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ますます! 東京ひよっ子3人暮らし ~イヤイヤ大魔王降臨!試練の2さいくん編~

たかはしみき/著

1,100円(税込)

発売日:2015/05/22

  • 書籍
  • 電子書籍あり

これって、ウチだけ!? ママたちの不安と孤独をスッキリ解消! 子育てエッセイ漫画、待望の第二弾。

それヤ! これヤ! 全部イヤ! “イヤイヤ怪獣”2歳の息子の、怒りにまかせた平手打ち。鬼と化した自分に驚き、戸惑う夫に超イライラ。可愛くて面白いのに、ヘビーでしんどい1歳半から3歳までの日々が教えてくれたのは、育児に「すぐ」はなくて、「待つ」「見守る」が大事だってことだった――。子育てのヒントが満載!

目次
まえがき。
Profile
Chapter 1
春がきた! 新しい保育園とはじめてのお留守番
〈1歳7ヶ月~1歳9ヶ月〉
のっすんの「乳よサラバ」
Chapter 2
これってもしや…はじまったかも!? イヤイヤ期
〈1歳10ヶ月~2歳〉
のっすんおでかけメモリーズ(1) 1歳・夏休み編
カーチャンは見た!(1)
Chapter 3
それヤ! これヤ! 全部イヤ! ヤヤリンピック開幕
〈2歳~2歳3ヶ月〉
カーチャンは見た!(2)
Chapter 4
めんどうくさいけど超かわいい! アメとムチ期とのっすんの初恋
〈2歳4ヶ月~2歳6ヶ月〉
我が家の「イヤ!!」に役立ったものたち
今 思えば…談(1)
Chapter 5
ピーク突入!? 怒濤のイヤイヤ期
〈2歳7ヶ月~2歳9ヶ月〉
のっすんおでかけメモリーズ(2) 2歳・お友だちと編
今 思えば…談(2)
Chapter 6
もうすぐ3歳! のぼれるか!? お兄さんへのステージ
〈2歳10ヶ月~3歳〉
のっすんメモリーズ 2~3歳・保育園行事編
のっすん語録
あとがき。

書誌情報

読み仮名 マスマストウキョウヒヨッコサンニングラシイヤイヤダイマオウコウリンシレンノニサイクンヘン
発行形態 書籍、電子書籍
判型 A5判
頁数 140ページ
ISBN 978-4-10-335692-9
C-CODE 0979
ジャンル 妊娠・出産・子育て、コミック
定価 1,100円
電子書籍 価格 880円
電子書籍 配信開始日 2015/11/13

