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私、失敗ばかりなので―へこたれない仕事術―

内山聖子/著

1,430円(税込)

発売日:2019/10/17

  • 書籍
  • 電子書籍あり

「やらかした……」と、落ち込んでも大丈夫。その経験があとで効く!

大人気ドラマ『ドクターX』を生み出したヒットメーカーは、実はダメダメ社会人だった! ドラマをつくりたいのに、秘書室に配属? 制作現場に異動したら、初プロデュース作品が打ち切り……。でも、全てヒットを生むために必要だった。体当たりの失敗とムダの連続で身につけた、仕事のルールを語る。失敗エピソード満載!

目次
はじめに
第1章 「好き」をあきらめない
仕事選びは、「面白そうかどうか」で決める
ダメ元の記念受験でも、真剣勝負で奇跡が起きる
苦手な仕事をすると、やりたいことが見えてくる
「絶対無理!」と思った経験もムダにはならない
運がいい人はチャンスをつかむ準備をしている
1ミリでも「好き」を見つけたら扉が開く
言うのはタダ。わがままは言ったもん勝ち!
「可能性ゼロ」以外は実現できると思っていい
考え方次第で、マイナスをプラスのエネルギーに変える
第2章 味方を増やす
困った時は、現場の人に会いに行く
美味しい料理とお酒の力を借りてもよし
「見習い」ほど便利な肩書きはない
信頼関係で自信が持てる、居場所ができる
ガマンの限界を超えたら、「怒り」で風向きを変える!
コンプレックスは最強の武器になる
大切なのは、上の人より下の人たち
込み入った話は「マンツーマン」で
自慢話はすればするほど逆効果
第3章 失敗するが勝ち!
失敗したら、真っ先にやるべきこと
仕事で涙を見せたら損
信頼されるのは、言い訳をしない人
蕎麦を食べたい人にトンカツを出すな!
組織で個人プレーをするとレッドカード
鈍感力でメンタルを鍛える
早く傷ついてドーンと落ち込む方がマシ
他人の不幸は蜜の味。失敗した時に人は試される
気の緩みは「甘え」に出る
キャリアプランはいらない
失敗するほど楽になる
第4章 本音で向きあう
嘘もお世辞も言わない方がいい
感動のアンテナを敏感にしよう
期待外れの仕事はゴミ箱に捨ててよし!
本音を言ってくれる人が最高のパートナー
ぶつかり合いこそ醍醐味
「ほめ言葉」は意外な落とし穴
それは、あなたの言葉ですか?
こじれた時は「仕事ファースト」で解決する
嫌いな人には、自分も嫌われている
自分軸だけは、何があっても手離さない!
本音とやりたいことをかけ算する
他人にハンドルを渡しちゃダメ
第5章 ヒットの種を見つける
街中に出て生の声を拾う
起きている間は常にインプット
自分の役割は「心の中継点」
「マイナス面」に人を動かす力がある
使えるものはとことん使い倒す!
話し相手がポロッと洩らす本心を見逃さない
自分一人だけでヒット作は生まれない
寄り道、回り道で企画は磨かれる
いい企画は時限爆弾のように爆発する
言葉の怖さを知る
キャッチコピーの極意
第6章 成功体験はすぐ捨てる
成功から学ぶことはない
大人になんて、ならない方がいい
経験にしばられると、感動から遠ざかる
成功をアップデートして新しいものを生み出す
神輿に担がれて調子に乗るアホになるな
クリエイターは飽きっぽい方がいい
責任感で自分を追いつめない
答えを決めるのは自分じゃない
成功も失敗も、健康あってこそ
一人の時間でどれだけ充電できるか
第7章 すべては「自分」から始まる
フィクションは心の逃げ場
事実の中に小さな一滴の嘘を
どんどん変わる人生を、へこたれずに楽しむ
才能に囲まれて仕事ができる幸せを忘れるな
「素人目線」が一番の強みになる
仕事も人生も、主人公は自分
おわりに

書誌情報

読み仮名 ワタシシッパイバカリナノデヘコタレナイシゴトジュツ
装幀 fancomi/装画、新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-352931-6
C-CODE 0095
ジャンル 女性と仕事
定価 1,430円
電子書籍 価格 1,430円
電子書籍 配信開始日 2019/11/08

