
高峰秀子 夫婦の流儀
1,760円(税込)
発売日:2012/11/22
読み仮名 | タカミネヒデコフウフノリュウギ |
---|---|
シリーズ名 | とんぼの本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | B5判変型 |
頁数 | 126ページ |
ISBN | 978-4-10-602237-1 |
C-CODE | 0395 |
ジャンル | 演劇・舞台、タレント本 |
定価 | 1,760円 |
互いの仕事に口出ししない、相手の時間を奪わない――。
大女優の唯一の望みは「結婚」だった。収入、食事、喧嘩、子供、老いなど10のテーマで解き明かす、稀有な夫婦の物語。互いの領域を侵さない。相手に凭れない。甘ったれない……。本当の愛情や幸せとは何なのか、気づかされる。秘話、秘蔵写真や高峰、松山による結婚論、愛情論、夫妻の対話など、単行本未収録の貴重なエッセイも満載。
2 収入
3 住居
4 食事
5 子供
6 喧嘩
7 趣味
8 礼儀
9 時間
10 老い
◆私の妻の名は高峰秀子
◆私はパリで結婚を拾った
家財道具を整理し、家も縮小して。
思い出だけは持ち運び自由だもの
カメオ
腕時計
〈父から娘へ〉
指輪
文鎮
ペン皿
〈母から娘へ〉
指輪
ネックレス
バスタブのおもちゃ
Tシャツ
ワンピース
〈夫婦から娘へ〉
指輪
ご祝儀
担当編集者のひとこと
かたや出演料一本100万円の今をときめく大女優、かたや月給2万5000円也の青年助監督(註・昭和30年当時)。そんな二人が永遠の愛を誓って結婚したって、やっぱ普通はうまくいかないでしょう。くっついちゃあ別れ……の芸能人なんて、ざら。
ところが高峰秀子と松山善三の場合は違いました。
高峰さん「女優商売なんてしょせんは浮草稼業。やがて私が単なるお婆さんになったときは、あなたが働いて私を養ってください」
松山氏「ハイ。分りました」
最初に交わしたたった一つの“約束”を、松山さんはきちんと守りました。
そして、互いの仕事に口出しをしない。相手の時間を奪わない。
これが、二人が55年間貫いた流儀。
つまり、夫は夫、妻は妻。あんたはあんた、わたしはわたし。だらしなく相手に甘えない。凭れない。人のせいにしない。ほんとうの「大人」同士の間柄。
書けば簡単そうだけど、なかなかできませんよね、これは。毎日顔を合わせて暮らしてるんだから、甘えは出る、礼儀どころか感謝の気持ちさえ忘れる……おおむね、だらしなくなりますね。
じゃあいったい、どうしたら高峰さんと松山さんのような夫婦になれるのよ?お若い方も、ぜひ本書を読んでみてください。
収入、食事、子供、喧嘩、老いなど、夫婦にとって避けられない普遍的な10のテーマから、この稀有な夫妻の「やり方」を解き明かしていきます。本当の愛情や幸せとは何か。夫婦とは何か。ヒントがいっぱい詰まっていますので、たまには夫婦のこともじっくり考えてみてくださいね。
秘話や秘蔵アルバム、高峰さんと松山さんによる結婚論、愛情論など単行本未収録の貴重なエッセイも満載です。
それから、ちょっとだけ隠し玉的なお楽しみも本書にあります。
前作『高峰秀子 暮しの流儀』で紹介した高峰さんが晩年愛した猫ちゃん(ノラとタマ)が、この新刊書でも、ひそかに協力してくれています。
見つけてみてください。
最後に、本書には載せられなかったのですが、私の好きな高峰さんの言葉をひとつ。
「私は、結婚生活と女優は絶対に両立しないと思っている。結婚も女優もパーフェクトにやれるほど、結婚も女優も甘く出来てはいないからである」(『瓶の中』より)
2012/11/22
まとめテーマでくくる 本選びのヒント
著者プロフィール
斎藤明美
サイトウ・アケミ
1956年、高知県生まれ。津田塾大学卒業。高校教師、テレビ構成作家を経て、「週刊文春」の記者を二十年務める。1999年、初の小説「青々と」で第十回日本海文学大賞奨励賞受賞。2009年、松山善三・高峰秀子夫妻の養女となる。著書に『高峰秀子の捨てられない荷物』『最後の日本人』『家の履歴書(全3巻)』『高峰秀子の流儀』『高峰秀子との仕事1・2』など。