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俘虜記

大岡昇平/著

935円(税込)

発売日:1967/08/14

  • 文庫
  • 電子書籍あり

日本人はいまも敗者として、生かされ続けているのかもしれない。大岡昇平生誕101年の夏。今読みたい戦中戦後文学の傑作。

著者の太平洋戦争従軍体験に基づく連作小説。冒頭の「捉まるまで」の、なぜ自分は米兵を殺さなかったかという感情の、異常に平静かつ精密な分析と、続編の俘虜収容所を戦後における日本社会の縮図とみた文明批評からなる。乾いた明晰さをもつ文体を用い、孤独という真空状態における人間のエゴティスムを凝視した点で、いわゆる戦争小説とは根本的に異なる作品である。

目次
捉まるまで
サンホセ野戦病院
タクロバンの雨
パロの陽
生きている俘虜
戦友
季節
労働
八月十日
新しき俘虜と古き俘虜
演芸大会
帰還
附 西矢隊始末記
 あとがき
 解説 吉田熈生

書誌情報

読み仮名 フリョキ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
頁数 576ページ
ISBN 978-4-10-106501-4
C-CODE 0193
整理番号 お-6-1
ジャンル 文芸作品
定価 935円
電子書籍 価格 869円
電子書籍 配信開始日 2014/04/04

著者プロフィール

大岡昇平

オオオカ・ショウヘイ

(1909-1988)東京生れ。京都帝大仏文科卒。帝国酸素、川崎重工業などに勤務。1944(昭和19)年、召集されてフィリピンのミンドロ島に赴くが、翌年米軍の俘虜となり、レイテ島収容所に送られる。1949年、戦場の経験を書いた『俘虜記』で第1回横光利一賞を受け、これが文学的出発となる。小説家としての活動は多岐にわたり、代表作に『武蔵野夫人』『野火』(読売文学賞)『花影』『レイテ戦記』(毎日芸術大賞)などがある。1971年、芸術院会員に選ばれたが辞退。

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