ホーム > 書籍詳細:狂気の科学者たち

狂気の科学者たち

アレックス・バーザ/著 、プレシ南日子/訳

880円(税込)

発売日:2019/09/28

  • 文庫

信念に基づいて真実を追究する科学者たちを描いた戦慄(と笑い)のノンフィクション!

科学発展の裏には奇想天外としか言いようのない実験の数々があった。死亡前後の人間の体重を量って「魂」の重さを計測する。妊娠率を高めるためピエロに扮して胚移植前の女性を笑わせる。黄熱病が伝染病でないと証明するために患者の吐瀉物を飲む。赤ん坊をチンパンジーと一緒に保育する……。信念に基づいて真実を追究する科学者たちを描いた戦慄(と笑い)のノンフィクション!

目次
まえがき
第1章 フランケンシュタインの実験室
死体に電気を流すとどうなるか/死んだ子ネコをよみがえらせる/電気から生命を創る/ギロチン後の頭部に意識はあるか/ヒトとサルは交配可能か/人工的に血液を循環させれば死人をよみがえらせることができる?/「頭部移植」された双頭のイヌ/目が覚めたら別の体に移植されていたサル
第2章 「感覚」ほど信じられないものはない
1 触覚
「くすぐったい」のは気のせい?/たくさんチップをもらうには「スキンシップ」が有効?
2 味覚
ワインの専門家は赤く染めた白ワインを見抜けるか/コカ・コーラ好きはペプシを見抜けるか
3 嗅覚
共同生活する女性の生理の周期がそろう?/「お金を使いたくなる香水」が実在する?/チーズの香りと体臭がかぎ分けられない
4 視覚
目に見えないゴリラ/ネコの視覚を解析する
5 聴覚
モーツァルトを聴くと知能が上がる?/パーティーで客が声を張り上げるのはいつ?
第3章 記憶の話
電気刺激で失われた記憶はよみがえるか/「ゾウは忘れない」は本当か/ウエイトレスの驚異的な記憶力/環境は記憶に影響するか/記憶は口から摂取できるか/人間の記憶を完全に消去することは可能か/頭から離れないシロクマ/記憶の移植は可能か
第4章 睡眠の話
「睡眠学習法」その起源/11日間起きつづけるとどうなるか/揺さぶられても眠りつづけることは可能か/ネコの夢遊病/刺激的な映像は夢に影響を与えるか/記憶喪失者はテトリスの夢を見るか
第5章 動物の話
LSDを打たれたゾウ/ゴキブリの徒競走/目が合うとそらしたくなる理由/「忠犬」は本当に飼い主を助けるのか/七面鳥は面喰い?/「闘牛士」になった脳外科医
第6章 恋愛の話
1 「魅力」の正体
恐怖と性的興奮の関係/「高嶺の花」は本当にモテるのか/ナンパされたければ閉店間近がおすすめ/同性愛者「探知機」
2 セックスは永遠の謎
世界初、セックス中の心拍数計測実験/何度もオーガズムに達する男/性的指向を変える快楽ボタン/なぜ女性は誘いを断り、男は簡単に乗るのか/性交時の「体毛移動率」/ペニスは精子をかきだす「スコップ」である/セックス中に笑っていると妊娠しやすい?
第7章 赤ちゃんの話
赤ちゃんに恐怖を植えつける/食べたいものだけ食べさせるとどうなるか/覆面男にくすぐられつづけた気の毒な赤ちゃん/チンパンジーを人間と一緒に育てるとどうなるか/自家製「子守機」で育てられた赤ちゃん/布製お母さんと金網製お母さん/赤ちゃんを見てブレーキを踏むわけ/究極の赤ちゃん映画
第8章 トイレは最高の読書室
吐瀉物を飲んだ医者の話/犬のフンの形をしたファッジ/トイレのスペースインベーダー/集団で用を足すアリ/自分の子どもと他人の子どものおむつはどちらが臭いか/男のおならはガス総量が高く、女性は濃度が濃い
第9章 ハイド氏の作り方
なぜドイツ人はユダヤ人の強制収容に反対しなかったのか/子イヌにショックを与えつづける/「ネズミの首を切れ」と言われた人はどんな顔をするのか/人は「匿名」になると残酷になる/ドライバーがクラクションを鳴らす条件/看守役を演じさせると人は凶暴になるか/人間が集団になると無責任になる理由
第10章 人の最後を科学する
墜落中のプロペラ機で保険の申込書に記入させる/銃殺刑直前の死刑囚の心拍数を測る/末期患者にLSDを投与する/「魂」の重量を計測する/「予言」が外れたときに信者はどう振る舞うか/核戦争を生き延びる動物は何か
訳者あとがき
参考文献
図版出典一覧

書誌情報

読み仮名 キョウキノカガクシャタチ
シリーズ名 Science&History Collection
装幀 Bettmann/カバー写真、Getty Images/カバー写真、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 464ページ
ISBN 978-4-10-220016-2
C-CODE 0140
整理番号 シ-38-27
ジャンル 科学史・科学者、科学
定価 880円

短評

▼パブリッシャーズ・ウィークリーより
このウイットに富んだ本は、グロテスクなものを愛する好奇心を持った読者ならば、誰でも夢中にさせるだろう。

著者プロフィール

アメリカ・ペンシルヴェニア州生れ。カリフォルニア大学サンディエゴ校にて科学史修士号を取得。1997年、研究の一助としてウソに関するウェブサイト「The Museum of Hoaxes」を立ち上げると、毎月100万PVを記録する人気を博す。著書に『ウソの歴史博物館』『狂気の科学者たち』がある。

プレシ南日子

プレシ・ナビコ

東京生れ。主な訳書に『時代と作品で読み解く 映画ポスターの歴史』『ジャクソン・ギャラクシーの猫を幸せにする飼い方』『芸術家のための人体解剖図鑑』(共訳)『人は死にぎわに、何を見るのか―臨終の言葉でわかった死の過程と死後の世界』『自分を貫く』『猫の精神生活がわかる本』(共訳)『狂気の科学者たち』などがある。

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

感想を送る

新刊お知らせメール

アレックス・バーザ
登録
プレシ南日子
登録
科学史・科学者
登録
科学
登録

書籍の分類