁』は大ヒットし2003年のベストセラー第1位、また新語・流行語大賞、毎日出版文化賞特別賞を受賞した。大の虫好きとして知られ、昆虫採集・標本作成を続けている。『唯脳論』『身体の文学史』『手入れという思想』『遺言。』『半分生きて、半分死んでいる』など著書多数。

目次

序 章 『バカの壁』の向こう側
どうすればいいんでしょうか
わからないから面白い
人生の最終解答
人が死なない団地
第一章 なぜ人を殺してはいけないのか
中国の有人宇宙船は快挙か
殺すのは簡単
あともどりできない
ブータンのお爺さん
二度と作れないもの
人間中心主義の危うさ
第二章 不死の病
不死身の人
魂の消滅
「俺は俺」の矛盾
「本当の自分」は無敵の論理
死ねない
死とウンコ
身体が消えた
裸の都市ギリシャ
死が身近だった中世
死の文化
葬式の人間模様
実感がない
宅間守の怖さ
派出所の不遜
ゲームの中の死体
第三章 生死の境目
生とは何か
診断書は無関係
境界はあいまい
生の定義
クエン酸回路
システムの連鎖
去年の「私」は別人
絶対死んでいる人
生きている骨
判定基準
誰が患者を殺したか
規定は不可能
第四章 死体の人称
死体とは何か
一人称の死体
二人称の死体
三人称の死体
モノではない
解剖が出来なくなった頃
第五章 死体は仲間はずれ
清めの塩の意味
なぜ戒名は必要か
人非人とは何者か
江戸の差別問題
この世はメンバーズクラブ
脱会の方法
「間引き」は入会審査
ベトちゃん、ドクちゃんが日本にいない理由
第六章 脳死と村八分
脳死という脱会
村八分は全員一致で
イラン人の火葬
靖国問題の根本
死刑という村八分
臓器移植法の不思議
「人は人」である
大学も村
ケネディは裏口入学か
第七章 テロ・戦争・大学紛争
戦争と原理主義
正義の押し付けがましさ
戦争で人減らし
学生運動は就職活動
反権力と反体制
敗軍の将の弁
軍国主義者は戦争を知らない
イラクの知人
国益とは何か
ものつくりという戦争
第八章 安楽死とエリート
安楽死は苦しい
エリートは加害者
産婆の背負う重荷
つきまとう重荷
エリートの消滅
銀の心臓ケース
解剖は誰がやったのか
天の道、人の道
ルールの明文化
人命尊重の範囲
役所の書類が多い理由
自分への恐怖
解剖教室の花
終 章 死と人事異動
死の恐怖は存在しない
考えても無駄
老醜とは何か
悩むのは当たり前
慌てるな
父の死
挨拶が苦手な理由
死の効用
ただのオリンピック
生き残った者の課題
日々回復不能

関連書籍

担当編集者のひとこと

不死の病

 新潮新書は、通常、発売の三カ月前には原稿を入稿することになっています。さらに発売の一カ月前には、校了になってしまいます。要するに、雑誌のように、発売数日前の情報を盛り込むということは、出来ません。
 それでも、本に書かれていることが驚くほど、その後に報じられるニュースと関連しているように感じることがあります。
『死の壁』の発売の少し前に、イラクで日本人が拉致されるという事件が起きました。拉致された方々のイラク入りの動機や現地での行動については、様々な意見、批判が出ていたので、ここでは触れません。ただ、『死の壁』のなかのこんな一節を思い出しました。「人は自分のことを死なないと勘違いするようになりました。そんなことはない、と仰るかもしれません。(中略)人間が死ぬということが知識としてはわかっていても、実際にはわかっていないのです。」
 これは第二章「不死の病」の冒頭の文章です。
「彼ら」にぴったり当てはまるでしょう、といって嘲笑したいわけではありません。自分自身のことを考えても、ぴったり当てはまるなあ、と思うのです。
 私は「死」どころか身体のこともきちんと考えていないような気がします。健康診断の結果が来たときにだけ、殊勝な気持ちになっているような気がします。
『死の壁』は、そんなふうに多くの現代人がついつい、目を向けないようにしている「死」というテーマをさまざまな角度から考えている本です。暗い話みたいに思われるかもしれませんが、そんなことはありません。『バカの壁』同様、養老さんの語り口はどこかユーモラスで、決して深刻ではありません。
 そして読み終わると、きっと少し気が楽になっているはずです。

2004年4月刊より

2004/04/20

蘊蓄倉庫

ブータンの水玉模様

 養老孟司さんがブータンに旅行したときの話です。ある日、食堂に入ると遠めには水玉模様になっているテーブルがありました。近づくと、その模様が一斉に飛び立ちました。水玉模様の正体は、大量のハエだったのです。さて、そこで食事をしている地元の人のビールにハエが入ってしまいました。どうするのかと見ていると、その人は、そっとそのハエを摘まんで逃がしてあげたのです。そして養老さんのほうを見て「お前の爺さんだったかもしれないからな」と言って笑ったのだそうです。『死の壁』のなかでは、このエピソードをもとに、養老さんは「なぜ人を殺してはいけないのか」についてわかりやすく説いています。
掲載:2004年4月23日

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