ホーム > 書籍詳細:明石家さんまヒストリー1 1955~1981 「明石家さんま」の誕生

明石家さんまヒストリー1 1955~1981 「明石家さんま」の誕生

エムカク/著

1,980円(税込)

発売日:2020/11/17

  • 書籍
  • 電子書籍あり

生まれた時から、ずっと面白い! 「国民的芸人」の歴史を辿るシリーズ第一弾。

少年時代から落語界入門、大阪での活躍、「ひょうきん族」スタートまで、若き日の明石家さんまの“歴史”を、本人の発言や膨大な資料をもとに克明に記録。師匠のもとで芸を磨き、芸人仲間と切磋琢磨しながら順調にスターの階段をのぼる一方で、芸を捨てる覚悟をした大恋愛、ブレイク前夜の挫折など、苦くも充実した“青春時代”の姿を浮かび上がらせる。人生を「明石家さんま研究」に捧げた男による、渾身のデビュー作!

目次
まえがき
プロローグ――杉本高文18歳
師匠との出会い/弟子入り
I.原点――1955~74年の杉本高文
実母の死と「奈良の三バカ大将」/笑いに目覚める/「アーアーズ」を結成/親友・大西康雄/人生で一番ウケた日/奈良商のヒーロー
【コラム1】笑いとともに成長した少年時代
II.入門――1974~75年の笑福亭さんま
弟子修業/島田紳助との出会い/鶴瓶の大判焼き/その名は「笑福亭さんま」/異例のスピードデビュー/落語デビュー/芸をとるか、愛をとるか/東京へ逃げる/伝説のアルバイト/行き詰まり
III.再起――1975年の明石家さんま
別れの手紙/師匠との再会/「明石家さんま」の誕生/紳助との再会/どうすれば楽しくなるか/やしきたかじんと「グッド・バイ・マイ・ラブ」/森啓二とのナンパ/師匠の酒ぐせ
【コラム2】最高の師弟
IV.研鑽――1976年の明石家さんま
テレビデビュー/横山やすしとのハード・デイズ・ナイト/年季明け/第一久寿川荘(タンポポ荘)/紳助との直営業/2階席で笑う関根勤/大須演芸場での発見/水中縄抜けショー/小禄との漫才/窮地を救った巨人のエース・小林繁/さんまとのりお/忘れじの高島屋の香り/同期の“巨人”/大みそかの不完全燃焼
【コラム3】記念すべきテレビデビュー
V.覚悟――1977年の明石家さんま
念願の『ヤングおー!おー!』に初出演/まぼろしの「アトム・スリム」/“紳竜”結成を仲介/突然の交代劇/「ビールス7」結成/桂三枝のありがたい説教/芸人仲間と花月の楽屋
【コラム4】ピン芸人としての覚悟
【1977年の明石家さんま活動記録】
VI.刺激――1978年の明石家さんま
刺激的な日々/『MBSヤングタウン』/再びの小林繁/「さんま&大阪スペシャル」
【コラム5】桂三枝の指導
【1978年の明石家さんま活動記録】
VII.進撃――1979年の明石家さんま
初の冠番組と単独ライブ/落語から距離を置く/ヒートアップするさんま人気/歌手デビュー/『オールナイトニッポン』がスタート/“音痴”を演出/レギュラー14本で己の限界を知る/「音一ファンクラブ」/三枝からのバトン
【コラム6】第一次黄金期――ふたつの“決別”
【1979年の明石家さんま活動記録】
VIII.追走――1980年の明石家さんま
三枝二世/漫才ブーム/「10万人のファンよりひとりのエッチ」/桑田佳祐と「西の郷ひろみ」/漫才ブームにくらいつく/「さんま&アベレージ」結成/松田聖子とツーショット/吉本興業の東京進出/さんまvs.小朝/『笑ってる場合ですよ!』と『天皇の料理番』/落語家をやめる
【コラム7】漫才ブームの嵐の中で
【1980年の明石家さんま活動記録】
IX.誕生――1981年の明石家さんま
同期との切磋琢磨/憧れの大原麗子と初共演/『ヤングおー!おー!』と『花の駐在さん』を引き継ぐ/『オレたちひょうきん族』がスタート/創作落語/『いくつもの夜を越えて』/『オレたちひょうきん族』のレギュラー化/田原俊彦とのデッドヒート/漫才ブームの終焉/初のスキャンダルの影響/ブラックデビルの誕生
【コラム8】大阪から東京へ
【1981年の明石家さんま活動記録】

書誌情報

読み仮名 アカシヤサンマヒストリー011955~1981アカシヤサンマノタンジョウ
装幀 新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 432ページ
ISBN 978-4-10-353781-6
C-CODE 0095
ジャンル ノンフィクション
定価 1,980円
電子書籍 価格 1,980円
電子書籍 配信開始日 2020/11/17

