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パーマネント野ばら

西原理恵子/著

440円(税込)

発売日:2009/03/01

書誌情報

読み仮名 パーマネントノバラ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-137071-2
C-CODE 0179
整理番号 さ-66-1
ジャンル コミック
定価 440円
電子書籍 価格 484円
電子書籍 配信開始日 2017/07/07

好きやずっとはどこにもないから私はまいにちうそをつく。ラストは涙が止まりません。女性支持率No.1!

港町にひとつの美容院、「パーマネント野ばら」。ここは女のザンゲ室。まいにち村の女たちが、恋にまつわる小さな嘘や記憶を告白していく。昨日男に裏切られ泣いたとしても、明日また男を愛しくおもう女の不思議。ずっと好きより、いま大好きの瞬間を逃したくない女の謎。俗っぽくてだめだめな恋にもひそむ、可愛くて神聖なきらきらをすくいあげた、叙情的作品の最高傑作。

  • 映画化
    パーマネント野ばら(2010年5月公開)

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コラム 映画になった新潮文庫

原幹恵


 本屋さんで西原さんの『ダーリンは70歳』を楽しく立読みして、しばらく迷った挙句、『パーマネント野ばら』の方を買うことにしました。この作品を原作にした映画をずっと観たかったからでもあります。
 サイバラ(と書きたくなりますね)さんの漫画をきちんと読んだのは初めて。いわゆる上手な画ではないけど、実に親しみやすく、可笑しく、うっすらとした哀しみや優しさがあります。
 海辺の小さな町のパーマ屋さん(店の名前が「野ばら」)が主な舞台で、そこの出戻りの娘なおこ(私と同じで二十九歳くらい?)が主人公です。主人公と言っても、群像劇で、パーマ屋に集まる(みんなパンチパーマをあてに来る)オバサンたちや、なおこの元同級生たちの恋愛話がさまざまに描かれていきます。なおこにも新たな恋人がいて、こっそり海岸で会っていて……。
 途中まで面白く読んで、DVDを観ることにしました。以下、ネタバレありです。
 なおこが菅野美穂さん、元同級生が小池栄子さん、池脇千鶴さん、母親が夏木マリさん、なおこの恋人が江口洋介さん。みんな巧いし、役にハマっているしで、楽しい。原作ほどハチャメチャなトーンでこそありませんが、原作にかなり忠実です。
 ラスト近く、江口さんは実は菅野さんの高校時代の教師で、初恋の相手で、恋愛の最中に突然亡くなったことがわかります(後で原作を読み通すと、少し違う設定になっていました)。菅野さんは今なお妄想でデートを続けていて、ついに「わたし、くるってる?」と小池さんに訊ねます。小池さんは「そんなやったら、この街の女はみんな狂うとる。ええねん、わたしら若いときは世間さまの注文した女、ちゃんとやってきたんや。これからはわたしもあんたも、好きにさせてもらお」ときっぱり答えてあげます。伏線もテーマも全て明らかになる名場面。
 原作に「ここ(「野ばら」)は女のザンゲ室やからなー」というセリフがありましたが、私は美容室では世間話程度に留まります。だけど、メイクルームではヘアメイクの方といろんな話をしますし、あるいは深夜のカフェでは友人たちとけっこう深く喋り合います。私は相談すること自体がストレス発散になるので、友人からの「バカね」「やめなよ」みたいなアドバイスは素直に聞かない方です。逆に私が強く言いすぎると、少しの間連絡が取れなくなる友人もいて、久しぶりに顔を合わせると、「会ってないうちに、そんなことしてたの! あんなに言ったのに!」と呆れることもあります。
 女って、ある年齢になると、「好きにさせてもらお」と、全部を自分で決めたがる生物みたいです。もっとも私は、後で友人から「どっかで軌道修正するタイプよね」と言われるので、無意識に意見を聞き入れているのかもしれません。きっと、「野ばら」に集まる常連のお客さんたちのように、私もこんな会話を女同士で死ぬまでずっと続けるんだろうな。
 原作の「うん。おんなってどうにかなるみたい」というセリフも私は好きでした。どうやら私は、三十歳が近くなって、何だか生きやすくなった気がしているようです。


(はら・みきえ 女優)
波 2017年4月号より

著者プロフィール

西原理恵子

サイバラ・リエコ

1964年高知県生まれ。マンガ家。武蔵野美術大学卒。1988年、週刊ヤングサンデー『ちくろ幼稚園』でデビュー。1997年に『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞、2005年には『上京ものがたり』、『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。著書に『この世でいちばん大事な「カネ」の話』『パーマネント野ばら』『ダーリンは73歳』『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』『りえさん手帖 ホントにやせた編』など。

西原理恵子公式サイト*鳥頭の城* (外部リンク)

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