書評

パパにとっても味方の一冊

庄司智春

 僕には3歳ちょっとになる息子、虎之助がいます。息子が生まれる直前や生まれた後、周りの方から頂いた育児本や育児の専門書などを読んだりしましたが、育児漫画というのは初めて読みました。たかはしさんの息子さんである、のっすん君の、1歳半から3歳までの成長が細やかに描かれていて、虎之助の時と重なる部分も多く、非常に共感しました。
 特に印象的だったのは、1歳7ヶ月から9ヶ月の時期に、トーチャン(たかはしさんの旦那さん)とのっすん君が二人きりで、初めてお留守番をしたエピソードです。たかはしさんが事前に綿密な計画表を作っていらっしゃいましたが、僕も初めて息子と二人きりで遠出をしたとき、「この日はとーたん(僕のことです)と二人で出かけるんだからね。アンパンマンミュージアムに行って、夜ご飯食べて帰って来ようね」と、結構前からしつこく言い聞かせました。当日は、泣かずにいい子でいてくれてとても助かったのですが、帰る途中、車の中で寝てしまったのでそのまま家に帰ったら、マンションの駐車場で起きた息子が、「あれ、ご飯行かないの?」と言ったんです。「夜ご飯食べて帰って来る」までが自分の使命だと、強く感じていたみたいで。丁寧に話して教えたら、こんなに小さい子でもちゃんと記憶に残るのだという驚きと、教えられたことを守ろうと必死に頑張るんだと感動もして、息子との距離が縮まったと感じられた出来事でした。
 最近はこんな風に言葉が通じたり、意思疎通ができるようになったりしてきているので、赤ちゃん時代よりも、子育てが数倍面白く感じられています。「人対人」の付き合いができるという嬉しさについて、たかはしさんは、「話し相手ができたことの喜び」を描かれていましたが、僕も、2歳になった虎之助から、ある日突然、「とーたん、大好きだよ」と言われた時には、号泣に近いくらい泣いてしまいました。質問に対する答えではなく、自発的に自分を好きと言ってくれたんだ、と。忘れられません。
 たかはしさんの「ママ目線」で全体は構成されていますが、時々「パパ目線」で考えて下さっているのも、僕にはとても嬉しかったです。「トーチャン、イヤ!」とのっすん君がパパのことを全力で拒否するシーンなど、人ごととは思えませんでした。「とーたん、イヤ! ママがいい!」とか「とーたんなんて大嫌い!」とか最近も時々言われるのですが、悪気はないと分かりつつ、オレの何がいけないんだ!と落ち込みますし、そんな息子の態度は、ママにとっても負担になるので、歯がゆくて仕方なく……。そんなパパたちの寂しい気持ちも描いてくれているので、「あぁ、みんな一緒なんだ」と安心もさせてもらいました。それに、「ママ目線」を知ることで、うちの奥さんも、実は自分の知らないところでこんなに大変な思いをしたのかな、と反省するところも結構あって。ママにとって「パパの無関心」は一番腹が立つことだと思うので、パパはこれを一冊読むだけで、夫婦円満の秘訣も探れるかもしれません(笑)。
 我が家はこの夏に、二人目の子どもが生まれる予定です。最近は、例えば、虎之助が僕と二人きりで寝てくれるように、今から練習しておかなきゃなど、色々と準備を始めたところなのですが、この漫画は、初めてのお子さんを迎えるパパやママの「心の準備」に、とても適していると思いました。漫画という形式が親しみやすく読みやすいことはもちろんですが、その時々にたかはしさんが感じたり考えたりしたことが、一言一言のセリフに細かく書き込まれていますし、イヤイヤ期に役に立ったアイテムひとつとっても、すべて体験に基づいているので、立体感をもって読者に伝わってきます。つまりは、専門書に断定的に書かれていることとはまた違う、リアリティを感じられるとも言えて。とにかく、ママという立場は結構孤独な面も多いので、少しでもリラックスしたり心が安らいだりして欲しいと僕は思っていて、例えば、卒乳やイヤイヤ期で困ったとき、「そういえば、たかはしさんちもそうだった!」と安心できるのではないかと感じました。何より、育児ってものすごく楽しいことだと改めて実感もさせてもらえる、パパとママの強い味方の一冊です。

(しょうじ・ともはる お笑い芸人)
波 2015年7月号より

インタビュー/対談/エッセイ

子育てに、ムダなことなんてなかった!

たかはしみき

――〇歳から一歳半までを描いた前作『東京ひよっ子3人暮らし』から一年、今作では一歳半から三歳までを三カ月に区切りながら、息子さんである「のっすん君」の成長を追いました。その時々の言葉や仕草、行動など、かなり細かく描き込まれていますが、どのように描かれていったのですか?
 赤ちゃん時代から、日々の息子の言動や、心に留まったことや感じたことなどを、走り書きや簡単なイラストなどでメモしてきました。保育園に預けるようになってからは、保育士さんと毎日やりとりをしている「連絡帳」があって。それらは、漫画にすることを前提に書いていたものではなかったのですが、読み返すと当時の様々なことが思い出されました。注意しても言うことを全く聞きません、とか、イヤイヤがひどくてどうしていいか分からない、とか、悩みや戸惑いが大半で、本にする際は、しんどいエピソードばかりにならないように、全体の構成のバランスには特に注意しました。
 不思議な言い方になるかもしれませんが、「架空の家族のことを描いた」と感じている部分もあるんです。もちろん、すべてのエピソードは現実に基づいていますが、自分の意識として、「育児している私」と「描く私」を別々に捉えていることが、その理由かもしれません。「あー、こんな怒り方しちゃったんだなぁ」とか、反省しながら描いたりもしていて(笑)。客観的に距離をとって描くことを意識しました。

