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ニュースの読み方使い方

池上彰/著

572円(税込)

発売日:2007/10/30

  • 文庫

池上彰の話は、いつもわかりやすくておもしろい。――幸田真音

政治経済から生活情報まで、どんなに難しそうなニュースも、イケガミ父さんが説明すればたちどころに分かりやすくなる――「週刊こどもニュース」で評判をとったあの分析力はどこから生れたのか? “難解に思われがちな社会の出来事をなるべくやさしく噛み砕く”をモットーに、事件記者時代から毎日たゆまず培ったイケガミ流情報整理術・解釈術を大公開! 『池上彰の情報力』改題。

目次
「さあて、今週は何をしようか」(まえがきにかえて)
「さあて、今週は何をしようか」/ニュースキャスターも「ニュース中毒」/ニュースは「活字」でもチェック。新聞も全紙読み、書店回りも日課/講演会や勉強会など、職場以外の人たちとの情報交換がヒントに/情報をどう処理するのか、『こどもニュース』でどう見せるのか/「要するに、どういうことか」を大切に/「わからない」ことがわかれば、「わかった」も同然/どんな順番だったら理解してもらえるのか、常に相手に確認する/さあ、それではご一緒に
第1章 私の情報収集術
テレビ・新聞・インターネット、ニュースは実にいろいろである/放送時間でニュースの性格は異なる。充実度なら夜、海外の動きは朝にチェック/民放には「ネットワーク系列」がある/NHKが「おつくり」なら、民放は「シェフのおすすめ料理」/「ニュースの疑問ノート」をつけてみよう/テレビニュースには視聴率対策もある/映像に惑わされない注意もしよう/同じ新聞でも、東京と千葉では内容が違うこともある/「全国」紙は、「大都市圏」新聞である/新聞に生まれた赤ちゃんの写真がズラリ……が地方紙の魅力/地方紙の社説は「共同通信の社説」ということも/海外の最新ニュースは夕刊で手に入れる/ねらい目は日曜日。日曜朝刊の一面は各社の特徴が出て面白い/全国紙・経済紙・スポーツ紙など、新聞を読み比べてみよう/新聞だって間違えることはある。だからこそ読み比べが大切/新聞記事は全部読まなくても大丈夫/たった一段の「ベタ記事」が、実は面白い/小さな記事が、大きなニュースに発展することも/「問題意識」を持っていると、情報は向こうから飛び込んでくる/「宅配制度」で、新聞記事が不親切になっている/ニュースを短く書き直す訓練が役に立つ/英字週刊誌は読まなくてもOK。購読しているだけで意味がある/経済専門誌はページを切り取ってしまおう/週刊誌は新聞広告でチェック/読みたい記事が二つ以上あるときに月刊誌を購入/インターネットが、いちばん速いニュースとは限らない/「檀ふみ」か「壇ふみ」か。ネット検索の意外な落とし穴
第2章 私の取材・インタビュー術
取材の基本は「デカ部屋」で教わった/「おまわりさんはウソをつく」/人から話を聞き出すときは、「仮説」をぶつけてみる/取材とはコミュニケーション。だからこそ功を急がない/営業も取材も同じ。大切なことは相手に「惚れさせる」こと/「あなたの話を聞きたい」光線を発しよう/「聞きたい」気持ちを態度で示す。視線の高さを同じにしよう/「うなずく」ことで相手の話を引き出す/話し上手は、相手がうなずきやすいようにしゃべる/あなたは「教えを請う」のだ/何を聞きたいのか、まず自分に質問しよう
第3章 私の情報整理術
三十年以上続けている新聞記事スクラップで、自分の興味・関心がわかる/新聞は一定期間「寝かせて」から、まとめてスクラップ/新聞記事のスクラップで、自分探しをしよう/スクラップという「アナログ」が大切だ/スクラップは規格を統一する/スクラップは自分でやることに意味がある/手帳の整理に時間をかけるのは本末転倒だ/アイデアメモは書き損じの紙の裏で十分
第4章 私の読書術
判断力を鍛えるためにも、いつでも本を手元に/いざというときのために本を読んでおく/『コーラン』も読んでみた/専門用語より「仕組み」を理解しておこう/EUを知れば、アメリカまで見えてくる/とにかく書店に行って、本を買うことから始めよう/新聞の書評欄には、本探しのヒントや新たな発見がいっぱい/新聞の片隅にある書籍広告がねらい目/一行メモの読書記録で、読んだ本の内容を頭に刻み込む/A4サイズの使い終わった紙が、読書ノートに大変身/読書に疲れたら、別の本を読むことで気分転換/電車の中は理想的な図書館/書店で「時代」を感じ取ろう/書店はアイデアの宝庫。コンビニ通いの感覚で書店へ行こう/私の結論は、書店で「迷ったら買う」/本は「奴隷」と「お姫様」に分ける/積んドクだけでもためになる/たまには本を並べ替えよう/情報発信のための文章力は読書から/本を読む時間は自ら「生み出す」もの
第5章 私のニュースの読み方
シュワちゃんは、勝ったのか負けたのか/メディアを読み解く「メディア・リテラシー」の力をつけよう/イラク戦争は「情報戦争」でもあった/「捕虜の映像」公開でも火花を散らした/正式な発表なのか、情報源が曖昧な情報なのか。私たちはどう判断すべきか?/戦争映像には「演出」もある/アメリカは、情報戦でも圧勝した/「愛国報道」で視聴率を上げたメディアもあった/「もうひとつの視点」を提供したメディア・アルジャジーラ/北朝鮮のテレビから「メディア・リテラシー」を考える/映像だけでは判断できないこともある/それは単なる「情報」か、確認がとれたものか/「健全な懐疑心」でニュースを見よう/事実なのか解釈なのか。ビジネスでも「確認」が大切/情報を流す側の「動機」も推測してみよう/「規制緩和」は「規制撤廃」?!  “誤訳”で情報操作を狙う?/日米の情報感度はここまで違う/記号やナンバーも情報。きちんと解釈できるかどうかが肝心/「何がニュースなのか」を知るだけでも勉強になる/お詫び会見で「倫理観」「社会性」を学ぶ/ニュースで世の中の仕組みがわかる/ニュースから「リスク管理」も学べる/「1ドル○○円」の為替相場から、国際情勢を読んでみよう/そもそも、私たちは何のために情報収集をするのか
第6章 私の情報発信術