書評

働く人の背中を押してくれる一冊

宇賀なつみ

 内山さんとは、テレビ朝日時代に何度かお仕事をご一緒させていただきました。“局内初の女性ドラマプロデューサー”なので「バリッとした男性っぽい方なのかな」と思っていたのですが、実際の内山さんは、優しくて内面の柔らかさがにじみ出た、魅力的な方なんです。
 内山さんが手がけたドラマは、「ガラスの仮面」を始め、いくつも見てきました。2004年の米倉涼子さん主演の「黒革の手帖」は、原作もドラマも大好きです。「ドクターX」の主人公・大門未知子はフリーランスの医師。どこにも属さないって、とても自由な一方、何があっても誰のせいにもできない怖さがあります。それでも彼女は一人で自分の信じる道を歩む。私も、会社を辞めて「独立」という挑戦をしようと思ったのには、未知子の影響があるかもしれません。内山さんは、いつもドラマを通して憧れの女性像を示してくれるんです。
 とはいえ私が知っている内山さんは、すでに“名プロデューサー”だったので、こんなに沢山の失敗をしてきた方だとは思ってもみませんでした。一番心に残ったのは、「失敗を恐れないで」というメッセージ。実は最近、私も仕事で「あぁ、失敗したな、私の力不足だな……」と思うことがあったばかりなんです。会社員の頃は毎日生放送があり、失敗が本当に怖かった。「フリーになったら、この恐怖から解放されるかな」と、少し思っていましたが、実際は初めてのことばかりで、今は新入社員の時のように失敗だらけの日々です。そんなタイミングで読んだこの本に、本当に救われました。「怖い」とか「失敗しちゃいけない」って思った瞬間から、新しい挑戦ができなくなるということを、再確認できたんです。
「好きなこともないのに、『今の仕事は自分に合わない』とか、『自分が望んでいる仕事じゃない』と思っている人は、その時点で負けている」という一節も好きです。やっぱり好きって感情が一番パワーになる。好きと思えるモノや人、仕事がいくつあるか、そして、それにどれだけ真剣に向き合えるのか、が人生の豊かさに繋がると思っているので、すごく共感しました。
 共感したという点では、ネットとの付き合い方についてもです。「ネガティブな意見は早く目を通して、徹底的に落ち込むと立ち直りも早い」と書かれていますね。私も、SNSなどで様々なご意見を頂きます。それはしっかり読んで、自分のダメな所を直そうと思っています。
 あと、内山さんの新人ディレクター時代、番組の職人さん達にハブられて困った時、一升瓶を持参して一緒に飲んで、距離を縮めたというエピソードも好きです。私は、お酒を飲みながらゲストとトークをする、「川柳居酒屋なつみ」という番組をやらせてもらっているくらい、お酒が大好き。一回お酒の席をご一緒すると、距離がグッと縮まるのは、いつも実感しています。最近、飲みニケーションがちょっと時代遅れに見られていますよね。もちろんお酒の強要は絶対ダメですけれども、「お酒の力を借りてもよし」と書かれていて、お酒好きとしては「やっぱり、このやり方、いいんだな!」と改めて思えました。
 また、内山さんも「自分で現場に足を運んで信頼関係を結んだ」と書かれているのを読んで、25歳ころ、「報道ステーション」で気象担当からスポーツ担当に移った時のことを思い出しました。スポーツについて全く知識が無く、取材に行っても自分の居場所を見つけられなくて、本当に辛かった。ゴルフだったら、「バーディって何?」という所からのスタートだったので。体はストレスに正直で、当時はお肌はボコボコだし、実は白髪がすごく増えていました。でも「とにかく状況を変えよう」と思って、スポーツ雑誌を読んだり、週3回は一人で現場に取材に行くようにしたんです。そうしたら、だんだん仲間ができて仕事がすごく楽しくなった。ここは、内山さんと似ているかもしれません。
 私のテーマは「人生は面白い方がいい、ドラマチックな方に向かいたい!」です。社会人でそう言っていると「もっと大人になりなさい」とたしなめられることもある。でも、この本でも、まさに「大人になんて、ならない方がいい」と書かれていて嬉しくなりました。
 こういう風に、この本で今まで「これでいいのかな?」と不安に思っていたことの「答え合わせ」ができて、ホッとする気持ちになりました。全ての働く人の背中を押してくれる一冊です。

(うが・なつみ フリーアナウンサー)
波 2019年11月号より
単行本刊行時掲載

著者プロフィール

内山聖子

ウチヤマ・サトコ

1965年福岡県生まれ。1988年津田塾大学英文学科卒業後、テレビ朝日入社。秘書室から、1993年制作現場へ。1995年からドラマプロデューサーとして、『ガラスの仮面』(1997年)、『黒革の手帖』(2004年)、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(2012年〜)など、連続ドラマ、スペシャルドラマを多く手掛ける。2019年10月現在は、総合編成局ドラマ制作部エグゼクティブプロデューサー。

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