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60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。

若宮正子/著

1,320円(税込)

発売日:2017/11/24

  • 書籍
  • 電子書籍あり

年齢なんて気にしない!
だって、明日はもっとおもしろいから。

アップル社のティム・クックCEOも大絶賛! 60歳を迎えてパソコンを、80歳を超えてからプログラミングを始めた“リアル・コンピューターおばあちゃん”の超ポジティブ人生論。「大事なのは自分がご機嫌かどうか」「好奇心は歳を取らない」など、ユニークでバイタリティあふれる生き方に誰もが勇気づけられます。

目次
コンピューターが人生を変えた 〜まえがきにかえて~
第1章 心も体も元気でいるには
いやなことをしている時間はない!
規則正しくしないほうが、うまくいく
ほしいものは時間だけ
私の辞書に「失敗」はない!
マイ通訳で、国際交流!
ボケているぐらいがちょうどいい
オリジナルって素晴らしい!
人生を豊かにしてくれる本
第2章 毎日ワクワク過ごすには
趣味なんて、そんな大層なものじゃない
今からだって、何だってやれる
未知の世界に触れるには
60歳からの学校、メロウ倶楽部
居場所がない人への特効薬
友達は人生を彩る宝物
シニアこそ海外旅行へ!
変化を楽しもう!
第3章 82年間の人生で学んだこと
好奇心は最大のエネルギー
転んだら起き上がればいい
長く続けることで変わる
人生という流れに逆らわない
第4章 やっぱり、人生はおもしろい!
わが人生、悔いなし
老いることは怖くない
一生学び続けないとダメ
「老人小学校」のススメ
他人の人生は、絵巻のよう
ヤクザな女、最高!
歳を取ると分かること
時が経って巡り合う
人生は自分次第 〜あとがきにかえて〜

書誌情報

読み仮名 ロクジュッサイヲスギルトジンセイハドンドンオモシロクナリマス
装幀 若宮正子/エクセルアート、佐藤慎吾(新潮社写真部)/カバー写真、新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 176ページ
ISBN 978-4-10-351371-1
C-CODE 0095
ジャンル 哲学・思想
定価 1,320円
電子書籍 価格 1,056円
電子書籍 配信開始日 2018/05/11

書評

若宮イズムに大いに共鳴したい

茂木健一郎

 人間には様々な思い込み、固定観念がある。
 私たちは本来自由なのだが、自ら「檻」をつくって自分を閉じ込めてしまう。そのような制約を外してくれる「発見」があると、「おっ!」と思い、心の中にさわやかな風が吹き始める。
 若宮正子さんのことを初めて知ったのは、TEDxTokyoで登壇され、お話された時のこと。81歳でプログラミングを始めて、iPhoneのアプリを作られたという。そして、米国で開かれた世界の開発者向けの会議で、アップルのCEOのティム・クックさんと話したという。
 このプロフィールだけでも、若宮さんが私たちの固定観念を破る人だということがわかる。
 80歳を超えてiPhoneのアプリ開発?
 アップルのカンファレンスでティム・クックさんと話す?
 どういうこと? たくさんの「?」が飛び交うだろう。
 私自身、普段から、脳には無限の可能性があると強調している。何歳になっても、脳は成長することができる。神経細胞がつなぎ変わる「可塑性」は、年齢を重ねても維持できる。だから、若宮さんのようなご活躍は、脳科学的には十分あり得る。それが「サプライズ」になってしまうのは、私たちが固定観念という「檻」に閉じ込められているからだろう。
 若宮さんは素晴らしい。その挑戦する姿はすべての人が参考にしたら良い。ここまでは、プロフィールだけからもわかった。しかし、それでおしまいではなかった。
 今回、若宮さんのご著書『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』を読んで、そのあまりのユニークさに驚愕した。正直、ここまで「面白い」方だとは、想定していなかったのである。
 例えば、CNNから取材のメールが来た時のエピソード。サイト更新に間に合わせるため2時間以内の回答を要請された若宮さん。なんと、驚くべき行動に出る。
「2ページ分ぐらいの質問票を全部コピペして『グーグル翻訳』で日本語にして、日本語で返事を書いて、それをまたコピペして『グーグル翻訳』で英語にして……。無事に、時間内に間に合わせると、その30分後には世界中に配信されていたという、驚くべき展開の速さ!」
 確かに、何も間違っていない。だけど、まさかそんなことを、80歳を超えた方がされるなんて、世間の「常識」は想定していない。だからこそ痛快であり、面白い。
 世間の「常識」の中にいれば、「世界のCNN」から問い合わせが来たら、「英語の表現として大丈夫か」とか、「私なんてとても」とか、そんな風に躊躇するだろう。若宮さんの中には、そんな固定観念がない。コピペして、グーグル翻訳でホイホイしてまたコピペである。
 何と素晴らしいのだろう!
 他にも、若宮さんの生き方には、固定観念にとらわれた人が目を白黒させるようなユニークさが満載。
「アップルから招待されたとき、私は自作の『世界にひとつだけのペンダント』をつけていきました。そのペンダントは、独学で習得した初心者向けの3D製図用のソフトで設計して、3Dプリンターのある工房で作ってもらったもので、とてもお気に入り」
「私の趣味に加わったお琴。『お琴を始めたの』なんて話すと『素敵ねえ、すごい!』と言われますが、なんのことはない。iPadのアプリでできてしまうのです」
 いや、本当に脱帽である。確かに、若宮さんの言われる通りなのだが、それを出来ない方、いや、出来ないと思い込んでいる方が、世の中の大半だろう。
 本書は、あらゆる年齢層の方に読んでもらいたい。若宮さんのユニークな生き方が、読む者を自由にする。若者からお年寄りまで、若宮イズムに大いに共鳴したら良い。
 若宮さんの初恋の方が、若宮さんがCNNのサイトに載った時に送ったという素敵な言葉を、私もこの本に対して贈りたい。

 若宮正子さん、この本は「ホームランだ」。

(もぎ・けんいちろう 脳科学者)
波 2017年12月号より
単行本刊行時掲載

著者プロフィール

若宮正子

ワカミヤ・マサコ

1935年東京生まれ。東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業後、三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)へ勤務。定年をきっかけに、パソコンを独自に習得し、同居する母親の介護をしながらパソコンを使って世界を広げていく。1999年にシニア世代のサイト「メロウ倶楽部」の創設に参画し、現在も副会長を務めているほか、NPO法人ブロードバンドスクール協会の理事として、シニア世代へのデジタル機器普及活動に尽力している。2016年秋からiPhoneアプリの開発をはじめ、2017年6月には米国アップルによる世界開発者会議「WWDC 2017」に特別招待される。安倍政権の看板政策「人づくり革命」の具体策を検討する「人生100年時代構想会議」の最年長有識者メンバーにも選ばれた。

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