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斜陽

太宰治/著

374円(税込)

発売日:1950/11/22

  • 文庫
  • 電子書籍あり

「僕は恥ずかしさのために死にそうです」。カッコよく、堕ちていくのも悪くない。

破滅への衝動を持ちながらも“恋と革命のため”生きようとするかず子、麻薬中毒で破滅してゆく直治、最後の貴婦人である母、戦後に生きる己れ自身を戯画化した流行作家上原。没落貴族の家庭を舞台に、真の革命のためにはもっと美しい滅亡が必要なのだという悲壮な心情を、四人四様の滅びの姿のうちに描く。昭和22年に発表され、“斜陽族”という言葉を生んだ太宰文学の代表作。

  • 映画化
    鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽(2022年10月公開)

書誌情報

読み仮名 シャヨウ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
頁数 256ページ
ISBN 978-4-10-100602-4
C-CODE 0193
整理番号 た-2-2
ジャンル 文芸作品
定価 374円
電子書籍 価格 363円
電子書籍 配信開始日 2008/05/01

どういう本?

タイトロジー(タイトルを読む)

《わたし、お祝いを言いたいの。桜の園は売られました。もうなくなってしまいました。それは本当よ、本当よ。でも泣かないでね、ママ、あなたには、まだ先の生活があるわ。そのやさしい、清らかな心もあるわ。……さ、一緒に行きましょう、出て行きましょうよ、ねぇ、ママ、ここから!……わたしたち、新しい庭を作りましょう、これよりずっと立派なのをね。それをご覧になったら、ああそうかと、おわかりになるわ。そして悦(よろこ)びがーー静かな、ふかい悦びが、まるで夕方の太陽のように、あなたの胸に射しこんできて、きっとニッコリお笑いになるわ、ママ! 行きましょう、ね、大事なママ! 行きましょうよ!……》(新潮文庫『桜の園・三人姉妹』 チェーホフ著 神西清訳 102ぺージ)
 
 柄谷行人氏は、太宰治が愛読していたチェーホフの『桜の園』を引用しながら斜陽という題名と作品について解説しています。(『斜陽』について 柄谷行人 本書231ぺージ)

著者プロフィール

太宰治

ダザイ・オサム

(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

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