1 情報発信のためだけでなく、自分の考えを整理するために文章を書く
わかりやすい記事を書くために、まず先輩の文章の「写経」から始めた/書かずに原稿を読み上げる「勧進帳」をやらされることも/良い文章か悪い文章か。音読すればすぐにわかる/書いた文章を“ひとり突っ込み”すると考えがまとまる/勇気を出して、途中経過の文章を他人にさらけ出してしまおう/原稿はワインのように、書いたら寝かせておこう/意識的に接続詞のない文章を書くことで、論理力を鍛える/プリントアウトするだけで、自分の文章を読者の立場で読める/日記では文章は上達しない。思わず読みたくなる“つかみ”を考えよう/「起承転結」の原則を知っておこう/ゆるやかな「演繹法」でストーリーを組み立てる/日ごろの観察力が表現力を鍛える
2 書いたものを発表してみよう
図解は「自分でつくること」に意義がある/矢印が持つ意味は? 安易な図解でかえってわかりにくくなることも/図解してから原稿を書いてみよう/一枚ですべてを説明するのはやめよう
3 相手への想像力を働かせ、わかりやすい説明の工夫をしよう
誰に伝えようとしているのかを明確にする/大きな数字は、身近な数字に置き換えてみよう/図解や模型をつくるには、詳しい情報が必要だ/やさしい説明であっても、正確な表現でなければならない/図解のアイデアは“アルキメデスの法則”で生まれる
職場の仲間に育てられる(あとがきにかえて)
飲み会でもなく会議でもない。職場での雑談が仕事のヒントを生み出す/わかりやすいニュースは、ズケズケと言い合える職場から生まれた/みんなが「番組づくりに参加している」という意識を持つことから/自分の頭で考えさせる。上司のちょっとした「我慢」が若手を育てる/「わかりっこない」とは言わないこと、「わかりやすく」が僕らの仕事
解説 幸田真音

書誌情報

読み仮名 ニュースノヨミカタツカイカタ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 304ページ
ISBN 978-4-10-133071-6
C-CODE 0130
整理番号 い-91-1
ジャンル マスメディア
定価 572円

著者プロフィール

池上彰

イケガミ・アキラ

1950(昭和25)年、長野県生まれ。ジャーナリスト。東京工業大学教授。慶應大学経済学部卒業後、NHK入局。報道記者や番組キャスターなどを務め、2005年に独立。『伝える力』『おとなの教養』『新・戦争論』(共著)ほか著作多数。2013年、伊丹十三賞受賞。

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