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リッツ・カールトンで実践した 働き方が変わる「心の筋トレ」

高野登/著

1,540円(税込)

発売日:2015/06/18

  • 書籍
  • 電子書籍あり

ホスピタリティの達人が大切にしている「心がけ」のトレーニングとは?

身体と同様、ベストな精神を保つには細やかな「心の筋トレ」が必要です。素直さや誠実さを忘れないために、怒りや嫉妬とうまく付き合うために、あの日の情熱を持ち続けるために……。一流ホテルの日本支社長として経験を重ねた著者が、見失いがちな初心に気づき直し、しなやかな心を作るため、日々実践する心と感性の整え方。

目次
はじめに
第1章 準備運動をする ~心のストレッチ~
ストレッチ(1) 素直さを取り戻す
□頼まれたら「はい」と言う
□分からなければ「教えてください」と言う
□自分の間違いに気づいたら認め、謝る

ストレッチ(2) 情熱を目覚めさせる
□思いの蓋を開けて志を覚醒させる
□「できない理由」「やらない理由」を探さない
□できるだけ多くの輝いている人と出会う

ストレッチ(3) 誠実さとは何かを考える
□人も車も通らない時間帯に、信号を守れるか
□凡事徹底は、じつはとても非凡なこと
□日常の何気ない立ち居振る舞いを磨く

ストレッチ(4) 「約束を守る力」を伸ばす
□プライベートでも約束は破らない
□損得勘定で物事を判断しない
□サービスとは約束を守ること

ストレッチ(5) ワクワクする気持ちを持ち続ける
□日々気持ちを新たにするレシピ
□日常の小さなワオ・ストーリー(物語)を意識する
□相手をワクワクさせる言葉をストックする
第2章 基礎トレーニングを持続する
基礎トレーニング(1) 観察する力を養う
□日常的な仕事の中に、違いを感じ取る
□表情やしぐさから相手の思いに近づく
□思いを言葉にする発信力を鍛える

基礎トレーニング(2) 人に頼る力
□頼ること、学ぶことの意味を考える
□今の自分の力を棚卸しする
□頼ることの違いを知る

基礎トレーニング(3) 時間を味方にする
□人生時間は限られていると知る
□自分の人生時間は自分が企てる
□相手の時間は、相手の命である

基礎トレーニング(4) 言葉(語彙)を豊かにする
□心の針を動かす一言
□言葉が変わると、行動が変わる
□言葉を見直し、言葉を磨く

基礎トレーニング(5) 自分中心から、他人中心へのシフト
□競争から調和へシフトする
□主体的に考える習慣を身に付ける
□「褒めて育てる」を仕組み化する

基礎トレーニング(6) 組織にコミットする筋力
□自分の成長が組織への貢献
□雇用形態と能力には因果関係はない
□働き方は生き方そのものである
第3章 アウターマッスルを鍛える(コミュニケーション力)
アウターマッスルトレーニング(1) 相手を受け止め、受け入れる
□多様性に目を向け、受け止める
□受け入れる柔軟性を鍛える
□相手の文化、価値観に関心を待ち続ける

アウターマッスルトレーニング(2) コミュニケーションを考える
□会話か、対話か、ディベートか
□会議室は、言葉で戦うリング
□相手の意見と人格を混同しない

アウターマッスルトレーニング(3) コミュニケーション力を劣化させない
□質問力を高める
□オーラを感じるセンサーを働かせる
□非言語の対話を意識する

アウターマッスルトレーニング(4) 人脈という財産を作る
□人脈にも動派と静派がある
□動派=発信する力
□静脈=受け止める力

アウターマッスルトレーニング(5) 自分から発信する
□対面、電話、手紙、メールを考える
□自分のスタイルを作り上げる
□体温を感じられるコミュニケーションをとる

アウターマッスルトレーニング(6) 好感を持たれる
□人は見た目が10割と知る
□おもてなしの三要素を見直す
□聞き上手を目指す

アウターマッスルトレーニング(7) チームワークを高める
□チームワークと共同作業の違い
□リーダーシップを発揮する
□チームワークの原点を考える
第4章 インナーマッスルを鍛える(内省力)
インナーマッスルトレーニング(1) 目的を定め、目標を立てる
□目標と目的の違いを理解する
□メンターという強い味方を探す
□目標を定めたら達成にこだわる

インナーマッスルトレーニング(2) 大局観を持つ
□虫の目、魚の目、鳥の目を持つ
□時代を読み解く大局観
□マネージャーに求められる虫の目

インナーマッスルトレーニング(3) 先を見通す
□リーダーシップとマネージャーを考える
□リーダーシップ力とチームワーク力
□成長速度はそれぞれ違ってよい

インナーマッスルトレーニング(4) 謙虚さ
□謙虚さを深奥筋ととらえる
□感動が生まれた謙虚さの話
□謙虚さを鍛える習慣
第5章 総合力をつける ~バランスのとれた感性を鍛える~
総合力トレーニング(1) 問題(不満や苦情)を受け止める
□不満と見るか、機会と捉えるか
□苦言は、心を鍛える北風
□お客様をがっかりさせないこと