――サブタイトルにもありますが、二歳を過ぎてからの本格的な「イヤイヤ期」との格闘は、読んでいるこちらが、思わずハラハラする場面もありました。
 二歳から三歳にかけてのイヤイヤ爆発の時は、正直、メモも書けないくらい辛かったです。イヤイヤだけでなく、「カーチャンでないとダメ!」な子でもあったので、特に理由もなく「トーチャン、イヤ! あっち行って!」と泣き叫ばれる旦那が可哀想でもあり、一方で、思い描いていた家族像からどんどん離れていく現実に、自分がしんどくもなっていきました。こんなに極端でこの子大丈夫かなと、心配のあまりネットで検索しまくった結果、根拠のない情報にますます不安になったりして……。誰かに相談しても、ネットで調べても、「イヤイヤは次第におさまります」「気がついたらピークを過ぎているもの」といったことだけで、誰も「即効薬」を教えてくれない。一週間が半年くらいに感じられました。でも、ある日突然、本当に突然でしたが、「もしかして、イヤイヤのピークって一週間前だったかもしれない」と、楽になったと感じられた瞬間があったんです。すると、まるでリセットされたかのようにイヤイヤが減り、その分、できることが劇的に増えていって……。みんなが言っていたことはウソじゃなかったんだなと、ようやく納得できました(笑)。
 それに、何より驚かされたのは、イヤイヤが最高潮に達した息子に対して、私がついに叱りながらキレてしまったことがあったのですが(Chapter5でのエピソード)、その数日後、「あのときポストの前で、のっすん、えんえんしちゃったね。かぁか(お母さん)、すごくおこったね。でもおうちかえって、なかなおりしたね」と、息子が突然言い出したことです。あんなに小さな子なのに、自分の中で消化して、反省していたんですね。イヤイヤ期の渦中にいる時は、無我夢中でなかなか冷静になれないものですが、「こうしないで欲しい」「こう育って欲しい」と伝え続けることはムダではなくて、引いた目で見れば、子どもは日々、ちゃんと成長しているから大丈夫なんだと、今は思えるようになりました。
 それに、イヤイヤ期がないお子さんを持つ親の場合――私の義理の姉がそうだったのですが、「育てやすくて羨ましい」「思春期の反抗期がよりひどくなっちゃうらしいよ」などといった、何気ない一言に傷ついたことがあったそうです。本当に、みんなそれぞれ悩みを抱えているんだな、と改めて感じます。

――保育園の帰り道、言葉を覚えたのっすんと初めて「会話」をした場面では、思わずホロリとしました。
 私もあの瞬間は忘れられないです。「ただただお世話をする人」から、「お喋りができる人」にのっすんが成長したことは、自宅でひとり仕事をしている私にとって、大きな味方を得たような気持ちにもなりました。「夫婦と赤ちゃん」から、本当の意味での「家族」になったんだ、とも感じられて、感動もして。だから、私が経験したことがひとつの例として、こんなやり方もあるんだと何かを乗り越えるヒントになったら嬉しいですし、うちはここまでイヤイヤがひどくなくて良かったとほっとしたり、励ましや癒しになってもらえたら……というのが強く願っていることです。大丈夫、なんとかなるよね、と。

(たかはし・みき イラストレーター)
波 2015年6月号より

著者プロフィール

たかはしみき

タカハシ・ミキ

1975年千葉県生まれ。イラストレーター、キャラクターデザイナー。多摩美術大学卒業後、サンエックス株式会社に入社。「こげぱん」「あまぐりちゃん」などのキャラクター原案を手がける。2002年独立。近年は子育て・日々の暮らし・食レポなどをテーマに執筆。「東京ひよっ子3人暮らし」シリーズ、『わたし、39歳で「閉経」っていわれました』『おうちでしあわせ日本全国まるごとおとりよせ便』など著書多数。

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