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生態写真集 キタリス

竹田津実/著

3,630円(税込)

発売日:2019/09/26

  • 書籍

“森の獣医さん”と“元患者”との不思議な友情から物語は始まった――。

「気がつくと、キタリスの世界や気持ちが少し解るようになっていた」……傷ついた野生動物を治療して森に帰す獣医師が、退院していった“元患”とその仲間たちとの触れ合いの中でとらえた、愛らしくもたくましい野生の姿。リスたちの知られざる生態を見続けた十余年の日々を、四季折々の美しい風景の中で綴る、北の森の報告書。

書誌情報

読み仮名 セイタイシャシンシュウキタリス
装幀 三村淳/ブックデザイン
発行形態 書籍
判型 A5判横型
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-447303-8
C-CODE 0072
ジャンル 写真集・写真家、画家・写真家・建築家
定価 3,630円

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担当編集者のひとこと

リスと友になった獣医師の物語

 傷ついた動物を治療して野生に返す“森の獣医さん”竹田津実先生の最新作。今回はキタリス(エゾリス)が主人公です。退院後も続いた“元患者”のリスと獣医師のとの間に芽生えた不思議な友情から、物語は始まります。
 野生動物を撮影する写真家はたくさんいますが、獣医師と“元患”という立場が生み出す独特な距離感と親密さは、他の人にはどうしても真似できない視点です。ペットのような従属の関係でもなく、森の住人として、もっというなら気心の知れた“友”として、お互いの存在を認め合っているからこそ撮れた野生の物語が、“リス語”で語りかけるようなテキストを添えて、四季折々の北海道の森の風景の中で繰り広げられます。
「みんながあんまりカワイイと言うから、かわいくない写真ばかり選んだんだ」と先生はおっしゃいますが、登場するリスたちの表情は本当に愛らしい。だけど、かわいいばかりではありません。
「生態写真集」と銘打っているとおり、採餌、巣作り、恋、出産、子育て、旅立ち、そして別れまで、知られざるリスたちの野生の姿を、十余年にわたって見守り続けた、北の森の“観察記”でもあります。『子ぎつねヘレンがのこしたもの』などキタキツネの物語で知られる獣医師が、もうひとつ、大切にしてきたライフワークが「キタリス」、その完結編です。

波 2019年10月号より

2019/09/27

著者プロフィール

竹田津実

タケタヅ・ミノル

1937年大分県生まれ。岐阜大学農学部獣医学科卒業。野生動物にあこがれて、1963年、北海道斜里郡小清水町農業共済組合・家畜診療所に獣医師として赴任。1991年に退職。1966年からキタキツネの生態調査を始め、1972年より傷ついた野生動物の保護、治療、リハビリに無償で取り組む。その傍らで、映画「キタキツネ物語」の企画・動物監督をはじめ、テレビの動物番組の監督などを手がけながら、写真家、エッセイストとしても活躍。2006年、著書『子ぎつねヘレンがのこしたもの』(偕成社)が「子ぎつねヘレン」として映画化された。主な著書に、写真集『恋文 ぼくときつねの物語』(アリス館)、『えぞ王国一写真北海道動物記―』(新潮社)、『オホーツクの十二か月』『キタキツネの十二か月』(共に福音館書店)、絵本『どうぶつさいばん ライオンのしごと』(共著、偕成社)、『野生からの伝言』(集英社)、『キタリス・ウーと森のお医者さん』(PHP研究所)など、写真集、エッセイ、絵本のテキストに多数の仕事がある。

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