総合力トレーニング(2) 想像力をフル稼働して準備する
□イメージすることの大切さ
□シミュレーションする習慣を作る
□過信をせず初心にかえる

総合力トレーニング(3) 怒りをマネジメントする
□人間は感情の動物である
□怒りをコントロールする
□ツボを知りストレスを発散させる

総合力トレーニング(4) 嫉妬をマネジメントする
□嫉妬心のない人はいない
□他人と比べない
□視点を変えてみる

総合力トレーニング(5) 失敗を受け止め、失敗から学ぶ
□失敗の本質とは何かを知る
□失敗が起きる三つの要素
□失敗と向き合い、プロセスを考える

総合力トレーニング(6) 耐久力をつける
□勝利とはひたすら耐えて、苦しみを乗り越えた先にあるもの
□射程距離の長い思考回路を身に付ける
□若い時代の対立や衝突は、インフルエンザの予防接種
第6章 「自分の人生」を生きる力を養う
最終トレーニング(1) 夢中力を高める
□夢中力について、深く考えてみる
□リーダーの夢中力が、世の中を動かす
□夢中力スイッチをオンにする

最終トレーニング(2) 人生の段取りをつける
□1年に一回は、人生の段取りを考える
□セルフ・リーダーシップを磨く
□若い時こそ時間の使い方を段取りする

最終トレーニング(3) 運を呼び込む
□運に気づく準備をする
□願望を正しいベクトルに合わせる
□人事を尽くして天命を待つ

最終トレーニング(4) 「初心」を持ち続ける
□初心は、いつでも新しく持てる
□初心が、成長のエネルギー
□素直に頭を下げる謙虚さが大事

最終トレーニング(5) 人生を企てる
□計画はマネジメント、企画はリーダーシップ
□遊び心を持ち、前例にとらわれない
□すべての筋力を、五感を全開にして磨く

最終トレーニング(6) 人を巻き込む
□囲い込みをしない
□巻き込む力の原点
□巻き込まれたいと思わせる
終わりにかえて――人の幸せを考える

書誌情報

読み仮名 リッツカールトンデジッセンシタハタラキカタガカワルココロノキントレ
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-339371-9
C-CODE 0095
ジャンル 倫理学・道徳、ビジネス実用、趣味・実用
定価 1,540円
電子書籍 価格 1,232円
電子書籍 配信開始日 2015/12/11

書評

「やり方」から「あり方」へ 無形の資産の築き方

青木仁志

「心を鍛える」とは、巷でよく聞く言葉であるが、本書のキーワードでもある「心と感性の筋トレ」という表現は言いえて妙である。
「筋トレ」とわかりやすく表現しているが、それは「習慣」のことに他ならないだろう。習慣とは「思考習慣」と「行動習慣」の二つに分けられる。私も長年、人材教育に携わってきた中で確信を持って言えるのは、いわゆる“成功者”と呼ばれる人は、皆共通してそれぞれの目的・目標にあった良い思考習慣・行動習慣を身につけているという点である。こうした習慣が、健全な人間関係を構築し、折れない心を育み、そして物心ともに豊かな人生を歩むために不可欠な要素なのである。
 世間に流通するビジネス書は、「いかに稼ぐか」といった目的のない「やり方」に終始したもので溢れているが、本書はそれらと一線を画している。本書は、人材教育のプロの観点から見ても、成功者に共通する「マインド」・「ナレッジ」・「スキル」の三つが、見事に一冊の本の中に凝縮され、網羅されている。そこには、やり方ではない、“あり方”を示唆し、有形の資産だけではなく“無形の資産”をいかにして形成するかが述べられているのだ。
 しかも、それらが単なる机上の理論ではなく、具体的にどうアクションをとればいいのかまで落とし込まれているのは、著者である高野氏の幅広いキャリアから来ていることは言うまでもない。
 氏は、あの「ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社」にて支社長も務められ、「実」を積み上げてこられた、言わずと知れたサービスの分野における最高峰の教育者・実践者である。
 ここで本書からにじみ出ている氏のお人柄についてぜひとも述べておきたい。氏との出逢いは10年前。第一印象からして、柔和で、温かく、気配り心配りの行き届いた方であり、同時に人間の本質というものや、物事の原理・原則の探求心が非常にお強い方であると感じた。
 まさに「何事でも人々からしてほしいとのぞむことは、人々にもそのようにせよ」という“黄金律”に生きている人物であると言っても過言ではないだろう。
 本書で述べられていることで、何一つ成功の原理・原則から外れたものはない。
 全て、ビジネスマンとして、いや一人の人間として生きていくうえで大切なことばかりであり、少なくとも私が読んできた書物において、ビジネスマンに向けた指南書としては最高のものと言ってよい。氏が特に対象とされている学生、新社会人以外の方々にも、「生き方」の指針として必読の一冊であろう。
 最後に、これまで私が長年の経営者教育を通して一貫して伝えていることでもあり、また、氏と志を同じくする者としての意味も込め、本書のあとがきから一部引用し、私の書評を結ぶこととしよう。

『会社に利益をもたらしてくれるのは、社員のみなさんの必死のがんばりです。だから、会社の目的は幸せを実現すること。幸せな社員は、お客様や社会との繋がりを大事にしてくれる。その結果として会社は強くなり、利益を上げることができる。』

 本書を手に取った方々が、物心両面の豊かな人生を歩まれることを祈念したい。

(あおき・さとし アチーブメント株式会社代表取締役社長)
波 2015年7月号より

著者プロフィール

高野登

タカノ・ノボル

1953年長野県生まれ。プリンス・ホテル・スクール(現・日本ホテルスクール)第一期生。卒業後、渡米。ホテルキタノ、NYスタットラーヒルトンなどを経て、1982年NYプラザホテル入社。1990年にはザ・リッツ・カールトン・サンフランシスコの開業に携わり、1994年に日本支社長となる。2009年同社退社。2015年6月現在はホスピタリティを基にした企業活性化、人材育成、社内教育で指導・講演活動を続ける。ロングセラー『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間』(かんき出版)など著書多数。

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