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伊丹十三の映画

「考える人」編集部/編

3,630円(税込)

発売日:2007/05/25

  • 書籍

「お葬式」「マルサの女」などのヒット映画は、どのようにして作られたのか?

ノンフィクション作家を凌ぐ取材調査。ハリウッド映画文法を徹底分析した知性。不要なト書きのない完璧な台本。カメラアングルをモニターで確認する新手法。台詞の言い替えを許さない演出。小道具、衣装へのこだわり。特撮への挑戦。五十一歳で満を持して映画監督になった伊丹十三が、役者、スタッフ、関係者の熱い証言で蘇る。

目次
interview 1
伊丹映画はこうして始まった
伊丹プロダクション社長・玉置泰インタビュー
interview 2
屋台骨! 伊丹映画を支えたベテランたち 俳優インタビュー1
僕は「『お葬式』には伊丹十三のすべてがある」と思う。――山崎努
一番可愛がってもらったのはこの津川雅彦をおいて他にはいないと思ってる。――津川雅彦
心遣いの深い大変な紳士でした。――大滝秀治
日本人という枠に収まらない、博識な国際人でした。――菅井きん
見事に死体を演じてやろうって心を決めました。――奥村公延
伊丹さんのような演出をする人はあまりいないような気がします。――小林桂樹
彼がサラリーマン監督だったら、社会問題の核心をつく映画は、到底創れなかった。――宝田明
interview 3
大抜擢! 伊丹映画から飛び出したスターたち 俳優インタビュー2
真剣に遊んで映画を撮る。ああ、これこそ伊丹組だなって思いました。――役所広司
伊丹映画は私にとって、大事な原点なんです。――大地康雄
ディテールの台詞まで決しておろそかにしない。それが伊丹さんの美学。――益岡徹
「俺にしかわからないだろう、この演出は」というような演出をしてくれた。――村田雄浩
伊丹監督が俺のあげまんなんです。「伊丹監督とやるたび、いつも超興奮しました」(笑)。――六平直政
リアルをどうリアリティのあるものにするか……そのさじ加減が絶妙だった。――伊集院光
interview 4
伊丹映画を支えた熟練たち スタッフインタビュー1
とにかくいつも、とことんまでものを考えている人だった。――【撮影】前田米造
初監督にしては現場での姿は堂々としたものでした。――【記録】堀北昌子
どこをどう切っても伊丹組の画になるんです。――【編集】鈴木晄
伊丹映画の俳優は、本当に個性派ぞろい。――【キャスティング】笹岡幸三郎
無理な要求をされても、一つも嫌な気がしないのが不思議でした。――【美術】中村州志
老舗割烹の料理人と味にうるさい客の対決みたいなもの。――【音楽プロデューサー】立川直樹
伊丹さんはとにかく普通が嫌いなんですよ。――【プロデューサー】川崎隆
弔辞。一九九六・一一・一六(プロデューサー・細越省吾氏の告別式にて)――伊丹十三
interview 5
伊丹映画の細部へのこだわりを実現させた人々 スタッフインタビュー2
衣装合わせは本当に監督との勝負なんです。――【スタイリスト】小合惠美子
人となりが髪型で出るんです。さすがだなと勉強させてもらいました。――【メイク】小沼みどり
とにかくさりげなくリアルじゃないと伊丹さんは納得しない。――【特殊メイク】江川悦子
日本映画がどん底のころに、伊丹さんと一緒に仕事ができたのは大きかった。――【デジタル合成】島村達雄
「嘘にならない面白さって何だろうね」、その言葉が印象に残っています。――【技斗】高瀬将嗣
きっと根本的なところで伊丹さんの影響を受けているんでしょう。――【メイキング】周防正行
table talk
われら伊丹組助監督! 「伊丹組」助監督座談会
監督・伊丹十三の望みに応えるのが醍醐味だった。――久保田延廣・当摩寿史・中嶋竹彦
interview 6
異業種からの才能が伊丹映画を分厚くリアルにした スタッフインタビュー3
伊丹さんがオムライスを作るのがうまいのは当たり前(笑)。――【フードコーディネイター】石森いづみ
私のスッポンを一番多く食べてくださったのは伊丹さん。――【料理人】松本庄平
突然「『あげまん』という言葉を知っていますか?」と連絡があったんです。――【舞踊監修】猿若清三郎
本当に自然な形で劇中の人物を踊らせるんです。――【振付】宮崎渥巳
台本の題字まで自分でレタリングする監督は、伊丹さん以外いない。――【グラフィックデザイン】佐村憲一
伊丹さんがこだわるから、毎回本一冊編集するぐらい苦労しました。――【プログラム編集】荒井敏由紀
上手に話を引き出す才能を、映画にもいかんなく発揮できた。――【書籍編集】新井信
review
伊丹映画とはなんだったのか
岸田秀による「伊丹映画」論
interview 7
事務方だって大変だ! スタッフインタビュー4
日本映画界に風穴を開けて、疾風のように駆け抜けていった。――【東宝調整部】高井英幸
日本の映画界を変えたいという気持ちを常に持っていらした。――【東宝宣伝部】中川敬
海外で映画を撮りたいというのはかなり本気だったと思います。――【字幕翻訳】横山眞理子
監督が日本人だということは関係なかったかもしれない。――【通訳】ベス・ケーリ
伊丹作品の根底には常に「日本人論」というテーマが一貫して流れています。――【デスク】吉川次郎
interview 8
伊丹十三ロングインタビュー
われわれは映画を半分しか作れない
letter
主演女優と妻の目から見た伊丹監督
宮本信子から伊丹十三への手紙
filmography
伊丹十三監督作品
review from abroad
海外の伊丹映画評
ポーリン・ケイル、ビンセント・キャンビーほか

書誌情報

読み仮名 イタミジュウゾウノエイガ
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 272ページ
ISBN 978-4-10-474902-7
C-CODE 0095
ジャンル 演劇・舞台、映画
定価 3,630円

著者プロフィール

「考える人」編集部

カンガエルヒトヘンシュウブ

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