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【ミステリー特集 こじれた7つの謎】
薬丸 岳/芦沢 央/生馬直樹/小嶋陽太郎/彩藤アザミ/澤村伊智/真梨幸子

小説新潮 2017年2月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2017/01/21

発売日 2017/01/21
JANコード 4910047010275
定価 947円(税込)
■まとめ テーマでくくる 本選びのヒント
[酉年に刊行したミステリー小説]

■目次
【ミステリー特集 こじれた7つの謎】

見かけに騙されてはいけない。言葉をそのまま受け取ってはならない。さもないと、とんでもないところへ連れて行かれるよ――。


◆薬丸 岳/刑事弁護人〈新連載〉
――同業者からの良くない噂と傍聴マニアの異様な人気――西の弁護活動を見た同僚・凜子は、彼に不信感を抱くが

芦沢 央/お祓いを頼む女
――いきなり電話してきて「呪われてるんです」と言われても

生馬直樹/演劇祭の憂鬱
――小学校最後の演劇祭。子供たちは何を企んでいるのか

◆小嶋陽太郎/或るミコバイトの話
――賽銭箱の裏に貼られた謎の手紙。誰が、何のために?

彩藤アザミ/少女証明(メイデンティティ)
――「作られた美少女」はなぜ使われ、空っぽになったのか

◆澤村伊智/今からでも遅くはない
――ある本の影響で、私は妻と過ごした夢の日々を振り返り

真梨幸子/サークルクラッシャー
――私の戸籍に信じられない名前が。いつの間に? どうして?

【新連載】
あさのあつこ/ハリネズミは月を見上げる
――楽しそうに笑うあの子たちと私は、いつもどこかが違ってた――。不器用で臆病な少女の魂の成長を描く、鮮烈な青春物語

【連載第二回】
加藤 廣/宇都宮城血風録 第1部・後編

早見和真/ザ・ロイヤルファミリー

【ファンタジーノベル大賞応援企画】
古谷田奈月/白日の下に躍り出る
――担任に恋人がいるか聞き出せと、歩くんに命じられた小春だが

【特選読み切り小説】
井上荒野/ペルー
――自分は情けない男ではない。情けない状況にいるだけなのだ

◆中澤日菜子/51年
――夫の死後、家に籠もりっぱなしの親友。紅子が家を訪ねると

畠中 恵/しんのいみ しゃばけ
――江戸の海の先に現れた蜃気楼。入ると簡単に戻れないようで

小説新潮作家名鑑
◆真梨幸子
――本人だけでなく愛猫も登場! イヤミス界の旗手の素顔とは

【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉中村 中
〈マイルーティーン〉中屋敷法仁
〈わたしの愛用品〉牧野伊三夫

【連載コラム】
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助 /〈医療・介護〉杉江松恋/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史

【好評連載小説】
乾 緑郎/杉山検校
奥田亜希子/リバース&リバース
奥田英朗/霧の向こう
小島慶子/陽だまりの宴
今野 敏/棲月 隠蔽捜査7
西條奈加/八人のゴメス 最終回
瀬尾まいこ/夏がぼくを走らせる
千早 茜/硝子のコルセット
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
葉室 麟/玄鳥さりて

【連載エッセイ・マンガ】
阿刀田高/漱石を知っていますか
黒田龍之助/物語を忘れた外国語
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
椎名 誠/銀河系の針の穴
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
西きょうじ/そもそも
群ようこ/じじばばのるつぼ
矢部太郎大家さんと僕

「日本ファンタジーノベル大賞2017」募集要項
第四回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告表紙の言葉

最新号PICK UP

2017年1月号より、表紙は山本加奈子氏のイラストレーションになりました。
また、今月号から山本氏からの“ひとこと”として「表紙の言葉」を巻末に載せています。
表紙と併せてお楽しみください。

■表紙の言葉――山本加奈子(表紙・目次イラスト)
「日本人って夜にもコーヒーを飲むの?」アメリカでコーヒー屋を営む友人からの質問。コーヒーは目覚ましの意味もあって早い時間に飲むことが多いけれど、ときどき友人とちょっと豪華な夕食を食べたあと、遅くまで営業している喫茶店でコーヒーを飲みながらおしゃべりするとき、普段よりぐっと親密な会話になることがある。適度なリラックスと覚醒と、まるでコーヒーの持つ魔法のようだ。

この号の誌面

編集長から

ミステリー特集のBGMといえば?

 ミステリーと聞くと、決まって浮かんでくる曲があります。?(クエスチョン・マーク)&ザ・ミステリアンズの「96粒のなみだ」。あれ、ご存じないですか? 1966年に全米ナンバーワンになったヒット曲で、多数のミュージシャンにカバーされています。曲調はいたって能天気ですが、なにしろバンド名がバンド名なもので、今月号はこの曲を脳内でヒャラヒャラ鳴らしながら編集に勤しみました。
 そんなBGMの後押しもあってか、ミステリー特集「こじれた7つの謎」は、充実した競作に。薬丸岳(新連載です!)、芦沢央生馬直樹、小嶋陽太郎、彩藤アザミ、澤村伊智、真梨幸子の7氏が、日頃鍛えた自慢の得意技を繰り出し、読み応え十分です。
 それから、あさのあつこ氏の新連載「ハリネズミは月を見上げる」も今月から。小社では時代小説の多かった氏の、初の青春小説です。ほかに井上荒野畠中恵、中澤日菜子、古谷田奈月氏の読み切りにもご期待を。

小説新潮編集長 江木裕計

第11回 矢部太郎「大家さんと僕」

相方の許可も下り、仕事も入らず、大家さんと二人で旅行に行くことになった僕。そんな僕たちを鹿児島空港で待ち受けていたのは……

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■矢部太郎さんのひとこと

大家さんとえみちゃんとの鹿児島の旅は二泊三日で、大家さんは「ちらん人形博物館」に展示されている昔の人形を見て「懐かしい」と気に入っていらして、大家さんの少女時代を垣間見ました。大家さんは館の方とその後も文通されていて、お持ちの人形を送られたりしていたので、もしかしたら展示されているかもです。えみちゃんはイッシーという巨大生物が出るという池田湖が、家族旅行で来たこともあると懐かしがっていました。大家さんはイッシーには全く興味持っていませんでした。


■読者の声

おすそわけって、いいなと思った。ほかの誰かと分かち合うことって大事だなって。矢部さんのマンガ読んで、そんな気持ちになりました。(30代・男性)

偶然にbookbangのサイトを見つけて、第1回を読み、ハマってしまいました。大家さんとのほのぼのとしたやり取りや、矢部さんの心の動きに、毎回ほっこりしたり、ジーンとさせられています。(40代・女性)

◎これまでの「大家さんと僕」はこちらからご覧いただけます。

次号予告

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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