お知らせ

誰もが知りたい村上春樹の謎をとことん訊き尽くす!

 新刊が出るたびにニュースで取り上げられ、文芸評論のみならず、音楽、クルマ、ビジネス、心理学、哲学など、さまざまなジャンルの観点からも分析される村上春樹さんの小説。この2月に刊行された『騎士団長殺し』についても、すでに多くの評論がでていますが、では当の作家は何を考え、何を考えずに・・・・・・作品を書いているのでしょうか。
 今回の新作刊行に合わせて、長いインタビューを受けていただきたいと考えていた編集部は、川上未映子さんに聞き手をお願いしました。というのも、二〇一五年に雑誌「MONKEY」に掲載された川上さんによるインタビューが素晴らしい内容だったからです。「受けるからには、徹底的にやりましょう」という村上さんの意向のもと、収録は場所と時間帯を変え、都合四回、計十一時間におよびました。
 本書では、「一人称が僕から私に変わったのはなぜ?」「イデアって何?」といった最新作に関する疑問にとどまらず、「結末を決めずになぜ書けるのか」「女性の役割が一方的ではないか」といった核心をつく問いに対しても、実に率直に答えられています。もしかすると本人ですら気づいていない、村上さんの創作の源泉を訊き出したという意味において、インタビュー文学の傑作というべき記録です。

波 2017年5月号「新潮社の新刊案内」より

著者紹介

川上未映子カワカミ・ミエコ

大阪府生まれ。「乳と卵」で芥川賞、『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞および紫式部文学賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、『夏物語』で毎日出版文化賞など受賞歴多数。『夏物語』は英、米、独、伊などでベストセラーとなり、世界40ヵ国以上で刊行が予定されている。世界でもっとも新作が待たれている作家のひとり。他の作品に『すべて真夜中の恋人たち』、『あこがれ』、『ウィステリアと三人の女たち』、『みみずくは黄昏に飛びたつ』(村上春樹との共著)などがある。

村上春樹ムラカミ・ハルキ

1949年京都生れ。『風の歌を聴け』でデビュー。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ねじまき鳥クロニクル』『アフターダーク』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』などの長編小説、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』などの短編小説集がある。『レイモンド・カーヴァー全集』、J.D.サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』、トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』、ジェフ・ダイヤー『バット・ビューティフル』など訳書多数。

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