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【R-18文学賞大特集】
第17回女による女のためのR-18文学賞決定発表
清水裕貴/夏樹玲奈/山本 渚

小説新潮 2018年5月号

(毎月22日発売)

特別定価1,069円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/04/21

発売日 2018/04/21
JANコード 4910047010589
定価 特別定価1,069円(税込)
■まとめ テーマでくくる 本選びのヒント
2018 R-18文学賞

■目次
【R-18文学賞大特集】
――才気あふれる女性作家を続々と輩出する、ユニークな文学賞。
今年も選考委員を賛嘆させる、有望な新星が誕生した――

第17回女による女のためのR-18文学賞受賞作発表・受賞の言葉

○選評 辻村深月三浦しをん/友近

○受賞作
◆大賞 清水裕貴/手さぐりの呼吸
――ささやかでも楽しかった同居生活。企みに満ちた〈二人称小説〉

◆読者賞 夏樹玲奈/空におちる海
――少し奇妙だけど平穏な三人暮らし。なのに勝也が姿を消して

◆友近賞 山本 渚/アップル・デイズ
――転校のあいさつって最悪。でもキラの憂鬱は他にもあって……

○歴代受賞作家競作
◆白尾 悠/水底の空(第16回大賞・読書賞)
◆伊藤万記/葡萄を踏む(第16回友近賞)
町田そのこ/リセット(第15回大賞)
一木けい/愛に絶望してはいない(第15回読書賞)
◆笹井都和古/ポニー、虹をごらん(第15回友近賞)
森 美樹/砂の日々(第12回読書賞)
深沢 潮/マミィ(第11回大賞)
田中兆子/居酒屋むじな(第10回大賞)

○対談
窪 美澄(第8回大賞)×一木けい(第15回読書賞)/つながれてきたバトン
――R-18文学賞は北関東のバレー部的存在? 出身作家が語る本賞の魅力

【新連載小説】
◆藤野恵美/サバイバーズ・ギルト
――愛する家族。自分が幸せであるほど、疑問は大きくなって――

【短期集中掲載第3回】
佐藤愛子/冥界からの声
――亡き少女からの度重なる電話。これは悪戯か、それとも――

【好評連載第2回】
赤川次郎/いもうと
――社会人となった実加への突然の電話。伝えられたのは――

【特別対談】
矢部太郎×ヨシタケシンスケ/「考えちゃう派」の僕たち
――異業種から転向した二人。やってみて分かった「作家」の苦労

【特選読切短編】
原田マハ/薔薇色の人生
――バツイチ、でも家あり仕事も一応ありの平穏な人生だったが

畠中 恵/こわいものなし しゃばけ シリーズ最終話
――長崎屋と妖の秘密がバレた!? 訪ねてきた男の願いとは

【グラビア】
◆日本ファンタジーノベル大賞2017贈呈式

小説新潮作家名鑑
◆深沢 潮
――民族、家族の問題を書き続ける作家のとっておきの癒やしとは

【バラエティコラム】
〈思い出の手料理〉新井見枝香
〈いつか住みたい街〉兼桝 綾
〈マイルーティーン〉縫田曉言

【連載コラム】
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉石井千湖
〈恋愛・青春〉高頭佐和子

【好評連載小説】
石田衣良/清く貧しく美しく
奥田英朗/霧の向こう
乙川優三郎/二十五年後の読書 最終回
窪 美澄/トリニティ
熊谷達也/我は景祐
白石一文/ひとりでパンを買いに行く日々に
楡 周平/鉄の楽園
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
初野 晴/世界の果ては二つ
早見和真/ザ・ロイヤルファミリー
薬丸 岳/刑事弁護人
山本一力/船旗を替えよ!
山本文緒/自転しながら公転する

【連載エッセイ・ノンフィクション】
Oka-Chang/へそのお
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
高野秀行/謎の未確認納豆を追え!
武田砂鉄/ポジティブ・ファシズム
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち
増田俊也/続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
群 ようこ/じじばばのるつぼ

第31回「山本周五郎賞」候補作発表
日本ファンタジーノベル大賞2018」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

その文学賞、男子禁制につき

 以前、他社の編集者から「本当に女性だけでやってるんですか?」と訊かれたことがありますが、本当です。運営の一切を社内の女性編集者が仕切り、選考に当たる辻村深月氏、三浦しをん氏も当然女性。選考会場に、男性の私は立ち入れません。そんなユニークな「女による女のためのR‐18文学賞」も数えて17回。個性的な女性作家を輩出してきましたが、今年もあちこちで吹聴したくなる、魅力的な新人作家が誕生します。
 大賞の清水裕貴氏、読者賞の夏樹玲奈氏は、いずれも新人離れした技巧で選考委員を驚嘆させ、友近賞の山本渚氏は友近氏から「じわっと感動する」と拍手を送られています。それぞれ50枚に満たない短編ですので、新たな才能がいかなるものか、ぜひ本誌で確認して下さい。
 加えて歴代受賞作家8氏による競作と、窪美澄一木けい両氏による対談。そしてグラビア「作家名鑑」には、やはり受賞者の深沢潮氏が登場。「Rー18」づくしの1冊となりました。

小説新潮編集長 江木裕計

次号予告

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