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◆第40回新潮新人賞発表◆クロスフェーダーの曖昧な光/飯塚朝美

新潮 2008年11月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/10/07

発売日 2008/10/07
JANコード 4910049011188
定価 特別定価996円(税込)

◆第40回新潮新人賞発表◆
【受賞作】クロスフェーダーの曖昧な光/飯塚朝美
 『金閣寺』へのオマージュ【インタビュー】

【選評】浅田 彰 桐野夏生 福田和也 町田 康 松浦理英子

◆学問(長篇第二回) 死んじゃえ、の裏側にある、少女の心/山田詠美

◆涼風 死んだ者は一日ずつ死んで、生き残った者は一日ずつ生きる/古井由吉

◆TOKYO SMART DRIVER G――マップの「話題の新機能」が主人公?/青木淳悟

◆かけら/青山七恵

◆落としもの/横田 創

◆野の輝き/村田喜代子

◆緑色のホテル 若き妻が新婚旅行で見せた「顔」――/鹿島田真希

◆大竹伸朗のアトリエ 絵と言葉。同期(シンクロ)する創造者/古川日出男

■新潮
・大陸、日本語として/リービ英雄
・お笑い芸人が古井由吉を好きな理由/又吉直樹(ピース)
・アラブ詩人たちの閉塞/酒井啓子

◆第7回《小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞》発表

◆第41回《新潮新人賞》応募規定

◆第16回萩原朔太郎賞発表
【受賞作】声の生地/鈴木志郎康
【選評】入沢康夫 岡井 隆 白石かずこ 高橋源一郎 平田俊子

■新連載■母性のディストピア――ポスト戦後の想像力/宇野常寛
 『ゼロ年代の想像力』の気鋭が挑む「アメリカの影」

◆柄谷行人論〈新潮新人賞受賞第一作〉/大澤信亮
 思想の巨人と対峙する渾身の一〇〇枚

■ 対話 ■ 世界の奏でる音楽を聴く/保坂和志+古谷利裕

■脇道に逸れる哀しさ――町田康『宿屋めぐり』論/山城むつみ

■わが戦前―平成年間の感情、思想、文芸― 第二十一回/福田和也

■世の見方の始まり(四)――与謝野晶子・髪/池内 紀

■生き延びるためのアメリカ文学(九)/都甲幸治
 ノスタルジーの国への旅――マイケル・シェイボン『イディッシュ語話者の警官組合』

■四方田犬彦の月に吠える(十一)[文化月評]/四方田犬彦

■見えない音、聴こえない絵(57)/大竹伸朗

■本
・絲山秋子『ばかもの』/菅野昭正
・古川日出男『聖家族』/佐藤良明
・リービ英雄『仮の水』『延安』/福嶋亮大
・ケイト・アトキンソン『博物館の裏庭で』/山崎まどか

■連載
・幸福の森(十一)/加賀乙彦
・高畠素之の亡霊(十一)/佐藤 優
・現(うつつ)な像(十一)/杉本博司
・明治の表象空間(二十九)/松浦寿輝

編集長から

第40回新潮新人賞
◎第40回新潮新人賞(9月8日選考会)は、新しい選考陣による例年以上に激しい議論の末、飯塚朝美氏の「クロスフェーダーの曖昧な光」を受賞作に決定した。選考会場では、選者の価値観が正面からぶつかりあい、諸作品に潜在する将来の可能性にまで検討は及んだ。その過程は、作品と選者の対話であり、戦いでもあった。今年もまた、二千作を超える応募作の中から選ばれた受賞作(二十五歳の筆者による三島由紀夫『金閣寺』へのオマージュ)を、戦い=対話の記録としての選評とあわせて読者に届けられることを本当に嬉しく思う◎昨年ひとまず終了となった新潮新人賞評論部門で受賞を果たした大澤信亮氏が渾身の受賞第一作「柄谷行人論」(100枚)を発表する。また、近年の批評書としてはもっとも話題を呼んだ『ゼロ年代の想像力』の宇野常寛氏が新連載を開始、〈戦後「以降」の想像力〉というより広大な問題に挑む。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