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ラディゲの死

三島由紀夫/著

737円(税込)

発売日:1980/12/29

  • 文庫

三日のうちに、僕は神の兵隊に銃殺されるんだ――。

自らの予言通りに、ラディゲは庇護者であるコクトオに見守られながら二十年の生涯を閉じた。三島が少年の時より心酔してきた夭折の天才ラディゲの臨終を描いた表題作の他、星の宿命を負った帝と安倍晴明を描く「花山院」、妖しく怖ろしい夢魔の名品「山羊の首」等、17歳から31歳まで天才作家の軌跡を辿る至極の13短編。現実を明晰辛辣に裁断した作品を収める。

目次
みのもの月
山羊の首
大臣
魔群の通過
花山院
日曜日
箱根細工
偉大な姉妹
朝顔
旅の墓碑銘
ラディゲの死
復讐
施餓鬼舟
解説 野島秀勝

書誌情報

読み仮名 ラディゲノシ
シリーズ名 新潮文庫
装幀 Junshi Nakamichi/カバー写真、Getty Images/カバー写真、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 384ページ
ISBN 978-4-10-105029-4
C-CODE 0193
整理番号 み-3-29
ジャンル 文芸作品
定価 737円

どういう本?

タイトロジー(タイトルを読む)

 レイモン・ラディゲの生れたのは千九百三年六月十八日である。第一次大戦のはじまったのが千九百十四年の夏である。おわったのが千九百十八年の暮である。ラディゲはその短生涯を形成する重要な部分、十一歳から十五歳までを大戦の裡に送り、作品制作のために剩された十六歳から二十一歳までの五六年間を、戦乱の混乱の裡に送った。
 輓近の評論家 R・M・アルベレースのよると、第一次大戦後におけるフランス文学の「有毒な絢爛たる」青年期の時代、無秩序と独創性と非合理主義とシニスムの時代、「青年の小説」が一世を風靡した時代は、千九百年の知的革命の当然の帰結だというのである。(本書310ぺージ)

著者プロフィール

三島由紀夫

ミシマ・ユキオ

(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

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