書評

日本一有名な芸人の日本一深い評伝

水道橋博士

 2ヶ月連続の書評になる。先月に続き、この本もまた僕が主宰するメールマガジン「水道橋博士のメルマ旬報」の長期連載を書籍化したものである。
 本書は、日本一有名な芸人を日本一深く研究する偏執狂マニアが描く、現在進行形で唯一無二、前代未聞のシリーズ評伝本の一巻目である。
 著者との出会いは2013年になる。大阪で僕の新著のサイン会を開催した際に「ツイッターでフォローしていただいているエムカクです」と突如現れた。「エムカク」とは、当時、マニアックな明石家さんま情報だけを大量に呟く謎のアカウントで、個人情報は一切なく、年齢不詳、正体不明、しかし、詳細を極めるその記述に、本人説/関係者説/複数人説などいろいろ憶測があった。しかし、ここで実在する青年であることが判明。しかも、僕が本の販促用に配っていた「水道橋博士年表」を手にして「僕もこの年表を参考にして明石家さんま年表を作りたいです」との申し出を受け、すぐに連載陣に加入してもらった。
 それから7年間、あまりにも膨大な文字量の「明石家さんまヒストリー」が次々と綴られ、しかも、その超ド級の面白さに毎回、圧倒されることになる。
 もともと著者は、1996年3月23日、さんまさんが「言っときましょう。私は、しゃべる商売なんですよ。本を売る商売じゃないんですよ。しゃべって伝えられる間は、できる限りしゃべりたい。本で自分の気持ちを訴えるほど、俺はヤワじゃない」とのラジオ発言を聞き、真の意味で“啓示”を受け、使命感と共に20年以上にわたって、世間への公表を前提としないまま、テレビ・ラジオ・雑誌・舞台などのさんま発言を、過去に遡りながらノートに残し続けていたのだ。後に僕もノートの実物を見たが、メモ書きではなく、綺麗な楷書の手書きで、日付ごとに整理整頓され、冊数も100冊を超えており、一種、アウトサイダーアート的な凄みと狂気を感じた。
 また、連載開始と共に、著者を囲み、在阪のさんま研究の好事家が集まるライブ企画が何度も催され、新たな事実発掘、ウラ取りは、年表の完全版に随時補足されていった。
 その取材は、さんまさん本人にも及んでおり、大阪から東京の移動日に、新幹線の新大阪―京都間のみの同席を許され、年表の不明部分にピンポイントで質問を当てている。更には半世紀近く前の寄席の香盤表やラテ欄を確認、網羅するまでの拘り、執着は、もはや、学術研究の域であった。
 書籍化の打診は早くより多くの出版社からあったが、難航した。とにかく、さんまさん本人が現役の超売れっ子であり、追いつくことがない、終わりの見えない作業である。しかも、これまでに書かれた文字数だけでも書籍は2千ページ以上にはなるだろう。
 最終的に、新潮社の編集者がシリーズ化のアイデアを提案、なによりも、さんまさん本人から書籍化の許可を得たことが最大の転機となった。
 連載はテレビ関係者の目にも留まった。本書にある高校生時代の「人生で一番ウケた日」「奈良商のヒーロー」、そして弟子修行をやめ、東京へ彼女と駆け落ちした「芸をとるか、愛をとるか」などなどの逸話は、日本テレビ「誰も知らない明石家さんま」特番でドラマ化もされている。なんと、著者は、この連載により番組にリサーチャーとして起用されたのだ。
 本書はまず1955年の生誕から1981年の東京進出までが描かれる。著者の視点は極力挟まず、基本、さんまさんの発言、回想を繋いでいく手法だが、どこを読んでも滅法面白い(なにしろ、主人公が日本一の語り手なのだから)。
 芸人以前、杉本高文の黄金のようにキラキラと輝く高校時代は胸が熱くなる。濃厚な師弟関係の一途さ、凜とした美しさにはため息をつく。芸論としても、同期のライバル・島田紳助との交流は、天才の最高の対比であり、掛け合いだ。昭和の吉本の楽屋風景に郷愁を駆りたてられ、全国区のタレントとして独り立ちしていくのと並行してお笑いの地位が上がっていく変遷も芸能史として資料価値が高い。そして1980年の漫才ブームの台風に襲われながらもピン芸人として生き残り東京進出へ。いよいよ、これから「大竹しのぶとの出会い」「ビッグ3誕生」「盟友・木村拓哉」などが描かれていくだろう。
 当然、読後、一刻も早く続編を読みたくなる。
 最後に本書の第二巻目が予告されている。そこには「1982~1985」と付記されている。二巻目で1985年まで? 目を疑った。新潮社は、塩野七生ローマ人の物語』(単行本で15巻、文庫で43巻)を覚悟しているのか?
 2020年、サンマの漁獲量は過去最低を更新したが、新潮社はこの一冊で、脂の乗った“さんま”の豊漁になるのは間違いない。

(すいどうばしはかせ 芸人)
波 2020年12月号より
単行本刊行時掲載

著者プロフィール

エムカク

エムカク

1973年福岡県生まれ、大阪府在住。明石家さんま研究家、ライター。1996年より「明石家さんま研究」を開始。以降、ラジオやテレビ、雑誌などでの明石家さんまの発言をすべて記録し始める。その活動が水道橋博士の目に留まり、2013年9月10日より「水道橋博士の『メルマ旬報』」で連載「明石家さんまヒストリー」をスタート。莫大な愛情と執念によって記録されたその内容は、すでに業界の内外で話題を呼んでいる。日本テレビ「誰も知らない明石家さんま」など、テレビ特番のリサーチャーも務める。2020年、デビュー作『明石家さんまヒストリー1 1955〜1981「明石家さんま」の誕生』を上梓。Twitter:@m_kac/YouTubeチャンネル:エムカクノート

関連書籍

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

感想を送る

新刊お知らせメール

エムカク
登録

書籍の分類